【築く】と【作る】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「築く」(読み方:きずく)と「作る」(読み方:つくる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「築く」と「作る」という言葉は、どちらも種々の材料に手を加えて新しい形や完成された状態にすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「築く」と「作る」の違い

「築く」と「作る」の意味の違い

「築く」と「作る」の違いを分かりやすく言うと、「築く」は土や石などを積み重ねる大きな物に対して使う、「作る」は手作業で物を生み出したり目標に従うなど一般的な物に対して使うという違いです。

「築く」と「作る」の使い方の違い

一つ目の「築く」を使った分かりやすい例としては、「幸せな家庭を築くのが私の夢です」「銅でモニュメントを築く」「彼と友情を築くことができました」「橋を築くことができました」「彼女は徒弟から現在の地位を築く」などがあります。

二つ目の「作る」を使った分かりやすい例としては、「課外授業でじゃがいもを作る」「人間関係を作るのはそう簡単ではありません」「洋服を作るのが私の仕事です」「プラスチックで色々な容器を作る」などがあります。

「築く」と「作る」の使い分け方

「築く」と「作る」はどちらも種々の材料に手を加えて新しい形や完成された状態にすることを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「築く」は土石などを積み上げてつくることを意味しており、「城を築く」「堤防を築く」などのように、土や石などを積み重ねる大きな物に対して使う表現になります。

一方、「作る」はある力を働かせて新しい物事や状態を生みだすことを意味しており、「お米を作る」「彼が世界記録を作る」などのように、手作業で物を生み出したり目標に従うなど一般的な物に対して使うというのが違いです。

「築く」と「作る」の英語表記の違い

「築く」を英語にすると「build」「construct」となり、例えば上記の「彼女は徒弟から現在の地位を築く」を英語にすると「She started as an apprentice and built up his present position」となります。

一方、「作る」を英語にすると「make」「manufacture」となり、例えば上記の「プラスチックで色々な容器を作る」を英語にすると「They make plastic into various kinds of containers」となります。

「築く」の意味

「築く」とは

「築く」とは、土石などを積み上げてつくることを意味しています。その他にも、体制、地位、財産などをしっかりとつくることの意味も持っています。

表現方法は「関係を築く」「信頼を築く」

「関係を築く」「信頼を築く」などが、「築く」を使った一般的な言い回しになります。

「築く」の使い方

「誰も侵入できないように入り口にバリケードを築く」「海流の侵入を防ぐために堤防を築く」などの文中で使われている「築く」は、「土石などを積み上げてつくること」の意味で使われています。

一方、「彼は政界に確固たる地位を築く」「夫婦で力を合わせて幸せな家庭を築く」などの文中で使われている「築く」は、「体制、地位、財産などをしっかりとつくること」の意味で使われています。

「築く」は土石などを積み上げてつくることと、体制、地位、財産などをしっかりとつくることの二つの意味を持つ動詞です。

「築く」の語源

「築く」は本来は、土石などを積み上げてつくることの「杵築く」で使われていましたが、この「杵」が後に「城」と意識されれるようになり、城や堤防などの大きな物に対して使うようになったと言われています。

「築く」の特徴

「築く」は物理的なものだけではなく、地位、財産、人間関係などの抽象的なものに対しても使うことができるというのが特徴です。

「築く」の類語

「築く」の類語・類義語としては、まとまった形のあるものにすることを意味する「造る」、建物などをつくることを意味する「建てる」、組み立てて築くことを意味する「構築」、家屋などの建物を土台からつくり上げることを意味する「建築」などがあります。

「作る」の意味

「作る」とは

「作る」とは、ある力を働かせて新しい物事や状態を生みだすことを意味しています。

その他にも、農作物などを世話したり力を注いだりして育てあげること、いままで存在しなかったものを新しく生じさせること、意図的に工夫して形や状態を現出することの意味も持っています。

「作る」の使い方

「彼氏のために肉じゃがを作る」「キャベツを作る作業をしています」などの文中で使われている「作る」は、「ある力を働かせて新しい物事や状態を生みだすことや農作物などを世話したり力を注いだりして育てあげること」の意味で使われています。

一方、「彼氏を作ることができました」「参加できない口実を作る」などの文中で使われている「作る」は、「いままで存在しなかったものを新しく生じさせることや意図的に工夫して形や状態を現出すること」の意味で使われています。

「作る」は複数の意味を持つ動詞になります。

「作る」の特徴

「作る」は「米を作る」「料理を作る」などように物理的なものから、「財産を作る」「口実を作る」などのように、抽象的なものに対しても使うことができます。つまり、広く一般的な使われている言葉です。

ただし、「城を作る」「堤防を作る」「ビルを作る」などの大きなものに対してはあまり使いません。もし大きなものに対して使いたいのであれば、類語である「築く」や「造る」を使うようにしましょう。

「作る」の類語

「作る」の類語・類義語としては、新しいものをつくり出すことを意味する「創作する」、新しいものを初めてつくり出すことを意味する「創造する」、ある事を行うためにあらかじめ方法や順序などを考えることを意味する「計画する」などがあります。

「築く」の例文

1.水害から街を守るために、あらゆる場所に堤防を築くことにしました。
2.敵国から都市を守るために、巨大な城壁を築くことにしました。
3.日米の友好関係を築くことは、総理大臣に求められている仕事だろう。
4.信頼関係を築くには、適度なコミュニケーションが必要だと思いますよ。
5.投資で大成功したため、巨万の富を築くことができました。

この言葉がよく使われる場面としては、土石などを積み上げてつくることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、体制、地位、財産などをしっかりとつくることを表現したい時にも使います。

例文1と例文2は土石などを積み上げてつくること、例文3から例文5は体制、地位、財産などをしっかりとつくることの意味で使われています。

「作る」の例文

1.小麦粉はパンやケーキなどを作るのに使うので、お菓子作りには欠かせません。
2.トウモロコシを作るために、土地を購入して畑を耕しました。
3.夫との間に子供を作ることができたので、今が本当に幸せです。
4.全国展開を計画しているので、地方に支店を作ることにしました。
5.アリバイを作ることができたので、警察から疑われることはないだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、ある力を働かせて新しい物事や状態を生みだすことを表現したい時などが挙げられます。

その他にも、農作物などを世話したり力を注いだりして育てあげること、いままで存在しなかったものを新しく生じさせること、意図的に工夫して形や状態を現出することを表現したい時にも使います。

例文1はある力を働かせて新しい物事や状態を生みだすこと、例文2は農作物などを世話したり力を注いだりして育てあげること、例文3と例文4はいままで存在しなかったものを新しく生じさせること、例文5は意図的に工夫して形や状態を現出することの意味で使っています。

「築く」と「作る」はどちらも種々の材料に手を加えて新しい形や完成された状態にすることを表します。

どちらの言葉を使うか迷った場合、土や石などを積み重ねる大きな物に対して使うのが「築く」、手作業で物を生み出したり目標に従うなど一般的な物に対して使うのが「作る」と覚えておきましょう。

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