【棚から牡丹餅】と【瓢箪から駒】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「棚から牡丹餅」(読み方:たなからぼたもち)と「瓢箪から駒」(読み方:ひょうたんからこま)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「棚から牡丹餅」と「瓢箪から駒」という言葉は、どちらも思いがけない出来事を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「棚から牡丹餅」と「瓢箪から駒」の違い

「棚から牡丹餅」と「瓢箪から駒」の違いを分かりやすく言うと、「棚から牡丹餅」は思いがけない好運を得ること、「瓢箪から駒」はふざけて言ったことが実現することという違いです。

一つ目の「棚から牡丹餅」を使った分かりやすい例としては、「試験勉強してなかったけど出題範囲が得意分野で棚から牡丹餅でした」「何気なく提出した作文がコンクールで入賞してしまい棚から牡丹餅でした」などがあります。

二つ目の「瓢箪から駒」を使った分かりやすい例としては、「おとなしかった彼がリーダーに立候補するなんて瓢箪から駒だ」「彼が結婚するなんて誰も思っていなかったので瓢箪から駒と言えるだろう」「あの子がオーディションに合格するなんて瓢箪から駒です」などがあります。

「棚から牡丹餅」と「瓢箪から駒」はどちらも思いがけない出来事を意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「棚から牡丹餅」は思いがけない好運を得ることを意味する言葉で、「たまたま応募したキャンペーンで旅行が当たったなんて棚から牡丹餅だ」のように、何も苦労していないのに、偶然ラッキーなことが起こるというニュアンスで使います。

一方、「瓢箪から駒」はふざけて言ったことが実現することを意味する言葉で、「あの冗談が本当になるとは瓢箪から駒だ」のように、普通は起こらないことが現実になるというニュアンスで使うというのが違いです。

「棚から牡丹餅」も「瓢箪から駒」も日本語特有のことわざなので、直訳した英語表現はありません。

「棚から牡丹餅」の意味

「棚から牡丹餅」とは、思いがけない好運を得ることを意味しています。

「棚から牡丹餅」を使った分かりやすい例としては、「会議中に発言したアイデアが採用されて昇進したのは棚から牡丹餅です」「空きがないと思っていた予約がキャンセルで取れたので棚から牡丹餅だ」「忘れかけていた懸賞に当選して高級商品が届いたなんて棚から牡丹餅です」などがあります。

「棚から牡丹餅」は思いがけない好運を得ることを意味することわざです。ことわざとは、古くから言い伝えられてきた教訓または風刺の意味を含んだ短い言葉のことを意味しています。

「棚から牡丹餅」は何も苦労していないのに偶然ラッキーなことが起こった場合に使う言葉です。そのため、基本的にプラスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「棚から牡丹餅」の由来は昔話です。ある人が寝ていたら牡丹餅が何かの拍子で落ちてきて、開けていた口の中に入ったという昔話がありました。

昔は砂糖が貴重品だった時代だったので、庶民が甘いものを口にできる機会は滅多になかったことから「牡丹餅」が幸運の象徴となったのです。これが転じて、思いがけない好運を得ることを「棚から牡丹餅」と言うようになりました。

「棚から牡丹餅」の類語・類義語としては、やすやすと金もうけをすることを意味する「濡れ手で粟」、両者が争っているのにつけ込んで第三者が利益を横取りすることを意味する「漁夫の利」などがあります。

「瓢箪から駒」の意味

「瓢箪から駒」とは、ふざけて言ったことが実現することを意味しています。

「瓢箪から駒」は「瓢箪から駒が出る」ということわざを省略した言葉です。

「瓢箪から駒」を使った分かりやすい例としては、「日本を代表する女優と結婚することになるんなんて瓢箪から駒です」「友人がプロサッカー選手になるなんて瓢箪から駒だ」「遊び半分で受けた資格試験に合格し瓢箪から駒だと思いました」などがあります。

「瓢箪から駒」はありえないと思っていたことが実際に起こることを意味する言葉で、普通は起こらないこと、非常識や不可能だと思われていたことが現実になった場合に使います。

「瓢箪から駒」はプラスとマイナスどちらのイメージでも使えるのが特徴です。

「瓢箪から駒」の語源は中国の東遊記です。また、「駒」は将棋などの「駒」のことではなく動物の「馬」を指しています。

中国の仙人である張果が各地を白馬に乗り放浪していたのですが、休憩する時に大きな馬の存在に困っていたので、白馬を小さな瓢箪の中に入れていました。そして再び放浪する際に瓢箪から白馬を出していました。

瓢箪から馬が出ることはとんでもないことなので、これが転じて、ふざけて言ったことが実現することや到底あり得ないことが起こることを「瓢箪から駒」と言うようになりました。

「瓢箪から駒」の類語・類義語としては、嘘のつもりであったものが結果的に真実となることを意味する「嘘から出たまこと」急に起きる変動や大事件のことを意味する「青天の霹靂」などがあります。

「棚から牡丹餅」の例文

1.忘れていたポイントカードが意外と貯まっていて無料で商品がもらえたなので、棚から牡丹餅と言えるだろう。
2.SNSで何気なく投稿した写真がバズって雑誌に取り上げられて芸能界入りすることができました。まさに棚から牡丹餅だ。
3.応募者多数のイベントにキャンセル枠で参加できたのは、棚から牡丹餅と言えるだろう。
4.偶然立ち寄った古本屋で、探していた絶版本を見つけたのは棚から牡丹餅でした。
5.売り切れだと思っていた限定商品を最後の1個で買えました。棚から牡丹餅ってこういうことを言うのだろうと思いました。

この言葉がよく使われる場面としては、思いがけない好運を得ることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「棚から牡丹餅」はプラスのイメージで使う言葉です。

「瓢箪から駒」の例文

1.彼が冗談で言ったアイデアが採用されるとは、瓢箪から駒もいいところです。
2.彼女が本当に起業するなんて、瓢箪から駒とはよく言ったものだ。
3.誰もが冗談だと思ってた話が実現してしまい、瓢箪から駒だなと思いました。
4.あんなに無理だと思っていた企画が通るなんて、瓢箪から駒と言えるだろう。
5.最初は冗談でプロ野球選手になると言っていたが、まさか本当になるとは瓢箪から駒が出る話です。

この言葉がよく使われる場面としては、ふざけて言ったことが実現することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「瓢箪から駒」はプラスとマイナスのどちらのイメージでも使うことができる言葉です。

「棚から牡丹餅」と「瓢箪から駒」はどちらも思いがけない出来事を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、思いがけない好運を得ることを表現したい時は「棚から牡丹餅」を、ふざけて言ったことが実現することを表現したい時は「瓢箪から駒」を使うと覚えておきましょう。

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