【寿命】と【余命】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「寿命」(読み方:じゅみょう)と「余命」(読み方:よめい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「寿命」と「余命」という言葉は、どちらも「命の長さ」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




寿命と余命の違い

寿命と余命の意味の違い

寿命と余命の違いを分かりやすく言うと、寿命とは生まれてから死ぬまでの命の長さ、余命とは残りの命の長さという違いです。

寿命と余命の使い方の違い

一つ目の寿命を使った分かりやすい例としては、「日本人の平均寿命の推移をグラフにする」「女性の平均寿命の中央値は何歳ですか」「カメは寿命が長い動物です」「寿命占いをやってみたいです」「車のバッテリーの寿命は4年程度です」などがあります。

二つ目の余命を使った分かりやすい例としては、「余命いくばくもない祖母のお見舞いに行く」「日本国民の平均余命を調査しています」「65歳時点の健康余命を調べる」「余命宣告された人の気持ちを考えてください」などがあります。

寿命と余命の使い分け方

寿命と余命という言葉は、どちらも命が存続する期間を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

寿命とは、生物の生命が存続する時間の長さを意味します。「平均寿命」とは、ある人口集団の人たちが生まれてから何年生きるかを示す平均の年数のことです。また、「バッテリーの寿命」のような使い方で、物がこわれずに働く期間も意味します。

余命とは、これから先、死ぬまでの生命を意味します。上記例文にある「余命いくばくもない」とは、残された命がわずかな時間であること、死期が迫っていること表す言い回しです。もうすぐ死ぬことの婉曲表現として使用されています。

つまり、寿命とは生物が生まれてから存続する命の長さを表し、余命とはある時点から死ぬまでの残りの命の長さを表します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

寿命と余命の英語表記の違い

寿命を英語にすると「life span」「longevity」「duration of life」となり、例えば上記の「平均寿命」を英語にすると「average life span」となります。

一方、余命を英語にすると「life expectancy」「expectation of life」となり、例えば上記の「余命いくばくもない」を英語にすると「have a limited life expectancy」となります。

寿命の意味

寿命とは

寿命とは、生命の存続する期間、特に、あらかじめ決められたものとして考えられる命の長さを意味しています。

その他にも、「物の使用に耐える期間、また、その限界」の意味も持っています。

寿命の読み方

寿命の読み方は「じゅみょう」です。誤って「じゅめい」「すみょう」などと読まないようにしましょう。

寿命の使い方

「実は歯の健康が健康寿命をのばします」「柴犬は寿命が長い犬種です」「寿命計算機アプリをダウンロードする」「おそらく最も正確な寿命診断で100歳まで生きると診断されました」などの文中で使われている寿命は、「生命の存続する期間」の意味で使われています。

一方、「洗濯機の寿命はだいたい10年です」「英語翻訳機の寿命が来たようだ」「家電には寿命タイマーがあるって本当ですか」などの文中で使われている寿命は、「物の使用に耐える期間や限界」の意味で使われています。

寿命とは、上記例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で使用されているため、文脈により意味を捉える必要があります。寿命の「寿」は訓読みで「とし」と読み、年齢や生命を表し、「命」は生きている間を表す漢字です。

表現方法は「健康寿命」

寿命を用いた日本語には「健康寿命」があります。健康寿命とは、人が心身ともに健康で自立して活動し生活できる期間を意味します。健康寿命と平均寿命の違いは、平均寿命は命の長さを表すのに対して、健康寿命は人がどれだけ健康で豊かに生きられるかを表す点にあります。

寿命の類語

寿命の類語・類義語としては、天から授かった寿命や自然の寿命を意味する「天寿」、天の定めた人間の寿命を意味する「天命」、生命の長さや命のかぎりを意味する「命数」、生まれてから死ぬまでの間や生涯を意味する「一生」などがあります。

余命の意味

余命とは

余命とは、残りの命、これから先残っている命を意味しています。

余命の読み方

余命の読み方は「よめい」です。誤って「よみょう」「なめい」などと読まないようにしましょう。

余命の使い方

余命を使った分かりやすい例としては、「医師から余命一年と宣告されました」「余命半年の君と思い出を作りたい」「余命わずかだと思ってました」「余命10年と思って、毎日を精一杯生きたいです」などがあります。

その他にも、「65歳の女性の平均余命はどれぐらいですか」「新型コロナによって平均余命が短縮されました」「余命一年の僕ができることは何だろう」「余命いくばくも無い青年に同情する」「余命わずかだからと悲観しないでください」などがあります。

余命の「余」は訓読みで「あまる」「あます」と読み、引き続いてあとに残ることを表します。生命や一生を表す「命」と結びつき、余命とは、残りの命を意味し、その人があとどれくらい生きられるかを表す言葉です。

表現方法は「平均余命」

余命を用いた日本語には「平均余命」(読み方:へいきんよめい)があります。平均余命とは、ある年齢の人々が、その後生きられる平均の年数を意味し、国勢調査に基づく年齢別死亡率から統計的に算出するものです。生まれたばかりの0歳の平均余命が、平均寿命ということになります。

余命の類語

余命の類語・類義語としては、盛りの時期を過ぎた残りの生涯や残された人生を意味する「余生」、年を取ってからの余生を意味する「老い先」、一生の終わりに近い時期や年老いてからの時期を意味する「晩年」、年をとって残り少なくなった人生を意味する「残性」などがあります。

寿命の例文

1.日本だけでなく世界的にみても、女性の平均寿命は男性より長い傾向にあります。
2.平均寿命と健康寿命の差を縮めるためには、食事や運動などの生活習慣を整えることが大事です。
3.歯の健康が健康寿命を伸ばすと聞いた父は、歯科検診の頻度を上げるようになりました。
4.平均寿命から計算してあと何日生きられるかを表示する寿命タイマーアプリを使っています。
5.iPhoneの寿命は短いと感じますが、魅力的なので他のスマートフォンにしたいとは思いません。

この言葉がよく使われる場面としては、生命の持続している期間、物の使用に耐える期間を表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4の寿命は、人間や動物の生命が持続している期間を意味しています。例文5にある寿命は、物が使用に耐える期間の意味で用いられています。

余命の例文

1.最新の平均余命表を見て、ますます高齢期の備えの重要性が高まっていると感じました。
2.老後資金がいくら必要かを計算するには、平均寿命ではなく平均余命で考えます。
3.厚生労働省が公表している簡易生命表は、平均余命等の時代的な変化を見るのに有用です。
4.祖父は末期がんと診断され、医師から告げられた余命は半年でした。
5.もし自分が余命宣告されたら、残された時間を有意義に過ごしたいと思えるだろうか。

この言葉がよく使われる場面としては、残りの命、現在から死ぬまでの生命を表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「余命宣告」とは、医師が患者に対して、その人があとどのくらい生きられるかを病状から判断して告げることを意味します。

寿命と余命という言葉は、どちらも「命の長さ」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、生まれてから死ぬまでの命の長さを表現したい時は「寿命」を、残りの命の長さを表現したい時は「余命」を使うようにしましょう。

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