似た意味を持つ「とことん」と「思う存分」(読み方:おもうぞんぶん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「とことん」と「思う存分」という言葉は、どちらも物事に深く向き合うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「とことん」と「思う存分」の違い
「とことん」と「思う存分」の違いを分かりやすく言うと、「とことん」は徹底的にやり抜くニュアンスが強い、「思う存分」は好きなことを満足いくまでやるニュアンスが強いという違いです。
一つ目の「とことん」を使った分かりやすい例としては、「失敗してもとことんやり抜く覚悟がある」「彼はとことん調べてから行動するタイプだ」「今回はとことん自分を追い込みたい気分です」などがあります。
二つ目の「思う存分」を使った分かりやすい例としては、「旅行中は思う存分食べて楽しんできました」「今日は時間があるので思う存分読書をしました」「久しぶりに思う存分趣味に没頭できた」などがあります。
「とことん」と「思う存分」はどちらも物事に深く向き合うことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「とことん」は「今回はとことん頑張りたい」のように、限界まで・徹底的に・最後まで追い詰めてやり抜くというニュアンスを持つ言葉になります。努力・探求・覚悟と結びつく場面が多く、「徹底性」を強調するのが特徴です。
一方、「思う存分」は「思う存分遊んでおいで」のように、自分の望むだけ・満足するまで・好きなようにというポジティブで解放的なニュアンスを持つ言葉です。好きなことを遠慮なくする「自由さ」「満足度」を強調します。
つまり、徹底的にやり抜くニュアンスが強いのが「とことん」、好きなことを満足いくまでやるニュアンスが強いのが「思う存分」と覚えておきましょう。
「とことん」を英語にすると「thoroughly」「to the very end」「to the utmost」となり、例えば「彼は何事もとことんやり抜くタイプだ」を英語にすると「He’s the type who sees everything through to the very end」となります。
一方、「思う存分」を英語にすると「to one’s heart’s content」「as much as one wants」「to one’s full satisfaction」となり、例えば「今日は思う存分遊んできていいよ」を英語にすると「You can go and have fun to your heart’s content today」となります。
「とことん」の意味
「とことん」とは、徹底的にやることを意味しています。
「とことん追求する」「とことんやり抜く」などが、「とことん」を使った一般的な言い回しになります。
「とことん」を使った分かりやすい例としては、「失敗の原因をとことん突き詰めて改善した」「彼は一度決めたことはとことんやり抜くタイプだ」「今回の旅では温泉をとことん楽しむつもりです」「問題点についてとことん話し合い、お互いの考えをすり合わせました」などがあります。
「とことん」は、物事を途中で妥協せず、最後まで徹底して行うことを意味する副詞です。副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。
「とことん」は「やる」「追及する」「向き合う」「楽しむ」など、行為を表す言葉とセットで使うことが多い表現です。
「とことん」は「とことん向き合う」「とことん調べる」など抽象的な行為に対して使えるだけでなく、「とことん掃除する」「とことん鍛える」など具体的な行動に対しても使うことができます。
「とことん」は、徹底して行う、妥協なくやり抜くという強い意志を含む表現です。そのため、プラスのイメージでもマイナスのイメージでも使えるのが特徴です。
例えば、「とことん楽しむ」のような肯定的な場面にも使えますし、「とことん落ち込んでしまった」「とことん疲れた」など、マイナスの状況を強調する際にも使うことができます。
また、「最後までやり抜く」「徹底的に〜する」というニュアンスを伴うため、カジュアルな会話だけでなく、ビジネスシーンでも「原因をとことん追及する」「課題をとことん議論する」のように比較的使いやすい表現であると覚えておきましょう。
「とことん」の類語・類義語としては、物事を徹底的に行うことを意味する「徹底的に」、限界まで行う様子を示す「限界まで」などがあります。
「思う存分」の意味
「思う存分」とは、満足がいくまでのことを意味しています。
「思う存分楽しむ」「思う存分挑戦する」などが、「思う存分」を使った一般的な言い回しになります。
「思う存分」を使った分かりやすい例としては、「今日は仕事が休みなので、思う存分寝て過ごしました」「思う存分語り合えたおかげで気持ちがすっきりしました」「休日は好きなことを思う存分楽しむ時間にしています」「大会では自分の力を思う存分発揮できたと思います」などがあります。
「思う存分」は、心ゆくまで、自分がしたいだけ十分に、という意味を持つ副詞です。また、「思う存分」は「楽しむ」「動く」「発揮する」などの行為を表す言葉とセットでよく使います。
「思う存分」は「思う存分遊ぶ」「思う存分話す」などのように、気持ちの面で十分に満足することを表す表現です。また、「思う存分力を出す」「思う存分走る」など、身体的・行動的な場面にも広く使うことができます。
「思う存分」は非常にポジティブな表現で、心の満足感や充足感を伴います。そのため、前向きな気持ちや解放感を強調したい場面でよく用いられる言葉です。
「思う存分」の類語・類義語としては、遠慮せず満足するまで行うことを意味する「存分に」、自分の望むまま十分にという意味の「好きなだけ」、また心ゆくまで堪能することを表す「心ゆくまで」などがあります。
「とことん」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、徹底的にやることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「とことん」は徹底的にやり抜くニュアンスが強い時に使う言葉です。
「思う存分」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、満足がいくまでのことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「思う存分」は好きなことを満足いくまでやるニュアンスが強い時に使う言葉です。
「とことん」と「思う存分」はどちらも物事に深く向き合うことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、徹底的にやり抜くニュアンスが強いのが「とことん」、好きなことを満足いくまでやるニュアンスが強いのが「思う存分」と覚えておきましょう。