似た意味を持つ「ごっそり」と「根こそぎ」(読み方:ねこそぎ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ごっそり」と「根こそぎ」という言葉は、どちらも大量に失われることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ごっそり」と「根こそぎ」の違い
「ごっそり」と「根こそぎ」の意味の違い
「ごっそり」と「根こそぎ」の違いを分かりやすく言うと、「ごっそり」はおどろくほど量が多いことを表す時に使う、「根こそぎ」は残らず徹底的に取り除く時に使うという違いです。
「ごっそり」と「根こそぎ」の意味の違い
一つ目の「ごっそり」を使った分かりやすい例としては、「貯金が思ったよりごっそり減っていて驚いた」「棚にあった商品が一晩でごっそりなくなっていた」「抜けた髪の量がごっそりで少し心配になった」などがあります。
二つ目の「根こそぎ」を使った分かりやすい例としては、「台風で庭の木が根こそぎ倒れてしまった」「泥棒に家中の貴重品を根こそぎ持っていかれた」「不正が発覚し、関係者が根こそぎ処分されることになった」などがあります。
「ごっそり」と「根こそぎ」の使い分け方
「ごっそり」と「根こそぎ」はどちらも大量に失われることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ごっそり」は「思っていた以上にごっそり減っていた」のように、量の多さ・変化の大きさを強調する言葉になります。そのため、対象の一部が残っていても使うことが可能です。
一方、「根こそぎ」は「泥棒に根こそぎ持っていかれた」のように、根元からすべて・完全に残らずという意味で使われる言葉です。対象物を根から全て取り去るニュアンスで使います。
つまり、おどろくほど量が多いことを表すのが「ごっそり」、残らず徹底的に取り除くのが「根こそぎ」と覚えておきましょう。
「ごっそり」と「根こそぎ」の英語表記の違い
「ごっそり」を英語にすると「a large amount」「in large quantities」「a big chunk」となり、例えば「棚の商品がごっそりなくなっていた」を英語にすると「A large amount of the items on the shelf had disappeared」となります。
一方、「根こそぎ」を英語にすると「completely」「root and branch」「wipe out entirely」となり、例えば「貴重品を根こそぎ持っていかれた」を英語にすると「The valuables were completely taken away」となります。
「ごっそり」の意味
「ごっそり」とは
「ごっそり」とは、余すところなく全部のことを意味しています。
表現方法は「葉がごっそり落ちる」「髪の毛がごっそり抜ける」
「葉がごっそり落ちる」「髪の毛がごっそり抜ける」「お金がごっそり減る」などが「ごっそり」を使った一般的な言い回しいなります。
「ごっそり」の使い方
「ごっそり」を使った分かりやすい例としては、「台風で庭の落ち葉がごっそり飛ばされた」「ダイエットで体重がごっそり落ちて驚いた」「資料を整理したら不要な書類がごっそり片付いた」「仕事が一段落して、タスクがごっそり減った」などがあります。
「ごっそり」は、大量に一度にまとめて取り除くさまや、まとめて失うさまを意味する副詞です。数量や量が多く、目に見えて大きく変化する場合によく用いられます。
「ごっそり」の特徴
「ごっそり」の特徴は、単に「多い」というよりも、まとめて取れたり減ったりする印象を伴う点です。たとえば、「髪の毛がごっそり抜けた」という場合は、一度に多くの髪が抜ける様子を表現しています。「葉がごっそり落ちた」も同様に、大量に落ちたことを強調しています。
また、「ごっそり」は物理的なものだけでなく、比喩的にお金や情報が一度に大量に失われる場合にも使われます。
「ごっそり」の対義語
「ごっそり」の対義語・反対語としては、少しずつ取り除くさまを意味する「ぽつぽつ」があります。
「ごっそり」の類語
「ごっそり」の類語・類義語としては、大量にまとめて取り除くことを意味する「丸ごと」があります。
「根こそぎ」の意味
「根こそぎ」とは、余さずすべてすることを意味しています。
表現方法は「作物を根こそぎ抜く」「敵を根こそぎ討つ」
「作物を根こそぎ抜く」「敵を根こそぎ討つ」「資産を根こそぎ奪う」などが「根こそぎ」を使った一般的な言い回しになります。
「根こそぎ」の使い方
「根こそぎ」を使った分かりやすい例としては、「台風で畑の作物が根こそぎ倒れた」「悪質な詐欺でお金を根こそぎ持っていかれた」「書類を整理して不要なものを根こそぎ処分した」「敵の拠点を根こそぎ制圧した」などがあります。
「根こそぎ」は、根元からすべて取り除くさま、徹底的に奪うさまを意味する副詞です。部分的ではなく、全体をまとめて取り去る、または全滅させるようなニュアンスを伴います。
「根こそぎ」の特徴
「根こそぎ」の特徴は、量の多さよりも、徹底性・完全性が強調される点です。たとえば、「作物を根こそぎ抜く」と言えば、畑の作物を残さずすべて抜き取ることを表現しています。「敵を根こそぎ討つ」も同様に、完全にやっつけるイメージです。
また、「根こそぎ」は比喩的に、金銭や権利、情報などを完全に奪い取る場合にも使われます。「資産を根こそぎ失った」「ポイントを根こそぎ使い切った」などが例です。
「根こそぎ」の対義語
「根こそぎ」の対義語・反対語としては、部分的に残すさまを意味する「一部だけ」があります。
「根こそぎ」の類語
「根こそぎ」の類語・類義語としては、徹底的に取り去ることを意味する「一掃」があります。
「ごっそり」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、余すところなく全部のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ごっそり」はおどろくほど量が多いことを表す時に使う言葉です。
「根こそぎ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、余さずすべてすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「根こそぎ」は残らず徹底的に取り除く時に使う言葉です。
「ごっそり」と「根こそぎ」はどちらも大量に失われることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、おどろくほど量が多いことを表すのが「ごっそり」、残らず徹底的に取り除くのが「根こそぎ」と覚えておきましょう。