【上達】と【向上】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「上達」(読み方:じょうたつ)と「向上」(読み方:こうじょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「上達」と「向上」という言葉は、どちらも「進歩すること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




上達と向上の違い

上達と向上の違いを分かりやすく言うと、上達とは技術やスキルが磨かれること、向上とは能力やレベルが高まることという違いです。

一つ目の上達を使った分かりやすい例としては、「もっと上達したいと思う気持ちが大切です」「簡単なイラスト上達方法をご紹介します」「なかなか上達しないのでストレスを感じる」「英語の上達に多読をおすすめします」などがあります。

二つ目の向上を使った分かりやすい例としては、「品質向上を目指したDX化を進めています」「介護現場の生産性向上を目的とする委員会を設置します」「部下の向上心を高める方法を教えてください」「英語力を向上させるために何をすればいいですか」などがあります。

上達と向上という言葉は、どちらも物事が良いほうや望ましいほうへ進むことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

上達とは、学問やスポーツなどの技芸が以前よりも上手くできるようになることを意味します。特定の技術やスキルにフォーカスした言葉であり、「英語の上達」とは、英語の聞く・話す・読む・書くなどのスキルが過去よりも身に付いていることを表しています。

向上とは、上に向かって進むことを意味し、物事の程度や質が以前より優れた状態に向かっていることを表します。能力や性質のレベルにフォーカスした言葉であり、「英語力を向上させる」とは、英語に関する全体的な水準を高めることを表します。

つまり、上達とは技術やスキルついて表し、向上とは能力やレベルについて表現するものです。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

上達も向上も英語にすると「improvement」「progress」「advancement」となり、例えば上記の「もっと上達したい」を英語にすると「want to improve further」となります。

上達の意味

上達とは、技芸や技術などがよく身につき、進歩することを意味しています。

その他にも、「下の者の意見などが君主や上位の官に知られること」の意味も持っています。

「何をするにも子どもは上達が早い」「渡韓するたびに韓国語の上達を実感します」「サッカーが上達するにはどうしたらいいですか」などの文中で使われている上達は、「技芸や技術などがよく身につき、進歩すること」の意味で使われています。

一方、「この会社は下意上達がうまくいっていると感じます」「職場の下意上達にはメリットだけでなくデメリットもあります」などの文中で使われている上達は、「下の者の意見などが君主や上位の官に知られること」の意味で使われています。

上達の読み方は「じょうたつ」です。ただし、平安時代の高位官職にある貴族を意味する「上達部」と書く場合は「かんだちめ」「かんだちべ」という読み方をします。

上達とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を判断する必要があります。上達の「上」は上のほうや高いほうへ移動すること、「達」は目的や目標とするところに行きつくことを表す漢字です。

上達を用いた故事成語には「君子は上達し、小人は下達す」があります。「君子は上達し、小人は下達す」とは、論語にある孔子の言葉で、立派な人物は教養や道徳などを身につけようと努力するが、つまらない人物は小手先の技能ばかりを身につけようとすることを意味します。

上達の対義語・反対語としては、能力や技術などが以前より低くなることを意味する「退歩」などがあります。

上達の類語・類義語としては、物事に慣れて手際よく上手にできることを意味する「熟練」、熟練して上達することを意味する「熟達」、そのことに十分に慣れ上手になることを意味する「習熟」、腕前や技術を進歩させるを意味する「腕を上げる」などがあります。

向上の意味

向上とは、よりよい方向、すぐれた状態に向かうこと、進歩を意味しています。

その他にも、「最上、最高」「仏語、絶対平等の境地、また、それに向かって進むこと」

「安全性の向上を図るためのシステムを導入します」「この高校には向上心のある生徒ばかりです」「向上心のないやつは馬鹿だと思う」などの文中で使われている向上は、「よりよい方向、すぐれた状態に向かうこと」の意味で使われています。

一方、「多神教における向上の神を究明する」などの文中で使われている向上は「最上、最高」の意味で、「曹洞宗の開祖は仏は向上事なりと説きました」の文中で使われている向上は「仏語、絶対平等の境地、それに向かって進むこと」の意味で使われています。

向上の読み方は「こうじょう」です。同じ読み方をする熟語に「口上」や「工場」などがありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。

向上とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ちますが、一般的には「よりよい方向、すぐれた状態に向かうこと」の意味で用いられています。向上の「向」は訓読みで「むく」「むかう」と読み、その方向や状態に移行することを表します。

向上を用いた日本語には「向上心」があります。向上心とは、現在の状態に満足せず、よりすぐれたもの、より高いものを目ざして努力する心を意味します。特に、仕事や就職活動において重視されるポジティブな特性です。

向上の対義語・反対語としては、 勢いが衰えたり程度が低くなったりすることを意味する「後退」などがあります。

向上の類語・類義語としては、物事の悪い面を改めてよくすることを意味する「改善」、物事がより進んだ段階に移っていくことを意味する「発展」、状態が次第によいほうに向かうことを意味する「上り調子」、水準が上がることを意味する「レベルアップ」などがあります。

上達の例文

1.ゴルフの上達を目指す方は、ぜひ自分のフォームを動画で撮ってチェックしてみてください。
2.元プロ棋士のおじいちゃんに、将棋が上達するヒントを教えてもらいました。
3.下学上達の精神で、中学レベルの英文法から英語を学び直そうと思います。
4.娘は英会話スクールに通って、ずいぶんと英語が上達したように感じます。
5.次に転職するなら、下意上達の企業風土がある会社で働きたいです。

この言葉がよく使われる場面としては、学問や技芸などが向上して優れること、下の者の意見などを上の者に伝えること、を表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「下学上達」とは、手近なところから学びはじめて、しだいに深い学問に進んでいくことを意味する四字熟語です。例文5の「下意上達」とは、下の人の気持が上の人に達することを意味します。

向上の例文

1.彼女は向上心がある人なので、高い目標を持って努力し続けています。
2.英語力を向上させるために、高校の通学時間に英単語アプリを使っていました。
3.建築物の性能向上計画認定を取得すると、容積率の特例を受けられるなどのメリットがあります。
4.人手不足を解決するには、業務効率化による生産性向上が不可欠です。
5.向上の一路に終点なし、という教えを胸に日々精進して参ります。

この言葉がよく使われる場面としては、良い方へ向かうこと、進歩すること、位や程度が最も高いこと、仏語で迷いの境から悟りの境に入ることを表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「向上の一路」とは、禅宗で説く、言語や思考の及ばない最上の境地を意味する仏教用語です。

上達と向上という言葉は、どちらも「進歩すること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、技術やスキルが磨かれることを表現したい時は「上達」を、能力やレベルが高まることを表現したい時は「向上」を使うようにしましょう。

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