【気力】と【体力】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「気力」(読み方:きりょく)と「体力」(読み方:たいりょく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「気力」と「体力」という言葉は、どちらも「物事を成し遂げるもとになる力」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




気力と体力の違い

気力と体力の意味の違い

気力と体力の違いを分かりやすく言うと、気力とは精神的な能力、体力とは身体的な能力という違いです。

気力と体力の使い方の違い

一つ目の気力を使った分かりやすい例としては、「年を取ると気力が衰えるものです」「適度な運動で気力と体力を養う」「季節の変わり目は気力低下にご注意ください」「無気力な子どもが増えています」などがあります。

二つ目の体力を使った分かりやすい例としては、「体力を維持するために運動を続けています」「体力テストの種目が変更になりました」「体力づくりにウオーキングをおすすめします」「資金調達能力が企業体力を左右します」などがあります。

気力と体力の使い分け方

気力と体力という言葉は、どちらも物事を成し遂げるもとになる力や、人の活動を支える要素を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

気力とは、物事を成し遂げようとする精神力を意味します。精神的な強さを表す言葉であり、「気力がある」とは、強いやる気や意気込みを持っている様子を表します。逆にやる気のない状態や活力がない様子は「気力がない」「無気力」などと表現します。

体力とは、作業や運動を行う肉体の能力、また、病気に対する抵抗力を意味します。人間が実際に活動や運動をするための肉体的な強さを表す言葉であり、疲れにくく持久力があることを「体力がある」と言います。また、「企業体力」のような使い方で、組織が活動するための力も意味する言葉です。

つまり、気力とは精神的な力を表し、体力とは身体的な力を意味します。気力と体力は、物事を成し遂げる際に必要な要素であり、密接に関わり合う言葉だと言えるでしょう。

気力と体力の英語表記の違い

気力を英語にすると「vitality」「spirit」「energy」となり、例えば上記の「気力が衰える」を英語にすると「decline in energy」となります。

一方、体力を英語にすると「physical fitness」「physical strength」となり、例えば上記の「体力を維持する」を英語にすると「conserve one’s strength」となります。

気力の意味

気力とは

気力とは、何かを行おうとする精神力、気持ちの張りを意味しています。

気力の使い方

気力を使った分かりやすい例としては、「美味しいものを食べると気力が沸く」「蓄積疲労を緩和して気力回復を図る」「健康体操で気力を充実させよう」「ペットロスで生きる気力を失う」「気力がわかない原因は不眠です」などがあります。

その他にも、「なんだか眠くて気力がわかない」「気力がない人は体力もないものです」「誰でも気力が出ない日もあるでしょう」「頑張って英語を話す気力がありません」「やらなきゃいけないのに気力が出ない」などがあります。

気力とは、何かを行おうとする精神力を意味します。「気力がある」「気力がない」などと表現し、困難にくじけることなく物事を成し遂げようとする力を表現します。気力の「気」は、心の働きや気持ちを表す漢字です。

表現方法は「無気力相撲」

気力を用いた日本語には「無気力相撲」(読み方:むきりょくずもう)があります。無気力相撲とは、相撲において敢闘精神に欠ける取組みをを意味します。本場所で監察委員会がチェックし、故意の場合は懲罰を科せられます。

気力の対義語

気力の対義語・反対語としては、ある仕事が行えるか否かという身体の強さを意味する「体力」などがあります。

気力の類語

気力の類語・類義語としては、その人の本来的に持っている性質を意味する「根性」、物事をなしとげようとする気力や態度を意味する「意気地」、物事の活動のもととなる力を意味する「原動力」、がんばる気力や根性を意味する「ガッツ」などがあります。

体力の意味

体力とは

体力とは、労働や運動に耐える身体の力、また、病気に対する抵抗力を意味しています。

その他にも、「組織が活動するための力、特に、企業の経営において収益性・生産性・資金力・安定性・成長の可能性など」の意味も持っています。

体力の使い方

「全校で体力測定を実施します」「効果的な体力をつける方法は運動です」「体力テストの点数を上げる方法を教えてください」などの文中で使われている体力は、「労働などに耐える身体の力、病気に対する抵抗力」の意味で使われています。

一方、「会社の体力はあればあるほどよい」「体力のない会社と取引はできません」「企業体力を高めるためにすべきことは何ですか」などの文中で使われている体力は、「組織が活動するための力」の意味で使われています。

体力とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で使用されているため、文脈により意味を捉える必要があります。体力の「体」は四肢などで組み立てられた身体だけでなく、まとまりのある形や組織を表す漢字です。

表現方法は「体力テスト」

体力を用いた日本語には「体力テスト」があります。体力テストとは、体力を測定するためのテストであり、計器を用いて筋力、筋持久力、柔軟性、敏捷性、全身持久力などをはかり体力を判定するものです。文部科学省による「新体力テスト」などがあります。

体力の対義語

体力の対義語・反対語としては、物事を成し遂げようとする精神の力を意味する「気力」などがあります。

体力の類語

体力の類語・類義語としては、元気よく動いたり働いたりする力を意味する「活力」、物事をなしとげる気力や活力を意味する「エネルギー」、能力や体力を意味する「パワー」、肉体的な耐久力や精力を意味する「スタミナ」などがあります。

気力の例文

1.気力がある人は、責任感が強く、何事も簡単には諦めない根性があります。
2.いつも気力がない人は、生活習慣が乱れている可能性が高いです。
3.気力を高める方法には、瞑想や運動あるいは映画鑑賞などが挙げられます。
4.朝起きたらすぐに太陽の光を浴びるだけで、気力が湧く感じがします。
5.ヨガのインストラクターに、効果的な気力回復の方法を教えてもらいました。

この言葉がよく使われる場面としては、物事をなしとげようとする精神の力、心の活動力、元気を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、気力の慣用的な言い回し、慣用的な表現には「気力がある」「気力がない」「気力が湧く」などがあります。「気力が沸く」とは、物事を行う意欲が湧いてくることを意味します。

体力の例文

1.スポーツテストで行動体力を図り、運動習慣や生活習慣の改善を促進しましょう。
2.祖父母が人生を満喫できるのは、やはり体力があるからだと思います。
3.私たちの小学校では、児童の体力向上を図るために運動の機会を増やす取り組みをしています。
4.祖父は体力を維持するために、週に3回ほどスポーツジムに通っています。
5.自己資本比率は高ければ高いほど、企業体力があると言えるでしょう。

この言葉がよく使われる場面としては、身体の力、作業や運動を行う肉体の能力、また、病気に対する抵抗力、組織が活動するための力を表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4にある体力は、作業や運動を行う肉体の能力の意味で用いられています。例文5にある体力は、組織が活動するための力の意味で使われています。

気力と体力という言葉は、どちらも「物事を成し遂げるもとになる力」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、精神的な強さを表現したい時は「気力」を、身体的な強さを表現したい時は「体力」を使うようにしましょう。

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