似た意味を持つ「均一」(読み方:きんいつ)と「均等」(読み方:きんとう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「均一」と「均等」という言葉は、どちらも「差がなくて等しいこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
均一と均等の違い
均一と均等の意味の違い
均一と均等の違いを分かりやすく言うと、均一とは金額や数量が等しいことを表し、均等とは配分や状態が等しいことを表すという違いです。
均一と均等の使い方の違い
一つ目の均一を使った分かりやすい例としては、「店内の商品は全て均一料金で販売しております」「室内全体の温度を均一にしたい」「所得額によって不均一課税を行っています」「均一価格にする最大のメリットは買いやすさです」などがあります。
二つ目の均等を使った分かりやすい例としては、「男女雇用機会均等法が制定されて40年になります」「円や四角形などの図形を均等に分割する」「均等割額の計算について東京都主税局に問い合わせました」などがあります。
均一と均等の使い分け方
均一と均等という言葉は、どちらも物事が揃っていて等しいさまを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
均一とは、質や量などが一様であることを意味し、特に金額や数量が全て同一であることを表す言葉です。均一価格とは、複数の商品価格やサービス価格を同じく設定することであり、100円ショップのような料金設定を指します。
均等とは、複数の物事の間に互いに差がないことを意味します。「機会均等」のような使い方で等しくならした状態や、「均等に分割する」のような使い方で等しく配分することを表現することが多い言葉です。
つまり、均一とは金額や数量に関して使われることが多く、均等とは状態や配分に関して使われることが多い言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
均一と均等の英語表記の違い
均一を英語にすると「uniform」「flat」となり、例えば上記の「均一料金で」を英語にすると「at a flat rate」となります。一方、均等を英語にすると「equal」「even」となり、例えば上記の「機会均等法」を英語にすると「equal opportunity law」となります。
均一の意味
均一とは
均一とは、質や量などがどれも一様であること、そのさまを意味しています。
均一の使い方
均一を使った分かりやすい例としては、「効率よく均一に田んぼを耕す」「製剤の均一性を判定する」「100円均一のお店で英語のノートを買いました」「日本のメーカーは品質の均一化にこだわっています」などがあります。
その他にも、「SNSは個性の均一化をもたらした」「新潟交通の均一フリーを利用しています」「授業で光の均一性の計算式を習いました」「均一触媒と不均一触媒の簡単な覚え方を紹介します」などがあります。
均一の読み方
均一の読み方は「きんいつ」です。誤って「きんいち」「きんひと」などと読まないようにしましょう。
均一の「均」は訓読みで「ひとしい」「ならす」と読み、全体を一様にならすことや、凹凸がなく等しいことを表す漢字です。ある一つのものを表す「一」と組み合わさり、均一とは、金額や数量などが全て同一であることを意味します。
表現方法は「均一触媒」
均一を用いた日本語には「均一触媒」があります。均一触媒とは、反応物と均一に混じり合って働く触媒を意味する化学用語です。均一触媒には水素化反応や酸化反応などがあり、主に精密化学品の製造に用いられています。
均一の対義語
均一の対義語・反対語としては、それぞれ違っていてまとまりのないさを意味する「ばらばら」、統一のとれていないことを意味する「不統一」などがあります。
均一の類語
均一の類語・類義語としては、成分や品質などにむらがなく一様であることを意味する「均質」、物事の調子が一様で変化がないことを意味する「一律」、何もかも一様で個性や特徴のないさまを意味する「画一的」などがあります。
均等の意味
均等とは
均等とは、二つ以上の物事の間が互いに平等で差がないことを意味しています。
均等の使い方
均等を使った分かりやすい例としては、「ワードは常に均等割り付けの設定をしています」「住民税の所得割と均等割が非課税になります」「我が家は住民税均等割のみ課税世帯に該当しますか」などがあります。
その他にも、「今回の特許権侵害の判断に均等論が適用されました」「5年間で1円まで均等償却することができます」「均等係数が小さいほど粒径が揃っています」「社会全体で教育の機会均等を図るべきです」などがあります。
均等の読み方
均等の読み方は「きんとう」です。誤って「きんら」「きんひと」などと読まないようにしましょう。
均等の「等」は訓読みで「ひとしい」と読み、多くのことが全体に揃っていて同じであるさまを表します。等しく差がないことを表す「均」と結び付き、均等とは、平均して等しいこと、等しくならした状態であるさまを意味します。
表現方法は「均等割」
均等を用いた日本語には「均等割」があります。均等割とは、住民税を構成する一つです。住民税は「均等割」と「所得割」で成り立っており、均等割は前年の所得金額にかかわらず、住民全員が均等に負担する税です。一方の「所得割」は所得金額に応じて負担するものです。
均等の対義語
均等の対義語・反対語としては、 二つ以上の物事の間に数量や程度のつりあいが取れていないことを意味する「不均衡」、揃ってないことを意味する「不揃い」などがあります。
均等の類語
均等の類語・類義語としては、大小や多少などの差が少なく揃っていることを意味する「平均」、等しい分量に分けることを意味する「等分」、 程度や等級などが同じであることを意味する「同等」などがあります。
均一の例文
この言葉がよく使われる場面としては、金額や数量などが全て同一であるさまを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、均一の慣用的な言い回しには「100円均一」「料金均一」「均一化」などがあります。「均一化」とは、均一にすることを意味し、どれも一様に同じく揃えることを言います。
均等の例文
この言葉がよく使われる場面としては、平等で差がないこと、等しくならした状態であることを表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「均等割り付け」とは、ワープロソフトや表計算ソフトなどの書式で、文字を一定間隔で配置することを意味します。
均一と均等という言葉は、どちらも「差がなくて等しいさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、金額や数量が等しいさまを表現したい時は「均一」を、配分や状態が等しいさまを表現したい時は「均等」を使うようにしましょう。