【承認】と【承諾】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「承認」(読み方:しょうにん)と「承諾」(読み方:しょうだく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「承認」と「承諾」という言葉は、どちらも「相手の意向などを受け入れること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




承認と承諾の違い

承認と承諾の意味の違い

承認と承諾の違いを分かりやすく言うと、承認とは肯定して認めること、承諾とは同意して引き受けることという違いです。

承認と承諾の使い方の違い

一つ目の承認を使った分かりやすい例としては、「必ず保護者の承認を得る必要があります」「彼は承認欲求が強い人です」「課長の承認を得てから部長に決裁をもらう」「日本が国連加盟を承認されたのはいつですか」などがあります。

二つ目の承諾を使った分かりやすい例としては、「なんとか承諾を得ることができました」「彼には否応なく承諾させる威圧感がある」「内定承諾書の書き方を教えてください」「ご承諾いただきありがとうございます」などがあります。

承認と承諾の使い分け方

承認と承諾という言葉は、どちらも相手の申し入れや意向などを受け入れることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

承認とは、「保護者の承認を得る」のような使い方で、正当であると認めることや肯定の意志を表示することを意味します。また、「国連加盟を承認される」のような使い方で、公的な内容を公の機関が認める場合に用いられる言葉です。

承諾とは、相手の申し入れなどを認めて引き受けることを意味します。上記例文の「ご承諾いただきありがとうございます」は、自分の要求を受け入れてくれたことに対する感謝の気持ちを丁寧に表現するフレーズであり、ビジネスシーンでよく使用されています。

つまり、承認とは正当性や事実などを肯定的に認めることであり、承諾とは相手の頼みや申し入れを同意して受け入れることを意味します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

承認と承諾の英語表記の違い

承認を英語にすると「approval」「recognition」となり、例えば上記の「承認を得る」を英語にすると「get one’s approval」となります。一方、承諾を英語にすると「agreement」「consent」となり、例えば上記の「承諾を得る」を英語にすると「obtain one’s consent」となります。

承認の意味

承認とは

承認とは、そのことが正当または事実であると認めることを意味しています。

その他にも、「よしとして認め許すこと、聞き入れること」「国家・政府・交戦団体などの国際法上の地位を認めること」の意味も持っています。

承認の使い方

「政府は買収計画を承認するだろう」「全く承認欲求がない人なんていないだろう」「英語の先生は承認欲求の塊です」「自己顕示欲が強いと承認欲求モンスターになりがちです」などの文中で使われている承認は、「正当または事実であると認めること」の意味で使われています。

一方、「プロモーション施策について取締役会で承認を得る」の文中で使われている承認は「よしとして認め許すこと」の意味で、「日本が承認している国の数は196か国です」の文中で使われている承認は「国際法上の地位を認めること」の意味で使われています。

承認とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で使用されているため、文脈により意味を捉える必要があります。承認の「承」は相手の意向を受け入れること、「認」は見定めて許すことや承知することを表します。

表現方法は「承認欲求」

承認を用いた日本語には「承認欲求」があります。承認欲求とは、他人から肯定的な評価を受けたい、否定的な評価をされたくない、自分を価値のある存在だと思いたい、という心理的欲求のことです。特に承認欲求が強い人は、俗に「承認欲求モンスター」と呼ばれています。

承認の対義語

承認の対義語・反対語としては、承認しないことを意味する「否認」、要求や提案を聞き入れないで断ることを意味する「拒否」などがあります。

承認の類語

承認の類語・類義語としては、依頼や要求などを聞き入れることを意味する「承知」、国家や政党などが正式に認めることを意味する「公認」、人の意見や要求などを認めることを意味する「受け入れる」、要求や願いなどを聞いて承知することを意味する「聞き届ける」などがあります。

承諾の意味

承諾とは

承諾とは、相手の意見・希望・要求などを聞いて、受け入れることを意味しています。

承諾の使い方

承諾を使った分かりやすい例としては、「上司の承諾を得るために資料を作成する」「承諾書のテンプレートをダウンロードする」「承諾殺人罪で懲役7年の判決を言い渡す」「承諾書の提出がない場合は参加できないことをご了承ください」などがあります。

その他にも、「仕入れ先の変更について承諾を得る」「承諾を得たうえで英語の先生の写真を掲載しました」「友人は私の頼み事を快く承諾してくれた」「車庫証明の申請書類の一つに保管場所使用承諾証明書があります」などがあります。

承諾の読み方

承諾の読み方は、古くは「じょうだく」と読まれていましたが、現代では「しょうだく」と読まれています。

承諾の「承」は訓読みで「うけたまわる」と読み、相手の意向を受け入れることを表し、「諾」は訓読みで「うべなう」と読み、よろしいと承知することを表す漢字です。承諾とは、相手の願いや要求などを聞き入れること、また、引き受けることを意味します。

表現方法は「保管場所使用承諾証明書」

承諾を用いた日本語には「保管場所使用承諾証明書」があります。保管場所使用承諾証明書とは、車庫証明を申請する際に必要となる書類の一つです。自動車の保管場所が自己所有の土地以外である場合に、その場所を使用することを所有者から承諾を得たことを証明する書類です。

承諾の対義語

承諾の対義語・反対語としては、相手の頼みや要求をこばむことを意味する「拒絶」、承知しないことを意味する「不承知」などがあります。

承諾の類語

承諾の類語・類義語としては、相手からの提案などを受け入れることを意味する「受諾」、相手の言うことを承知してそれに従うことを意味する「承服」、依頼や申し入れを快く承諾することを意味する「快諾」、人の要求や願いなどを聞いて承知する事を意味する「聞き入れる」などがあります。

承認の例文

1.厚生労働省は、アルツハイマー病治療の新薬を近日中にも正式承認する見通しです。
2.新規のビジネスプランニングについて承認を得るために、会議資料を作成しています。
3.イギリス留学の語学要件として、英検は英語力の証明として承認されません。
4.お振込みの際は、スマホ認証端末に登録したスマートフォンで承認を行ってください。
5.日本は北朝鮮を国家として承認していませんが、人道的な援助や交流を続けています。

この言葉がよく使われる場面としては、一定の事実を認めること、肯定の意志を表示すること、聞き入れること、国際法上の地位や資格などを認めることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、承認の慣用的な言い回しには「承認する」「承認を得る」「承認を行う」などがあります。「承認を得る」とは、他者からの正式な許可を受けることを意味します。

承諾の例文

1.お打ち合わせの日程変更について、ご承諾いただきありがとうございます。
2.被写体に人物が含まれている場合は、掲出する前にその方の承諾を得るようにしてください。
3.インバウンド対応のため、メニュー表の英語版を作成することを店長に承諾してもらいました。
4.契約はというものは、申し込みと承諾によって成立するというのが大原則です
5.内定承諾書を提出した後で、内定を辞退することは可能でしょうか。

この言葉がよく使われる場面としては、相手の申し入れや頼みを同意して引き受けることを表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「内定承諾書」とは、就職活動で内定をもらった人が、その企業に入社することを承諾する意思を表明するための書類です。入社を誓約する契約書のような役割を持ち、内定辞退を抑制する効果があります。

承認と承諾という言葉は、どちらも「受け入れること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、肯定して認めることを表現したい時は「承認」を、同意して引き受けることを表現したい時は「承諾」を使うようにしましょう。

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