似た意味を持つ「やがて」と「いずれ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「やがて」と「いずれ」という言葉は、どちらも未来に起こることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「やがて」と「いずれ」の違い
「やがて」と「いずれ」の意味の違い
「やがて」と「いずれ」の違いを分かりやすく言うと、「やがて」は近い未来に自然な流れで訪れること、「いずれ」は時期は決まっていないがいつか必ず起こるという違いです。
「やがて」と「いずれ」の使い方の違い
一つ目の「やがて」を使った分かりやすい例としては、「雨はやがて止むだろうと思って傘を閉じた」「努力を続ければやがて結果がついてくると信じている」「遠くの空が明るくなり、やがて朝が訪れた」などがあります。
二つ目の「いずれ」を使った分かりやすい例としては、「いずれ機会があればまた話してみたいと思っている」「この問題はいずれ解決しなければならない」「若い頃は気づかなかったことも、いずれ理解できるようになる」などがあります。
「やがて」と「いずれ」の使い分け方
「やがて」と「いずれ」はどちらも未来に起こることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「やがて」は「雲が流れて、やがて青空が広がった」のように、近い将来に比較的自然な流れで起こることを示す言葉になります。
一方、「いずれ」は「今すぐではないが、この計画はいずれ実行に移される」のように、時期は未定だが遅かれ早かれ実現する未来を指す言葉です。
つまり、近い未来に自然な流れで訪れるのが「やがて」、時期は決まっていないがいつか必ず起こるのが「いずれ」と覚えておきましょう。
「やがて」と「いずれ」の英語表記の違い
「やがて」を英語にすると「soon」 「before long」 「eventually」となり、例えば「努力はやがて実を結ぶ」を英語にすると「Your efforts will bear fruit before long」となります。
一方、「いずれ」を英語にすると「someday」 「at some point」 「eventually」となり、例えば「いずれ真実が明らかになる」を英語にすると「The truth will be revealed someday」となります。
「やがて」の意味
「やがて」とは
「やがて」とは、あまり時間や日数がたたないうちにある事が起こることを意味しています。
「やがて」の使い方
「やがて」を使った分かりやすい例としては、「やがて雨が上がり、空に明るさが戻ってきた」「努力を重ねればやがて結果が出るはずです」「やがて彼の考え方も変わっていくのではないかと思う」などがあります。
「やがて」は近い将来や時間の経過の後に、そうした状態や結果が訪れることを意味しており、これから起こる出来事に向けての流れを表す言葉です。
また、「やがて」自体は敬語表現ではありませんが、前後の文章を丁寧な表現にすることで、ビジネスシーンやフォーマルな文章でも問題なく使うことができます。
「やがて」の定義
「やがて」が具体的にどれくらいの時間を指すのか気になる人もいると思いますが、こちらも明確な定義はありません。
数分後のことを指す場合もあれば、数日、さらには数ヶ月やもっと先の未来を表す場合もあります。そのため、一般的には「今の状態から時間が経つにつれて、自然にそうなっていく」というニュアンスで捉えておくとよいでしょう。
「やがて」は現在の状況の延長線上に起こる未来の出来事を示すというのが特徴です。したがって、過去の出来事については使えないと覚えておきましょう。
「やがて」の類語
「やがて」の類語・類義語としては、しばらく時間が経った後を表す「そのうち」、目前の未来を意味する「間もなく」などがあります。
「いずれ」の意味
「いずれ」とは
「いずれ」とは、あまり遠くない将来のことを意味しています。
表現方法は「いずれにしても」「いずれまた」
「いずれにしても」「いずれまた」などが、「いずれ」を使った一般的な言い回しになります。
「いずれ」の使い方
「いずれ」を使った分かりやすい例としては、「いずれ結果は明らかになるだろう」「いずれまた会えると信じている」「この問題はいずれ対処しなければならない」「いずれ訪れる別れを覚悟している」などがあります。
「いずれ」は、はっきりとした時期は示さず、未来のある時点で必ず起こることを意味する言葉です。時期が分からない、決まっていない、あるいは曖昧な未来の出来事について述べる際に用います。
また、「いずれ」は日常会話だけではなく、ビジネスシーンでも自然に使うことができます。「いずれご連絡差し上げます」「いずれご説明いたします」のような形で丁寧語と組み合わせることで、よりフォーマルな表現としても成立します。
「いずれ」の定義
「いずれ」が示す具体的な期間が気になる人もいるはずですが、明確な定義はありません。数日後を指す場合もあれば、数か月・数年後、さらには人生の長いスパンを前提にすることもあります。
「いずれ」の特徴
そのため、「やがて」と比べると時間的な距離がより曖昧で、いつか必ずというニュアンスが強い点が特徴です。
「いずれ」は未来に起こると予想される出来事に対して使います。ただし、その未来が「近い」のか「遠い」のかを明確にしないため、幅広い場面で使える柔らかい表現として覚えておくとよいでしょう。
また、「いずれ」は結論や結果がひとつに収束することが予想される場合にも使います。例えば、「いずれ同じ答えに行きつく」「いずれは理解してもらえる」など、未来の必然性をやわらかく示す表現として役立ちます。
「いずれ」の類語
「いずれ」の類語・類義語としては、いつかある時という意味の「そのうち」、時期は未定だが将来を指す「将来」、ゆっくり時間が流れて変化することを表す「やがて」などがあります。
「やがて」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、あまり時間や日数がたたないうちにある事が起こることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「やがて」は近い未来に自然な流れで訪れる時に使う言葉です。
「いずれ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、あまり遠くない将来のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「いずれ」は時期は決まっていないがいつか必ず起こる時に使う言葉です。
「やがて」と「いずれ」はどちらも未来に起こることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、近い未来に自然な流れで訪れるのが「やがて」、時期は決まっていないがいつか必ず起こるのが「いずれ」と覚えておきましょう。