【戦場】と【戦地】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「戦場」(読み方:せんじょう)と「戦地」(読み方:せんち)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「戦場」と「戦地」という言葉は、どちらも「戦争が行われている場所」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




戦場と戦地の違い

戦場と戦地の違いを分かりやすく言うと、戦場とは実際に戦争が行われる場所のみを表し、戦地は実際に戦争が行わる場所だけなく軍隊が駐留している場所も表すという違いです。

一つ目の戦場を使った分かりやすい例としては、「戦場での出来事は思い出したくありません」「戦場の実態を伝えるために取材を続けています」「セール会場はまるで戦場のように殺伐としていた」などがあります。

二つ目の戦地を使った分かりやすい例としては、「戦地に支援物資を送る」「戦地での過酷な状況を想像する」「命からがら戦地から帰ってきた」「状況を打開するために最新鋭の兵器が戦地に投入された」などがあります。

戦場と戦地という言葉は、どちらも戦闘が行われている場所を表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。

戦場とは、戦闘のある場所を意味し、まさに戦闘が直接行われている場所、交戦していた土地を指す言葉です。戦場は、実際に戦いが行われる具体的な場所を指し、軍隊が駐留したり進軍するだけの土地を戦場と呼ぶことはありません。

戦地とは、戦争の行われている土地や出征地を意味します。戦地は、軍隊が派遣される場所を含んだ軍の活動地域を広く表す言葉です。実際の戦闘が行われなくても、戦争に関わる土地は戦地と呼ぶことができます。

つまり、戦場とは直接的に戦争が行われる土地であり、戦地とは直接的に戦争が行われる土地だけでなく軍の活動地域も表します。二つの言葉を比べると、戦場よりも戦地の方が広い意味を持ち、汎用性のある言葉だと言えるでしょう。

戦場も戦地も英語にすると「battlefield」「battleground」「front」となり、例えば上記の「戦場で」を英語にすると「on the battlefield」となります。

戦場の意味

戦場とは、戦闘が行われる場所、戦地を意味しています。

戦場を使った分かりやすい例としては、「戦場の辛い記憶が呼び起される」「戦わずして戦場を離脱した武将がいました」「ウクライナの戦場にロボットが急増している」「戦場を逃れてアメリカに着きました」などがあります。

その他にも、「有名な戦場カメラマンの講演を聞きました」「全国の古戦場跡を巡る旅をしています」「戦場の独特の臭いが記憶に焼き付いています」「兵士として戦場に赴いた人たちの手記が見つかりました」「大学がデモ隊と警官隊の主戦場となっている」などがあります。

戦場とは、文字通り「戦いの場」であり、戦闘を行っている場所や、過去に戦いがあった場所を意味します。また、比喩的用法で、何らかの激しい「戦い」が行われている場所や状況を表現することもある言葉です。

戦場を用いた四字熟語には「常在戦場」(読み方:じょうざいせんじょう)があります。常在戦場とは、いつでも戦場にいる心構えで事をなせという心得を意味します。常在戦場は江戸時代における長岡藩の精神規範ですが、大日本帝国海軍の軍人である山本五十六の座右の銘としても有名です。

戦場の対義語・反対語としては、直接の戦場ではない後方を意味する「銃後」などがあります。

戦場の類語・類義語としては、戦争が行なわれている野原を意味する「戦野」、主だった戦場を意味する「主戦場」、阿修羅が帝釈天と争う場所や闘争の激しい場所を意味する「修羅場」、昔そこで戦争のあった場所を意味する「古戦場」などがあります。

戦地の意味

戦地とは、戦争の行われている土地、出征地、戦場を意味しています。

戦地を使った分かりやすい例としては、「元日本兵が戦地での凄惨な体験を語る」「過酷な戦地に入って戦争のリアルに伝える」「祖父は戦地の話になると口ごもってしまう」「戦地で野ざらしになっている遺骨を収集する」などがあります。

その他にも、「戦地に赴く息子のためにお守りを作りました」「戦地の病院は激しい空爆で無くなりました」「サイパンは太平洋戦争での激戦地の一つです」「戦地から送られてきた手紙を家族に届ける」などがあります。

戦地とは、戦争や合戦が繰り広げられる土地を意味し、「戦場」や「戦闘地」と同義で用いられる言葉です。さらには、軍隊が活動する地域を広く指す言葉であり、軍隊が出征している地や、戦場となる可能性がある土地を指すことが多くあります。

戦地を用いた日本語には「激戦地」があります。激戦地とは、非常に激しい戦いが繰り広げられる場所や、過去に激しい戦いが行われた土地を意味します。転じて、選挙やビジネスにおいて、争う状況が激しい地域も表すことがある表現です。

戦地の対義語・反対語としては、戦場の後方を意味する「銃後」などがあります。

戦地の類語・類義語としては、戦場で敵を前にした戦闘部隊の配置されている地点を連ねた仮想の線を意味する「戦線」、いくさのための陣営や戦いのための陣を意味するを意味する「戦陣」、合戦の行なわれる場所を意味する「合戦場」などがあります。

戦場の例文

1.悲惨な戦場を描いた映画を観て、平和のありがたさを痛感してました。
2.出征先での強烈な軍隊生活や非人道的な体験など、戦場での体験を後世に伝えたいと思います。
3.常在戦場の精神があれば、どんな非常事態にも対応できる能力が身に付くはずです。
4.過酷な戦場を背景に戦う戦士たちを描いたイラストを、身が引き裂かれる思いで鑑賞しました。
5.戦場カメラマンたちは、現地の悲劇や状況を世界に発信し続けています。

この言葉がよく使われる場面としては、戦闘のある場所、いくさの行なわれている土地を表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「戦場カメラマン」とは、報道カメラマンのうち、戦闘や紛争の行われている地域にて取材活動を行う写真家です。

戦地の例文

1.第二次世界大戦における激戦地であったガダルカナル島は、ソロモン諸島最大の島です。
2.戦地から帰ってきた兵士の多くは、身体的あるいは精神的な問題を抱えていました。
3.戦時中は、戦地へ赴く男性の代わりに女性が働き手としての役割を担いました。
4.英語教員を志す男子学生が戦地に送られ、軍事活動中に病気で命を落としました。
5.過酷な戦場で戦う戦士たちのイラストを見て、胸が締め付けられました。

この言葉がよく使われる場面としては、戦場となる可能性がある土地、軍隊が出征している地を表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「戦地に赴く」とは、兵士として戦闘が行われている場所に出発することを表す言い回しです。

戦場と戦地という言葉は、どちらも「戦闘が行われている地域」を表します。さらに戦地という言葉は、軍が活動する地域を広く表現することも覚えておきましょう。

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