似た意味を持つ「クレーター」と「カルデラ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「クレーター」と「カルデラ」という言葉は、「火山のくぼんだ地形」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
クレーターとカルデラの違い
クレーターとカルデラの違いを分かりやすく言うと、クレーターは成因を問わない円形のくぼみを表現する時に使い、カルデラは火山性の陥没した地形を表現する時に使うという違いです。
一つ目のクレーターを使った分かりやすい例としては、「火山のクレーターに湖があるそうだ」「月のクレーターを本物のうさぎだと思っていた」「クレーター肌に効く薬は医者にもらうべきだろう」などがあります。
二つ目のカルデラを使った分かりやすい例としては、「巨大なカルデラに湖ができたこともあると聞いた」「カルデラ群は日本にも存在する」「日本最大のカルデラは北海道にあるらしい」などがあります。
クレーターとカルデラはどちらも、火山のくぼんだ地形を意味する言葉ですが、使い方が若干異なります。
クレーターは、火山の火口を指す言葉です。また、上記例文の「月のクレーター」などのように、生じた原因を問わず円形にくぼんだ地形を指すことや、「クレーター肌」など肌のへこみを表す言葉として使われることもあります。
一方のカルデラは、火山活動によって生じたへこんだ土地を指します。大きな火山の火口や、火山地域の盆地状の地形を指すこともあり、クレーターと混同されることが多い言葉です。
つまり、クレーターは成因を問わない円形のくぼみ全般に対して用いられ、カルデラは火山性の陥没した地形を表すという違いがあります。
クレーターを英語にすると「crater」となり、例えば上記の「火山のクレーター」を英語にすると「volcanic craters」となります。一方、カルデラを英語にすると「caldera」となり、例えば上記の「巨大なカルデラ」を英語にすると「a huge caldera」となります。
クレーターの意味
クレーターとは、火山の火口を意味しています。
その他にも、円形にくぼんだ地形を意味する言葉として使われています。
「偽クレーターという存在を初めて聞いた」「クレーター湖は水深594mとアメリカの湖で最も深いと聞いた」「火山のクレーターに氷河ができたという記事を見かけた」などの文中で使われているクレーターは、「火山の火口」の意味で使われています。
一方、「月のクレーターを子どもが見てうさぎだと言っていた」「クレーター毛穴をマスクで隠している」「クレーター肌をどうにか治療したいと思っている」などの文中で使われているクレーターは、「円形にくぼんだ場所」の意味で使われています。
クレーターは英語で「crater」と表記され、「噴火口」「爆弾穴」「衝撃で形成されるおわん型のくぼみ」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われていますが、火山活動によって生じたクレーターと隕石によるクレーターは区別されています。
火山の噴火が起き、噴火口近くの岩石が吹き飛ばされることで丸い穴が空き、クレーターが生じます。上記例文の「偽クレーター」とは、本物の火口に似た火山地形を指す言葉で、溶岩の噴出口ではないため、偽物とされている理由です。
また、隕石の落下や衝突、爆発などによって生まれたくぼんだ地形全般に対しても用いられ、人間の肌表面がへこんでしまった状態を指す「クレーター毛穴」「クレーター肌」などの表現も用いられています。
クレーターの類語・類義語としては、噴出物が放出される開口部を意味する「火口」、大きな隕石が惑星に衝突したことで生じるへこみを意味する「隕石孔」、色々な物事や建物のあった古い痕を意味する「古跡」などがあります。
カルデラの意味
カルデラとは、火山活動によって生じたへこんだ土地を意味しています。
カルデラを使った分かりやすい例としては、「アメリカのカルデラ湖は観光で見に行くことができるのだろうか」「九州にもカルデラ群が存在し、巨大噴火が繰り返されてきたことがわかる」「箱根カルデラを意識して訪れたことはなかった」などがあります。
その他にも、「馬蹄形カルデラが出来上がるまでの様子が写真に収められたことは知っている」「侵食カルデラは形成されるまでの条件があるため、数が少ないそうだ」「イエローストーンカルデラはまだマグマが活動している」などがあります。
カルデラは英語で「caldera」と表記され、「火山の爆発や陥没によって生じる大規模な窪地」といった意味を持つ言葉です。大きな火山の火口や、火山地域の盆地状の地形を指すこともあります。
大規模な噴火が起きることで、火山灰や火砕流、溶岩などが大量に噴出し、地下のマグマが移動してできあがった空洞が崩壊したり陥没することで形成されます。これは「陥没カルデラ」と呼ばれています。
その他にも、陥没カルデラより小規模な噴火などが原因で山頂部が崩壊することで生まれる「馬蹄形カルデラ」や、侵食によって火口が広がった「侵食カルデラ」などが存在します。
カルデラの類語・類義語としては、低くくぼんだところを意味する「穴」、土地の陥没や地盤の陥落によって生じたくぼみに水がたまってできた湖を意味する「陥没湖」などがあります。
クレーターの例文
この言葉がよく使われる場面としては、円形にくぼんだ地形を意味する時などが挙げられます。
例文2や3のように「隕石の落下や衝突、爆発などによって生まれたくぼんだ地形全般」や、例文4や5のように「人間の肌表面がへこんでしまった状態」を表す言葉としても使われています。
カルデラの例文
この言葉がよく使われる場面としては、火山活動によって生じたへこんだ土地を意味する時などが挙げられます。
どの例文のカルデラも火山性のくぼちに対して用いられています。
クレーターとカルデラは、どちらも「火山のくぼんだ地形」を表します。どちらを使うか迷った場合は、成因を問わない円形のくぼみを表す場合は「クレーター」を、火山性の陥没した地形を表す場合は「カルデラ」を使うと覚えておけば間違いありません。