【ハイカラ】と【バンカラ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ハイカラ」と「バンカラ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ハイカラ」と「バンカラ」という言葉は、「生活様式や人となり」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




ハイカラとバンカラの違い

ハイカラとバンカラの違いを分かりやすく言うと、ハイカラは流行を意識したスタイルを表現する時に使い、バンカラは流行に捉われないスタイルを表現する時に使うという違いです。

一つ目のハイカラを使った分かりやすい例としては、「ハイカラな街を散歩する時はカメラを持ち歩きたい」「ハイカラな料理と聞いて連想するものは何だろうか」「ハイカラな服ばかり着ている気がする」などがあります。

二つ目のバンカラを使った分かりやすい例としては、「バンカラの気風は九州男児によく見られる性質なのではないかと感じている」「バンカラな応援団はこの学校の名物とされている」「バンカラファッションについて調べる機会があった」などがあります。

ハイカラとバンカラはどちらも、生活様式や人となりを表す言葉ですが、表すものは大きく異なります。

ハイカラは、流行を追ったり、目新しいものを好んだりする様子や人物を指す言葉です。その他にも、西洋かぶれ、進歩的、おしゃれといった意味で使われるようになり、現代では明治時代や大正時代風で洒落ている様子を表すなど時代が限定されることもあります。

一方のバンカラは、身なりや言動が粗野で荒々しい様子や人物を指す言葉です。ハイカラに対するアンチテーゼのために創出されたスタイルであり、時流に乗らずに真理を追求する人たちに対して使われる言葉です。

つまり、ハイカラは流行を意識したスタイルを指し、バンカラは流行にとらわれないスタイルを指すという違いがあり、対となるものと言えます。

ハイカラを英語にすると「fashionable」「stylish」「Haikara」となり、例えば上記の「ハイカラな街」を英語にすると「a fashionable district」となります。

一方、バンカラを英語にすると「rudeness」「Bankara」となり、例えば上記の「バンカラの気風」を英語にすると「the atmosphere of rudeness」となります。

ハイカラの意味

ハイカラとは、流行を追ったり、目新しいものを好んだりする様子や人を意味しています。

その他にも、西洋風を気取ることや、西洋風にアレンジされた髪を意味する言葉として使われています。

「ハイカラさんに倣って自分でも流行を追いかけてみたい」「今はタピオカジュースはもうハイカラとは呼べないのだろう」「ハイカラなものに興味はない」などの文中で使われているハイカラは、「流行を追うおしゃれな人やその様子」の意味で使われています。

一方、「ハイカラに結い上げる機会などめったにない」「ハイカラファッションが好きだが毎日着て出掛けることはできない」「ハイカラ文化が演出として用いられています」などの文中で使われているハイカラは、「西洋風を気取ること」の意味で使われています。

ハイカラは、明治時代の男子洋装として流行した高い襟のついたワイシャツである「ハイカラー」が語源とされています。政治家や官吏に大して使われていた「ハイカラア党」が1900年頃から流行し出し、一般的に用いられるようになります。

後に西洋かぶれを意味するようになり、明治後期から昭和初期には「ハイカる」と動詞のように使わました。さらに意味が転じて、「進歩的」「華麗」「おしゃれ」といった意味で使われるようになります。

今日では、洒落ていることを意味するだけでなく、「明治時代や大正時代風の洒落た様子」を表す言葉として、時代を限定する使い方もあります。

ハイカラの対義語・反対語としては、腕力や男らしさを強調する態度を意味する「硬派」、顔つきや態度が勇ましく、鋭い気性が現れていることを意味する「精悍」があります。

ハイカラの類語・類義語としては、姿や形が整っており美しいことを意味する「端麗」、光り輝く様子を意味する「爛漫」、気質や態度、身なりなどがさっぱりとあか抜けている様子を意味する「粋」などがあります。

バンカラの意味

バンカラとは、身なりや言動が粗野で荒々しい様子を意味しています。

バンカラを使った分かりやすい例としては、「バンカラの身なりは流行し、ツッパリやヤンキーを呼ばれる人たちが現れ始めた」「バンカラマントに憧れを抱いていたこともある」「バンカラ気質な人は口数が少ない印象がある」などがあります。

その他にも、「バンカラな人は荒々しいだけの人たちというわけではない」「バンカラ風の装いはマンガのキャラクターでよく見る」「バンカラファッションを現代風に落とし込んだ羽織の購入を考えている」などがあります。

バンカラは、ハイカラをもじった言葉で、「蛮カラ」「蛮殻」と表記されることもあり、言動や常識などが粗野で荒々しい人を表します。ハイカラに対するアンチテーゼのために創出されたスタイルであり、あえて言動が荒々しくなるよう振る舞う人を表していました。

学生服、マント、学帽、高下駄、腰の手ぬぐい、長髪といった特徴を持つスタイルとされていますが、学究に全力を注ぐ姿勢である点もバンカラの大きな特徴と言えます。しかし、徐々に形骸化し、粗野で荒々しい言動の人を表す言葉として使われるようになります。

1970年代には、古着を求める人たちが増えたことでバンカラな服装が流行するようになり、ツッパリやヤンキーと呼ばれる人たちが身にまとう服装と認識されるようになります。

バンカラの対義語・反対語としては、行動などが洗練されている様子を意味する「スマート」があります。

バンカラの類語・類義語としては、言動が粗野であり落ち着きに欠ける人やその様子を意味する「がらっぱち」、表面を飾ろうとする気持ちがない様子を意味する「飾り気がない」、雄大で勢いの良いことを意味する「雄渾」などがあります。

ハイカラの例文

1.ハイカラと呼べるような料理は今は何が該当するのだろうか。
2.「ハイカラね」と言われて素直に喜んでいたが、冷笑を含む場合があると聞いて、悪い意味だったのだろうかと考えてしまった。
3.ハイカラは死語ではないが、昔は西洋かぶれを表す皮肉として使われていた言葉である。
4.友人とハイカラコーデで街を練り歩いていたら、写真を撮影していいか尋ねられたことがある。
5.ハイカラに結い上げられた髪型は成人式の時にしかできなかった。

この言葉がよく使われる場面としては、流行を追ったり、目新しいものを好んだりする様子や人を意味する時などが挙げられます。

例文4や5のように、明治時代や大正時代風の洒落た様子を表すように、時代を限定する使い方もあります。

バンカラの例文

1.バンカラスタイルも流行した時期があるが、そういった流れには目もくれずに貫き通した人こそバンカラと呼ぶのだろう。
2.バンカラマントはマンガやアニメでしか見たことがないが、似せて現代風に作られた製品は見たことがある。
3.男子も女子にもバンカラ気質な人はおり、応援団に参加する女子も見受けられる。
4.娘の通う大学はバンカラのイメージが強かったが、今では現代風のおしゃれな校風となっていた。
5.ゲームの街の名前がバンカラだったため、子どもと一緒にバンカラについて調べてみることになった。

この言葉がよく使われる場面としては、身なりや言動が粗野で荒々しい様子や人を意味する時などが挙げられます。

例文5は、Nintendoから販売されているゲーム「スプラトゥーン3」内に存在する街であり、様々なゲームのルールにバンカラという言葉が用いられています。

ハイカラとバンカラは、どちらも「生活様式や人となり」を表します。どちらを使うか迷った場合は、流行を意識したスタイルを表す場合は「ハイカラ」を、流行に捉われないスタイルを表す場合は「バンカラ」を使うと覚えておけば間違いありません。

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