似た意味を持つ「ドギマギ」と「ドキドキ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ドギマギ」と「ドキドキ」という言葉は、「平静ではない様子」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ドギマギとドキドキの違い
ドギマギとドキドキの違いを分かりやすく言うと、ドギマギは混乱状態を表現する時に使い、ドキドキは混乱だけでなく興奮状態も表現する時に使うという違いです。
一つ目のドギマギを使った分かりやすい例としては、「いちいち彼女の言うことにドギマギするのをやめたい」「人前に立つとなるとドギマギして頭が真っ白になってしまう」「ドギマギしてばかりで何も進められなかった」などがあります。
二つ目のドキドキを使った分かりやすい例としては、「少しのドキドキは成功の秘訣だと思っている」「好きな女性と手をつなぐだけでドキドキする」「気になる男子のことを思うとドキドキしてしまうと聞いて青春だなと感じた」などがあります。
ドギマギとドキドキはどちらも、平静ではない様子を表しますが、ニュアンスが若干異なります。
ドギマギは、不意をつかれて狼狽えたり、慌てる様子を表します。混乱や困惑などに対して用いられており、ポジティブな感情に対して用いられることはあまりありませんが、ネガティブな感情ばかりに用いられるわけではないという特徴があります。
一方のドキドキは、激しい運動、不安や驚きなどで心臓の動悸が早くなる様子を表します。また、上記例文の「手をつなぐだけでドキドキする」「気になる男子のことを思うとドキドキしてしまう」などのように、興奮や期待で胸が高鳴る場合にも用いられています。
つまり、ドギマギは混乱や狼狽した様子を指す場合に用いられ、ドキドキは混乱や不安だけでなく、期待や興奮に胸躍らせる様子を指す場合にも用いられるという違いがありますが、同じように使われることも多くあります。
ドギマギを英語にすると「be in confusion」「be embarrassed」となり、例えば上記の「彼女の言うことにドギマギする」を英語にすると「be embarrassed by what she said」となります。
一方、ドキドキを英語にすると「pounding」「exiting」となり、例えば上記の「少しのドキドキ」を英語にすると「a little pounding」となります。
ドギマギの意味
ドギマギとは、不意をつかれて狼狽えたり、慌てる様子を意味しています。
ドギマギを使った分かりやすい例としては、「ドギマギは死語なのだろうかと思うほど使う人が少なくなった」「テスト返却の時間が一番ドギマギするかもしれない」「ドギマギしてばかりでは事を何も進められない」などがあります。
その他にも、「壇上に立つ前からドギマギしていたが、いざ人前に登場すると頭が真っ白になってしまった」「人と話すのにドギマギしないよう慣れたい」「電車内では女性が近いだけでドギマギして両手で吊り革を握ってしまう」などがあります。
ドギマギは、狼狽えたり、慌てる様子を表すオノマトペで、上記例文の「テスト返却の時間が一番ドギマギする」「壇上に立つ前からドギマギする」「ドギマギしないよう慣れたい」などのように用いられています。
混乱や困惑する様子に対して用いられており、期待や興奮などポジティブな感情に対して用いられることはあまりありません。そのため、上記例文の「女性が近いだけでドギマギする」は、女性に無礼を働かないかを過度に気にしてしまう不安感を表現しています。
「ドキドキ」と、狼狽える様子を意味する「まごまご」を組み合わせてできたと言われることもありますが、語源や由来は明確になっていません。
ドギマギの対義語・反対語としては、落ち着いて物事に動じない様子を意味する「平然」、感情に左右されず落ち着いている様子を意味する「冷静」があります。
ドギマギの類語・類義語としては、不意の出来事に驚いたり、相手に気圧される様子を意味する「おたおた」、気持ちや態度が落ち着かない様子を意味する「そわそわ緊張や不安で落ち着かない様子を意味する「おどおど」などがあります。
ドキドキの意味
ドキドキとは、激しい運動、不安や驚きなどで心臓の動悸が早くなる様子を意味しています。
ドキドキを使った分かりやすい例としては、「全速力で走ったためまだドキドキしている」「運動不足ゆえに、少し動いただけでドキドキする」「ドキドキがようやく落ち着いたがまた走らされる気がした」などがあります。
その他にも、「明日から担当し始める仕事を上手くこなせるかドキドキしている」「恋愛をするということは相手にドキドキすることだと力説された」「旦那にドキドキしなくなって数年経つがこの関係が心地いいと思っている」などがあります。
ドキドキは、心臓の鼓動が速くなる様子を表すオノマトペで、上記例文の「全速力で走ったためまだドキドキしている」「少し動いただけでドキドキする」「ドキドキがようやく落ち着いた」などのように、運動や動作を表す言葉とともに用いられています。
また、「仕事を上手くこなせるかドキドキしている」などのように不安や驚きで動悸がするようになる場合や、「気になる男子のことを思うとドキドキしてしまう」などのように興奮や期待で胸が高鳴る場合にも用いられています。
ドキドキの対義語・反対語としては、気落ちして力の抜けた様子を意味する「しおしお」があります。
ドキドキの類語・類義語としては、不意をつかれて驚き動揺する様子を意味する「ぎっくり」、成り行きを危ぶんで気を揉む様子を意味する「はらはら」、突然予期しないことに出会って驚き動揺する様子を意味する「ぎょっと」などがあります。
ドギマギの例文
この言葉がよく使われる場面としては、不意をつかれて狼狽えたり、慌てる様子を意味する時などが挙げられます。
どの例文のドギマギも、混乱や困惑する様子に対して用いられており、期待や興奮などポジティブな感情に対して用いられることはあまりありません。
ドキドキの例文
この言葉がよく使われる場面としては、激しい運動、不安や驚きなどで心臓の動悸が早くなる様子を意味する時などが挙げられます。
例文4や5のように、気分の高揚や期待による胸が高鳴り、心臓が速くなることを表す場合にも用いられています。
ドギマギとドキドキは、どちらも「平静ではない様子」を表します。どちらを使うか迷った場合は、混乱状態を表す場合は「ドギマギ」を、混乱だけでなく興奮状態を表す場合は「ドキドキ」を使うと覚えておけば間違いありません。