【羅患】と【罹患】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「羅患」(読み方:らかん)と「罹患」(読み方:りかん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「羅患」と「罹患」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「羅患」と「罹患」の違い

「羅患」は「罹患」の間違い

「羅患」と「罹患」の違いを分かりやすく言うと、「羅患」とは「罹患」の間違った使い方、「罹患」とは病気にかかることです。

「羅患」は誤字

一般的には「羅患」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「罹患」のことを間違えて「羅患」を使っている人がほとんどです。

「罹患」は正しい日本語

正しい言葉である「罹患」を使った分かりやすい例としては、「癌に罹患することよりもその治療法を恐れています」「癌に罹患した祖父のお見舞いに行きました」「この病気の罹患率は年々減少しています」などがあります。

「罹患」という言葉はあっても、「羅患」という言葉は存在しません。同時に「罹患」という単語の意味について「病気にかかること」と覚えておきましょう。

「罹患」の英語表記

「罹患」を英語にすると「fall ill」「be taken ill」「contract a disease」「be infected」となり、例えば上記の「癌に罹患することよりもその治療法を恐れています」を英語にすると「I fear cancer treatment more than getting cancer」となります。

「羅患」の意味

「羅患」とは

「羅患」とは、「罹患」の間違った使われ方です。

「羅患」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「罹患」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「羅患」と間違えやすい理由

「羅患」と「罹患」を間違ってしまう理由としては「羅」と「罹」の漢字や発音が似ていることです。「罹患」は医療用語としてはよく使用されているのですが、一般的にはほとんど使われていない言葉になります。

例えば、流行りの病になってしまった時に、「流行りの病にかかってしまった」とは言いますが、「流行りの病に罹患してしまった」とは言いません。

一方、間違った言葉である「羅患」の「羅」という漢字は、「羅生門」「羅針盤」「羅列」「阿修羅」「森羅万象」「網羅」などのように、頻繁には使わないものの見たことある言葉に使われています。したがって、「罹」よりも「羅」の方が親しみやすく、誤用される傾向があります。

また、似た発音の言葉で「羅漢」があります。「羅漢」とは仏や仏教の最高の悟りに達した聖者ことを意味しています。こちらも一般的にはあまり使われない言葉ですが、「罹患」よりかは有名なため、混同して「羅患」としてしまう傾向があるようです。

「罹患」の意味

「罹患」とは

「罹患」とは、病気にかかることを意味しています。

表現方法は「罹患する」「罹患者数」「罹患率」

「罹患する」「罹患者数」「罹患率」などが、「罹患」を使った一般的な言い回しになります。「罹患者数」とは病気にかかった人数のこと、「罹患率」とは一定期間内における罹患患者の対応する人口に対しての比率のことを意味しています。

「罹患」の使い方

「罹患」を使った分かりやすい例としては、「免疫がなかったため罹患する」「過労がもとで感染症に罹患してしまいました」「罹患者数が1000万人を超えて世界中でパニックが起こっています」「この病気は罹患率が年々増加している傾向がある」などがあります。

「罹患」は病気にかかることを意味する医療用語です。そのため、一般的にはあまり使われていないので、この言葉を知らない人も多いでしょう。もし、見かけるとすれば、新聞などのマスコミの記事で「罹患者数」や「罹患率」という言い回しになります。

例えば、風邪になってしまった時に「風邪に罹患したので学校を休みます」と言う人はまずいないでしょう。「風邪を引いてしまったので学校を休みます」や「風邪にかかってしまったので学校を休みます」などのフレーズを使うのが一般的です。

「罹患」は故事成語ではないので語源や由来はありません。病気や災難などを身に負うことを意味する「罹」に、患うことを意味する「患」が二つの意味を持つ言葉が合わさり、病気にかかることの意味で使われるようになった名詞です。

また、「罹患する」のようにサ変動詞としても使うことができます。サ変動詞とは、サ行変格活用動詞を省略した言葉で、活用語尾が五十音図のサ行の音をもとにして変則的な変化をすることを意味しています。

代表的な例を挙げると、「する」「しない」「される」「させる」「せず」などがあります。

「罹患」の類語

「罹患」の類語・類義語としては、病気になることを意味する「発病」、病気にかかることを意味する「罹病」(読み方:りびょう)、病気で床につくことを意味する「病臥」(読み方:びょうが)などがあります。

「羅患」の例文

1.「羅患」という言葉は存在しないので、おそらく「罹患」の言い間違いだろう。
2.「罹患」という言葉は病気にかかることで、「羅患」という言葉はない。
3.「羅患」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.データによると羅患者数は年々増加しているという言葉を使う人はいるが、正しくはデータによると罹患者数は年々増加しているです。
5.コレラに罹患してしまったので会社を休みましたという言葉はあるが、コレラに羅患してしまったので会社を休みましたという言葉はない。
6.病院の案内には手書きで”羅患”云々と書かれていたが、あれは”罹患”の間違いではないだろうか。
7.ちょっとカッコつけて感染症に罹患したと書いたつもりだが、間違って羅患したと書いてしまった。
8.資料に書かれていた羅患という文言、羅漢の間違いかと思ったが、どうやら罹患と混同していたようだ。
9.母親は「罹患した」を「らかんした」と言っているのでもしかしたら間違って羅患を思い浮かべて話していたのかもしれません。
10.新聞記事で罹患者数のところを羅患者数と書いてあってので、校閲担当が間違いを見つけられなかったのだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、「罹患」という言葉を間違えて「羅患」と表現している時などが挙げられます。

「羅患」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「罹患」を間違えて使っている可能性が高いです。

「羅患」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「羅患」ではなく、「罹患」と表現するのが正しい使い方になります。

「罹患」の例文

1.大雨だったのにも関わらず傘がなかったので、風邪に罹患してしいました。
2.感染症に罹患しないために、手洗いうがいとマスク着用はしっかり行っています。
3.インフルエンザに罹患してしまったので、病院から証明書をもらい会社へ提出しました。
4.罹患者数が10万人を超えたため、病床数が足りなくなり医療崩壊が起きてしまいました。
5.感染症研究センターの発表では、流行り病の罹患率は50%を超えていました。
6.この感染症は大変珍しく、基本的には一生に1回かかるかかからないものであるが、中には2回以上罹患する人もいる。
7.この収容所は衛生環境が劣悪だったため、ジフテリアやチフスに罹患していない政治犯を探す方が難しかった。
8.新型コロナウイルス感染症の罹患後も続く症状については、資料にまとめましたのでどうぞご覧くださいませ。
9.いくらコロナ禍が落ち着いたとはいえ、わざわざ罹患しやすい環境に身を置くことはしたくないと思うはずだ。
10.この病気は罹患率が年々増加している傾向があるので、根本的な原因が何かを突き止める必要があります。

この言葉がよく使われる場面としては、病気にかかることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「罹患」は医療用語なので一般的にはあまり使われていない言葉です

「羅患」と「罹患」どちらを使うか迷った場合は、「羅患」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「罹患」を使うようにしましょう。

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