【運勢】と【運命】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「運勢」(読み方:うんせい)と「運命」(読み方:うんめい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「運勢」と「運命」という言葉は、どちらも「幸と不幸の巡り合わせ」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




運勢と運命の違い

運勢と運命の違いを分かりやすく言うと、運勢とは一時的な運気の流れ、運命とは変えられない人生の大きな流れという違いです。

一つ目の運勢を使った分かりやすい例としては、「街角の占い師に運勢を見てもらいました」「今週の運勢を12星座で占います」「運勢を変える方法はありますか」「運勢を上げるには大掃除が効果的です」などがあります。

二つ目の運命を使った分かりやすい例としては、「何気ない出会いが運命を左右することがあります」「いつか運命の人に出会うと信じています」「運命だと思っていたらロマンス詐欺でした」「あなたと私は運命共同体でしょ」などがあります。

運勢と運命という言葉は、どちらも幸運と不運の巡り合わせを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

運勢とは、持って生まれた運命の進み方を意味し、幸運と不運の巡り合わせを表します。その時々の運気の流れであり、「運勢が良い」「運勢が悪い」などと表現します。自分の気持ちや行動で変えることができる一時的なものです。

運命とは、天から人に与えられた逃れることのできない定めを意味し、運勢よりも大きな概念を表します。運命は人生の大きな流れであり、人の意思では変えられないニュアンスがあります。「運命の人」とは、人生に深い影響を与える人であり、結婚相手や恋人を指す言葉です。

つまり、運勢とは一時的な運気の流れであり、運命とは変えられない人生の大きな流れを表します。二つの言葉を比べると、運勢よりも運命の方が大きな枠組みであり、簡単に変えられない意味合いがあります。

運勢を英語にすると「fortune」「luck」となり、例えば上記の「運勢を見てもらう」を英語にすると「have one’s fortune told」となります。一方、運命を英語にすると「destiny」「fate」「lot」となり、例えば上記の「運命を左右する」を英語にすると「affect the fate」となります。

運勢の意味

運勢とは、人の持っている幸運と不運の巡り合わせを意味しています。

運勢を使った分かりやすい例としては、「今日の運勢は最高なので気分がいいです」「生年月日をもとにあなたの運勢を解明します」「2025年の運勢はいまいちでした」「2026年のあなたの運勢を無料で占います」「運勢占いは信じていません」などがあります。

その他にも、「水鳥の動きで来年の運勢を占う」「占いサイトで今日の運勢をチェックする」「今年の運勢が気になります」「突然ですがあなたの運勢を占ってもいいですか」「SNSのアカウント名で運勢を診断します」などがあります。

運勢の「運」は訓読みで「はこぶ」と読み、定まったとおりにめぐり行くことを表し、「勢」は訓読みで「いきおい」と読み、物事の成り行きや様子を表します。運勢とは、運の進み方であり、運と不運の巡り合わせという運気の流れを意味します。

上記例文にある「運勢占い」とは、個人や共同体あるいは国家などの未来を予測する占いの一種です。手相、占星術、タロット、四柱推命などの様々な方法を用いて行います。科学的根拠はありませんが、古代から存在し、不安解消や自己理解の手段として親しまれています。

運勢の類語・類義語としては、天から与えられた運命や自然の理法を意味する「天運」、時の運や時のめぐり合わせを意味する「時運」、人間の運命を左右するという星の巡り合わせを意味する「星回り」などがあります。

運命の意味

運命とは、人間の意志を超越して人に幸や不幸を与える力、また、その力によって巡ってくる幸や不幸の巡り合わせを意味しています。

その他にも、「将来の成り行き、今後どのようになるかということ」の意味も持っています。

「彼は運命の人だと感じました」「運命のように君を愛してる」「自分は英語教師なる運命だったと思う」「運命数から彼との相性を占う」「手のひらの運命線で仕事運がわかります」などの文中で使われている運命は、「人間の意志を超越して人に幸や不幸を与える力」の意味で使われています。

一方、「私たちは運命共同体なのだから助け合わなくちゃ」「大地震に襲われることは日本の抗えない運命なのだろうか」などの文中で使われている運命は、「将来の成り行き、今後どのようになるかということ」の意味で使われています。

運命とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。運命の「命」は、天から与えられた定め、巡り合わせを表す漢字です。

運命を用いた日本語には「運命共同体」があります。運命共同体とは、繁栄するときも衰亡するときも、運命を共にすることを相互に了解し合った複数の個人または団体を意味します。良いことも悪いことも分かち合う関係です。

運命の対義語・反対語としては、行動を自発的に選択することができる意志を意味する「自由意志」、何の因果関係もなく予期しないことが起こることを意味する「偶然」などがあります。

運命の類語・類義語としては、前世から定まっている運命を意味する「宿命」、身の定めや巡り合わせを意味する「命運」、これから先の成り行きを意味する「行く末」、運命や宿命を意味する「ディスティニー」などがあります。

運勢の例文

1.怖いほど当たると評判の12星座占いで、今日の運勢をチェックしました。
2.明日の運勢ランキングを見たら、私の星座がワースト1位でがっかりです。
3.今週の運勢を好転させたいので、ラッキーアイテムを身に付けています。
4.2025年下半期は悪いことが続いたので、2026年の運勢は良くなってると信じています。
5.誕生日占いでは、あなたの生年月日から運勢や恋愛傾向などがわかります。

この言葉がよく使われる場面としては、運命の進み方、運と不運の巡り合わせを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、運勢の慣用的な言い回しには「今日の運勢」「運勢ランキング」「運勢を好転させる」などがあります。「運勢ランキング」とは、運気を順位付けしたもので、上位の人は運が良いとされています。

運命の例文

1.マッチングアプリがきっかけでしたが、彼との出会いは運命的でした。
2.芸能人の運命を次々と当てている人気占い師に、恋愛運について聞いてみました。
3.運命は存在するのかわかりませんが、自分の努力では変えられないものはたくさんあると痛感しています。
4.ベートーベンの代表曲である「運命」は、力強い展開で聴く人の心に深く訴えかけます。
5.会社と従業員は運命共同体であり、従業員のやる気が会社の繁栄に繋がっています。

この言葉がよく使われる場面としては、人間の意志を超えた善悪吉凶の現象、転じて、寿命や今後の成り行きを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「運命的」とは、運命として決まっているさまを意味し、過去のある出来事が将来を決めるほどの重要な局面であったとみられるさまを表します。

運勢と運命という言葉は、どちらも「幸と不幸の巡り合わせ」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一時的な運気の流れを表現したい時は「運勢」を、人生の大きな流れを表現したい時は「運命」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター