似た意味を持つ「不甲斐ない」(読み方:ふがいない)と「情けない」(読み方:なさけない)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「不甲斐ない」と「情けない」という言葉は、どちらも惨めであることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「不甲斐ない」と「情けない」の違い
「不甲斐ない」と「情けない」の意味の違い
「不甲斐ない」と「情けない」の違いを分かりやすく言うと、「不甲斐ない」と「情けない」は同じ意味を持つ言葉ですが、「不甲斐ない」の方がより強い意味で使われているという違いです。
「不甲斐ない」と「情けない」の使い方の違い
一つ目の「不甲斐ない」を使った分かりやすい例としては、「予選敗退という非常に不甲斐ない結果で終わってしまった」「結果的に自分に不甲斐なさしか感じません」「自分の不甲斐なさに落ち込んでしまう」などがあります。
二つ目の「情けない」を使った分かりやすい例としては、「お金に目がくらむなんて自分が情けない」「予選敗退という情けない成績で終わってしまった」「プロがアマチュアに負けるなんて情けない」「情けない自分に喝を入れる」「情けない気持ちになる」などがあります。
「不甲斐ない」と「情けない」の使い分け方
「不甲斐ない」と「情けない」は、ほぼ同じ意味を持つ言葉ですが、「不甲斐ない」という言葉は、「情けない」に加えて「だらしない」という意味を持っています。そのため、「情けない」よりも「不甲斐ない」の方がより強い意味で使われています。
「不甲斐ない」と「情けない」の英語表記の違い
「不甲斐ない」を英語にすると「uselessness」となり、例えば上記の「自分の不甲斐なさ意にイライラしている」を英語にすると「I’m annoyed by my own uselessness」となります。
一方、「情けない」を英語にすると「miserable」「deplorable」「pitiable」となり、例えば上記の「情けない気持ちになる」を英語にすると「I feel miserable」となります。
「不甲斐ない」の意味
「不甲斐ない」とは
「不甲斐ない」とは、情けないほど意気地がなくだらしないことを意味しています。
「不甲斐ない」の使い方
「不甲斐ない」を使った分かりやすい例としては、「自分の不甲斐なさに落ち込んでしまった」「自分の不甲斐なさを反省している」「私が不甲斐ないばかり親には申し訳ないことをした」「チームに迷惑をかけてばかりで不甲斐ない一年でした」などがあります。
「不甲斐ない」は惨めでだらしないと感じた場合に使う言葉になります。また、ビジネスシーンでも使うことができる言葉です。
「不甲斐ない」の語源
「不甲斐ない」の語源は、「腑甲斐無い」(読み方:ふがいない)です。「腑」は心のことを意味しており、「甲斐なし」はどうにもならいことを意味しています。この二つが合わさり情けないほど意気地がないことを意味する「腑甲斐ない」になりました。
この「腑甲斐ない」の「腑」が常用漢字外であったため、当て字である「不」を使い、「不甲斐ない」となっています。
表現方法は「不甲斐ない自分」「不甲斐ない結果」「不甲斐ない男」
「不甲斐ない自分」「不甲斐ない結果」「不甲斐ない男」「不甲斐ないばかりに」などが、「不甲斐ない」を使った一般的な表現方法になります。
「不甲斐ない」の類語
「不甲斐ない」の類語・類義語としては、意気地がなく臆病なことを意味する「腰抜け」、気力がなくしっかりしていないことを意味する「腑抜け」、意志や態度がしっかりしていないことを意味する「軟弱」、意志や体力などが弱いことを意味する「薄弱」などがあります。
「不甲斐ない」の甲斐の字を使った別の言葉としては、そのことをするだけの価値とそれにともな気持ちの張りのことを意味する「遣り甲斐」、生きるに値するもののことを意味する「生き甲斐」、頼りにするだけの値打ちがあることを意味する「頼り甲斐」などがあります。
「情けない」の意味
「情けない」とは
「情けない」とは、惨めであることを意味しています。その他にも、嘆かわしいことという意味も持っています。
「情けない」の使い方
「情けない」を使った分かりやすい例としては、「本大会は1回戦敗退という情けない成績で終わる」「優柔不断な自分が情けないです」「情けない声で飼い主に訴える」「情けない姿を見せてしまいましたね」「情けない男でごめんよ」などがあります。
「情けない」は二つの意味を持つ言葉ですが、どちらの意味でも使われています。惨めであったり嘆かわしいと思った場合に使うと覚えておきましょう。
また、自分だけではなく、他人の行為に対しても使うことができる言葉です。
表現方法は「自分が情けない」「情けない気持ち」「情けない姿」
「自分が情けない」「情けない気持ち」「情けない姿」「情けない話」などが、「情けない」を使った一般的な表現方法になります
「情けない」の類語
「情けない」の類語・類義語としては、悲しく情けなく感じられることを意味する「嘆かわしい」、貧しくて憐れなことを意味する「侘しい」、外見が貧弱であることを意味する「みすぼらしい」、惨めで不幸なことを意味する「ミゼラブル」などがあります。
「情けない」の情の字を使った別の言葉としては、心の中に思うことを意味する「情懐」、人情と義理のことを意味する「情義」、意地っ張りで自分んの主著王を変えないことを意味する情強(読み方:じょうごわ)などがあります。
「不甲斐ない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、情けないほど意気地がなくだらしないことを表現したい時などが挙げられます。
例文3や例文4のように、ビジネスシーンでも頻繁に使われている言葉です。
「情けない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、惨めであることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、嘆かわしいことを表現したい時にも使います。
例文1や例文3は、嘆かわしいことの意味で使っており、例文2や例文5は、惨めであることの意味で使っています。
「不甲斐ない」も「情けない」もどちらも惨めであるという共通する意味を持つ言葉ですが、「不甲斐ない」はさらにだらしないという意味が加わっており、「情けない」よりもより強い意味で使われると覚えておきましょう。