似た意味を持つ「自己中」(読み方:じこちゅう)と「自分軸」(読み方:じぶんじく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「自己中」と「自分軸」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
自己中と自分軸の違い
自己中と自分軸の違いを分かりやすく言うと、自己中とは他人を無視して自分を優先すること、自分軸とは他人を尊重しつつ自分の考えを大切にすることという違いです。
一つ目の自己中を使った分かりやすい例としては、「自己中な態度は改めるべきです」「自己中な人に振り回されたくない」「SNSで自己中だと誹謗中傷されました」「彼は自己中なので自分の意見を押し付けてくる」などがあります。
二つ目の自分軸を使った分かりやすい例としては、「これからは自分軸で生きることにしました」「会社軸ではなくて自分軸で働こう」「仕事も恋愛も自分軸ですると決めました」「2026年の自分軸手帳はどこで買えますか」などがあります。
自己中と自分軸という言葉は、発音や字面が似ているため混同して使用されることがありますが、意味や使い方には大きな違いがあります。
自己中とは、自分の利益を優先して他人の気持ちや立場を考慮しない考え方、また、そのような態度を意味します。他人や周囲への配慮がなかったり、相手を尊重しなかったり、人間関係においてネガティブな性質と捉えられています。
自分軸とは、自分の価値観や信念に基づいて物事を判断しようとする考え方を意味します。自分の意見は持ちつつも、他人や周囲への配慮を忘れず、相手の気持ちを尊重する態度です。そのため、自分軸はポジティブな性質と言えます。
つまり、二つの言葉の違いは他人への配慮の有無です。自己中とは他人への配慮がなく自分の利益を最優先にするマイナスイメージの言葉であり、自分軸とは他人への配慮がありながら自分の価値観に基づいて判断するプラスイメージの言葉です。
自己中を英語にすると「selfishness」「self-centered」「egoism」となり、例えば上記の「自己中な態度」を英語にすると「self-centered attitude」となります。
一方、自分軸を英語にすると「own axis」「my own values」「my point of view」となり、例えば上記の「自分軸で生きる」を英語にすると「live life on my own terms」となります。
自己中の意味
自己中とは、何事も自分を中心に考え、他人については考えが及ばないさまを意味しています。
自己中を使った分かりやすい例としては、「自己中なママ友と縁を切りたい」「自己中診断で最悪の結果が出ました」「自己中と発達障害に因果関係はありますか」「彼が自己中なのは心の病気が原因なのかもしれない」などがあります。
その他にも、「英語の先生が自己中な考え方をします」「自己中を黙らせる方法を教えて欲しい」「自己中に刺さる言葉を教えます」「自己中な人の末路は孤独だと思いませんか」「自己中な上司に困っています」などがあります。
自己中とは、「自己中心的」の略であり、他者への配慮がなく自分の利益や関心事のことしか考えていないさまを意味します。自己中は若者言葉の俗語であり、「ジコチュー」とカタカナ表記されることもあります。
自己中という言葉は、わがままや自分勝手と同じように使用され、マイナスイメージを伴います。自己中な人の特徴には、自分の都合を優先する、自分の意見が通らないとへそを曲げる、他人への思いやりがないなどがあります。
自己中の対義語・反対語としては、利害や立場などの異なるもの同士が協力し合うことを意味する「協調」、自分を犠牲にして他人の利益のために行動するさまを意味する「利他的」などがあります。
自己中の類語・類義語としては、他人の事は考えず自分の都合だけを考えることを意味する「自分勝手」、自分の利益だけを追求しようとするさまを意味する「利己的」、排他の傾向があるさまを意味する「排他的」などがあります。
自分軸の意味
自分軸とは、自分の価値観を基準にして物事を判断したり行動したりする考え方を意味しています。
自分軸を使った分かりやすい例としては、「今度こそ自分軸恋愛を実践したいです」「巷で話題の自分軸手帳を買いました」「自分軸で生きる方法を教えてください」「スピリチュアルな視点で自分軸を解説しましょう」などがあります。
その他にも、「自分軸を高めるトレーニングがあります」「自分軸と他人軸の定義がわかりません」「英語圏では自分軸が当たり前です」「わがままと自分軸には大きな違いがあります」「自分軸の作り方をネットで調べました」などがあります。
自分軸の「軸」は物事の中心や大切なところを表す漢字です。自分軸とは、他人に左右されず、自分の価値観や信念に基づいて判断し行動する考え方を意味します。簡単に分かりやすく表現すると、自分の価値観をもとにした判断基準と言えます。
自分軸という言葉の語源や由来、いつ頃から誰が言い出したのかは明確になっていませんが、2000年以降に自己啓発やコーチングの分野で使用されるようにりました。プラスイメージの言葉であり、「他人軸」という言葉と対比しながら使われることもあります。
自分軸の対義語・反対語としては、周囲や社会の評価などを基準に行動する考え方を意味する「他人軸」などがあります。
自分軸の類語・類義語としては、確固として動揺しない認識を意味する「信念」、首尾を一貫させることや道理にかなうようにするを意味する「筋を通す」、方針や態度などが始めから終わりまで一筋に貫いていることを意味する「首尾一貫」などがあります。
自己中の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分の利益や都合を優先し、他人のことや状況を考慮しないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、自己中という言葉はネガティブな意味で使用されています。
自分軸の例文
この言葉がよく使われる場面としては、他人に左右されず自分を基準にして判断し行動する考え方を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、自分軸という言葉はポジティブな意味で用いられています。
自己中と自分軸という言葉は、似ていますが意味は全く違います。どちらの言葉を使うか迷った場合、他人を無視して自分を優先することを表現したい時は「自己中」を、他人を尊重しつつ自分の考えを大事にすることを表現したい時は「自分軸」を使うようにしましょう。