似た意味を持つ「パスポート」と「ビザ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「パスポート」と「ビザ」という言葉は、「海外旅行に必要な書類」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
パスポートとビザの違い
パスポートとビザの意味の違い
パスポートとビザの違いを分かりやすく言うと、パスポートは身分証明書を表現する時に使い、ビザは入国許可証を表現する時に使うという違いです。
パスポートとビザの使い方の違い
一つ目のパスポートを使った分かりやすい例としては、「写真付きのパスポートは免許証のように身分証明に使うことができる」「ワンデーパスポートを購入して一日遊び倒す」「合格へのパスポートを手に入れるために努力を怠らないようにする」などがあります。
二つ目のビザを使った分かりやすい例としては、「ビザの延長を申請するためにどうすればいいのか調べている」「ビザ取得のための審査には一週間ほど掛かると聞いた」「ビザ無しで海外旅行に行くこともできる」などがあります。
パスポートとビザの使い分け方
パスポートとビザはどちらも、海外旅行に必要な書類を表しますが、使い方が若干異なります。
パスポートは、旅券を表します。その他にも、上記例文の「ワンデーパスポート」などのように遊園施設入場券やアトラクション乗り放題チケットを指すことや、「合格へのパスポート」などのように望んだ状況に達するための手段を指すこともあります。
一方のビザは、旅行者であることを証明する裏書きを表し、上記例文の「ビザの延長」「ビザ取得」などのように使われています。パスポートとは異なり、自国からの許可ではなく、旅行先の許可であるという特徴があります。
つまり、パスポートは身分証明書として使われ、ビザは入国許可証として使われるという違いがあります。
パスポートとビザの英語表記の違い
パスポートを英語にすると「passport」となり、例えば上記の「写真付きのパスポート」を英語にすると「a passport with my photo」となります。一方、ビザを英語にすると「visa」となり、例えば上記の「ビザの延長」を英語にすると「the extension of the visa」となります。
パスポートの意味
パスポートとは
パスポートとは、旅券を意味しています。
その他にも、施設の無料入場券やアトラクションの乗り放題券、その状況に達するための道具や手段を意味する言葉として使われています。
パスポートの使い方
「パスポートに航空チケットを挟んで忘れないようにしていた」「パスポートは必要な時だけ持ち歩いている」「保険証や免許証の代わりにパスポートで身分を証明する」などの文中で使われているパスポートは、「旅券」の意味で使われています。
一方、「年間パスポートを購入する」などの文中で使われているパスポートは「施設入場券」の意味で使われ、「大学合格のためのパスポートはきっと手に入る」などの文中で使われているパスポートは「その状況に達するための手段」の意味で使われています。
パスポートは英語で「passport」と表記され、「旅券」「入場券」「目的のための確実な手段」「保証」と言った意味を持ちます。日本語でも同じように使われており、海外旅行のための書類だけではなく、遊園施設などの入場券や乗り物乗り放題券なども指します。
パスポートの特徴
申請書の他に戸籍謄本や住民票の写し、申請者の顔写真、身分証明書が必要となり、都道府県にあるパスポート窓口や、国外の在外公館に申請を行います。今日では、オンライン申請もできるようになり、国内外問わずどこからでも申請できるようになっています。
2025年からは顔写真部分にプラスチックを用い、文字や写真をレーザーで印字する新型のICチップ搭載の「2025年旅券」と呼ばれるパスポートが導入されています。
パスポートの類語
パスポートの類語・類義語としては、入場券や食券を意味する「チケット」、乗車券や入場券、資格や権利を意味する「切符」、印が押された証文や証明書を意味する「手形」などがあります。
ビザの意味
ビザとは
ビザとは、旅行者であることを証明する裏書きを意味しています。
ビザの使い方
ビザを使った分かりやすい例としては、「就労ビザを取得しなければ渡航先で働くことはできない」「ビザの必要ない場所は気軽に旅行先に選ぶことができる」「ビザの審査が無事に通って安心した」などがあります。
その他にも、「ビザの取り方をインターネットで調べている」「ビザ申請のために大使館のウェブサイトを確認しなければならない」「ビザ無しで渡航できない国であるロシアの美術館にいつか行ってみたい」などがあります。
ビザは英語で「visa」と表記され、「受け入れ国が発行する入国許可証明」「査証」という意味を持ちます。日本語でも同じように使われ、パスポート同様旅行前に必要となる書類を指します。
渡航先となる国の大使館や領事館のサイトにて、必要な書類や手続き方法を確認し、ビザの申請を行うことになります。渡航目的や渡航先の事情によって必要なものが異なる場合があります。
また、日本で発行されたパスポートを持っている日本国籍保有者は、ビザがなくとも渡航することができる国が多く、アメリカや多くのヨーロッパなどが該当します。ただし、90日以内の滞在であるなど国ごとに条件があるため、事前に確認が必要です。
表現方法は「就労ビザ」
上記例文の「就労ビザ」とは、自国ではなく海外で働く場合に必要とされるビザの一種を指す言葉です。就労ビザには16種類あり、芸術や報道、法律、医療、教育など、従事する分野によって異なります。
ビザの類語
ビザの類語・類義語としては、証拠となる文書を意味する「証文」、権力や権威のある人によって与えられる保証を意味する「お墨付き」、証拠として作成して渡しておく文書を意味する「念書」などがあります。
パスポートの例文
この言葉がよく使われる場面としては、旅券を意味する時などが挙げられます。
例文3や4のように「施設の無料入場券」「アトラクションの乗り放題券」を表すことや、例文5のように「その状況に達するための道具や手段」を表す言葉としても使われています。
ビザの例文
この言葉がよく使われる場面としては、旅行者であることを証明する裏書きを意味する時などが挙げられます。
どの例文のビザも、渡航先からの許可を得たことを証明してくれる書類であるため、パスポートに置き換えて使うことはできません。
パスポートとビザは、どちらも「海外旅行に必要な書類」を表します。どちらを使うか迷った場合は、身分証明書を表す場合は「パスポート」を、入国許可証を表す場合は「ビザ」を使うと覚えておけば間違いありません。