【麻薬】と【大麻】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「麻薬」(読み方:まやく)と「大麻」(読み方:たいま)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「麻薬」と「大麻」という言葉は、どちらも「薬物の一種」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




麻薬と大麻の違い

麻薬と大麻の違いを分かりやすく言うと、麻薬とは神経機能を麻痺させる薬物、大麻とは麻薬として規制されている植物という違いです。

一つ目の麻薬を使った分かりやすい例としては、「警察は麻薬密売人を逮捕しました」「医療用麻薬にも副作用があります」「麻薬廃棄届を保健所に提出する」「この春から麻薬取締部特捜課に勤務しています」などがあります。

二つ目の大麻を使った分かりやすい例としては、「インド大麻も取締りの対象になっています」「彼の様子は大麻を吸った後の症状に似ている」「大麻リキッドを所持していた16歳少女を逮捕しました」などがあります。

麻薬と大麻という言葉は、どちらも生体になんらかの変化を引き起こす薬物を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

麻薬とは、大脳に作用して神経機能を麻痺させる薬物を意味し、アヘンやモルヒネなどを指します。法律上は、鎮痛効果があり依存性を備えている薬物のなかで、「麻薬及び向精神薬取締法」で指定されたものと定義されます。

大麻とは、アサ科の植物や、その葉を乾燥または樹脂化あるいは液体化させた麻薬を意味します。「マリファナ」「ハシッシュ」とも呼ばれ、乱用すると思考力の低下や記憶障害などを招きます。2024年の麻薬取締法の改正で、大麻は麻薬に位置づけられました。

つまり、麻薬とは神経機能を麻痺させる薬物のことであり、大麻とは麻薬の一種です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

麻薬を英語にすると「narcotic」「drug」「dope」となり、例えば上記の「麻薬密売人」を英語にすると「a narcotic trafficker」となります。一方、大麻を英語にすると「hemp」「ganja」「hashish」となり、例えば上記の「インド大麻」を英語にすると「Indian hemp」となります。

麻薬の意味

麻薬とは、中枢神経を麻痺させ陶酔感を伴い、強い麻酔・鎮痛作用があるが、連用すると薬物依存を生じる物質を意味しています。

麻薬を使った分かりやすい例としては、「医療用麻薬の使い方を確認する」「麻薬施用者免許の手続きについて説明を受けた」「麻薬譲受証をダウンロードする」「麻薬及び向精神薬取締法の改正案が提出されました」などがあります。

その他にも、「麻薬取締法の罰則には懲役刑や罰金刑があります」「麻薬の種類と使用による症状を一覧表にする」「政府と麻薬カルテルが複雑な利害関係を持っている」「麻薬取締官をテーマにしたドラマにハマっています」などがあります。

麻薬は「痲薬」とも書きますが、一般的には「麻薬」と表記されています。

麻薬とは、アヘン、モルヒネ、コカインなど麻酔作用および習慣作用を示す薬物を指します。大脳に作用して神経機能を麻痺させるものですが、医学上は鎮痛、鎮咳、下痢止め、麻酔のために用いられます。モルヒネやコカインなどの天然麻薬と、塩酸ペチジンなどの合成麻薬とがあります。

麻薬を用いた日本語には「麻薬カルテル」があります。麻薬カルテルとは、麻薬の製造や取引および流通に関する活動を行う犯罪組織です。多くの国で麻薬の所持や売買は違法とされているため、麻薬カルテルは非合法な存在となります。

麻薬の類語・類義語としては、薬理作用を有する化学物質を意味する「薬物」、相手に恋情を起こさせる薬を意味する「媚薬」、大脳皮質を刺激する興奮剤の一つを意味する「覚醒剤」、薬物や麻薬を意味する「ドラッグ」などがあります。

大麻の意味

大麻とは、アサの別名、また、その葉や樹脂から製する麻薬を意味しています。

その他にも、「幣(ぬさ)を敬っていう語」「伊勢神宮などで授ける神符」の意味も持っています。

「大麻取締法は昭和23年に制定されました」「大麻グミはどんな味がするのだろうか」「大麻草は古くから栽培されていました」などの文中で使われている大麻は、「アサの別名、その葉や樹脂から製する麻薬」の意味で使われています。

一方、「地鎮祭で大麻を奉献した」の文中で使われている大麻は「幣(ぬさ)を敬っていう語」の意味で、「神棚に新しい大麻を祀りました」の文中で使われている大麻は「伊勢神宮などで授ける神符」の意味で使われています。

大麻とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ちますが、一般的には「アサの別名、また、その葉や樹脂から製する麻薬」の意味で用いられています。大麻の「麻」はアサ科の一年草や、しびれることを表す漢字です。

大麻を用いた日本語には「大麻取締法」があります。大麻取締法とは、大麻草の栽培、所持、譲渡、輸入、輸出、また大麻から製造された医薬品の使用などを規制する法律です。2023年に改正され、大麻由来医薬品の施用が可能になりました。

大麻の類語・類義語としては、大麻から作る医薬外麻薬の一つを意味する「マリファナ」、マリファナやハシシのことを意味する「ハシッシュ」、大麻を表すスラングを意味する「420」などがあります。

麻薬の例文

1.麻薬も覚醒剤も、法律によって所持や使用が厳しく禁止されています。
2.麻薬取引には隠語が多く使われており、直接的な表現を避けて周囲に知られないようにしています。
3.日本で乱用されている麻薬の名前一覧を、エクセルで作成しました。
4.医療用麻薬は、患者の状態や痛みの種類にあわせて使い分けられています。
5.薬物乱用防止教室で、麻薬を使用するとどうなるのかを事例を挙げて説明しました。

この言葉がよく使われる場面としては、微量で著しい鎮痛・麻酔作用などをもち、習慣性を生じやすい薬物を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「医療用麻薬」とは、癌などの激痛を抑えるため、法律で使用が許可されている麻薬を意味します。「オピオイド鎮痛薬」などがあります。

大麻の例文

1.大麻リキッドを所持していたとして逮捕された男は、嫌疑不十分で不起訴になりました。
2.大麻草から抽出されるCBDの効果や安全性について、インターネットで調べています。
3.日本で大麻が禁止にされている本当の理由を、あなたはご存知でしょうか。
4.大麻を合法化した国や地域であっても、未成年者の所持や使用は禁じられています。
5.大麻の合法化にはメリットもデメリットもあるので、慎重に検討すべきだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、アサの変種やそれから得られる麻薬を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「大麻リキッド」とは、大麻の葉などから抽出された成分を濃縮した液体のことです。大麻リキッドの所持や使用は違法行為になります。

麻薬と大麻という言葉は、どちらも「薬物の一種」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、中枢神経を麻痺させる物質を表現したい時は「麻薬」を、麻薬として規制されている植物を表現したい時は「大麻」を使うようにしましょう。

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