【遡及】と【訴求】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文
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同じ「そきゅう」という読み方の「遡及」と「訴求」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「遡及」と「訴求」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。



遡及と訴求の違い

遡及と訴求の意味の違い

遡及と訴求の違いを分かりやすく言うと、遡及とは過去にまで影響を及ぼすことを意味し、訴求とは消費者の欲求に働きかけることを意味するという違いです。

遡及と訴求の使い方の違い

一つ目の遡及を使った分かりやすい例としては、「この場合は法律の遡及適用となりません」「遡及処罰の禁止により刑を免れた」「障害年金申請と遡及請求を検討している」「特許が効力を生じた日に遡及する」などがあります。

二つ目の訴求を使った分かりやすい例としては、「この広告には高い訴求効果がある」「商品の魅力を訴求する」「訴求力がある文章を書きたい」「訴求ポイントを絞り込む」「債権には訴求力がある」などがあります。

遡及と訴求の使い分け方

遡及と訴求という言葉は、どちらも「そきゅう」と読みますが、意味が異なる同音異義語です。遡及は、過去にさかのぼって影響や効力を及ぼすことを意味し、主に法律において使われています。訴求は、広告などで消費者の欲求に働きかけることを意味し、主にマーケティングで使われています。

上記の例の「訴求効果」とは、それが欲しいという欲求を呼び起こす効果を表します。これが「遡及効果」となると、法律の効果がその施行前の事項にまで及ぶことを意味します。

また、法律用語でも訴求は使われますが、この場合は「訴えて要求すること」を意味し、遡及の意味とは異なります。そのため、遡及と訴求は互いに置き換えて使うことが出来ません。

遡及と訴求の英語表記の違い

遡及を英語にすると「tracing back」「retrospection」「swearing back」となり、例えば上記の「法律の遡及適用」を英語にすると「retrospection of laws」となります。

一方、訴求を英語にすると「solicitation」「appeal」となり、例えば上記の「高い訴求効果」を英語にすると「high appealing effect」となります。

遡及の意味

遡及とは

遡及とは、過去にさかのぼって影響・効力を及ぼすことを意味しています。

表現方法は「遡及処理」「遡及適用」「遡及差額」

「遡及処理」「遡及適用」「遡及差額」などが、遡及を使った一般的な言い回しです。

遡及の使い方

遡及を使った分かりやすい例としては、「取消しにより遡及的無効となった契約です」「遡及適用できる事例か弁護士に相談する」「今回の給料に遡及差額が含まれています」「この契約書には遡及契約を認める条文がある」などがあります。

その他にも、「法律は遡及効を認めないのが原則である」「算定基礎届に遡及支払額を記入する」「当該会計方針の変更は遡及適用される」「地方税法の規定により遡及課税されることになった」などがあります。

遡及は「溯及」とも書きますが、「溯」は常用外漢字のため、一般的には「遡及」と表記されています。

遡及の語源

遡及という言葉の「遡」は流れにさからってのぼることを表し、「及」はある範囲まで届くことを表します。遡及の本来もっている意味は、過去にさかのぼることであり、これが転じて、過去にさかのぼって影響や効力を及ぼすことを意味するようになりました。

「不遡及の原則」の意味

遡及を用いた日本語には「不遡及の原則」があります。法律の効力に関する考え方で、新しく法令が制定された際に制定前の事実にまでさかのぼって適用されることがないという原則を意味します。ただし、新法が当事者に有利な場合には遡及適用されることがあります。

遡及の類語

遡及の類語・類義語としては、広く行き渡ることや行き渡らせることを意味する「普及」、広く世間に行き渡ることを意味する「流布」、再びもとの場所や状態に戻ることを意味する「逆戻り」などがあります。

遡及の遡の字を使った別の言葉としては、川を上流にさかのぼることを意味する「遡江」、根本をきわめることを意味する「遡源」、支払いの可能性が減じたとき振出人に対し代償として一定金額の支払いを請求することを意味する「遡求」などがあります。

訴求の意味

訴求とは

訴求とは、広告や販売などで、消費者の購買意欲に働きかけることを意味しています。

表現方法は「訴求する」「訴求を促す」「訴求力」

「訴求する」「訴求を促す」「訴求力」などが、訴求を使った一般的な言い回しです。

訴求の使い方

訴求を使った分かりやすい例としては、「ブランドを訴求するポップアップストアだ」「コピーを変更して訴求効果を高める」「訴求力ある販促物を提案する」「ベネフィットを訴求する資料を作成する」などがあります。

その他にも、「痩身効果を訴求する広告です」「この商品の訴求ポイントを教えてください」「訴求力に欠けるデザイン案だな」「ユーザーに直感的に訴求する」「顧客メリットを訴求する提案書だ」などがあります。

訴求という言葉は、マーケティング業界で使われ、宣伝や広告などによって買い手の欲求に働きかけることを意味します。

訴求の語源

「訴」は告げ知らせること、「求」は求めることを表します。

訴求の法律用語としての使われ方

法律用語でも使わる訴求ですが、この場合は「訴えて要求すること」の意味になり、一般的な使い方とは異なります。

「訴求効果」の意味

訴求という言葉を用いた日本語には「訴求効果」があり、宣伝広告などで、消費者の購入意欲が湧くように訴える効果を意味します。広告を見た人が商品を購入したい、サービスを利用したいという気持ちになる効果であり、「訴求効果がある」「訴求効果が高い」「訴求効果が低い」などと表現します。

訴求の類語

訴求の類語・類義語としては、呼び覚ますことを意味する「喚起」、人々や世論などに広く訴えることを意味する「アピール」、商品に対する理解を求めて広く伝え知らせることを意味する「宣伝」などがあります。

訴求の訴の字を使った別の言葉としては、刑事訴訟で検察官が裁判所に公訴を提起することを意味する「起訴」、裁判を申し立てることを意味する「訴訟」、つらい事情を明かして嘆き訴えることを意味する「愁訴」などがあります。

遡及の例文

1.消費者契約法に基づく契約取消は遡及的無効であり、つまり契約は当初より遡って無効になります。
2.今期は遡及適用の会計処理として、利益剰余金等の増額調整が必要となります。
3.民法では、遡及効が生じる形成権について,第三者の権利を害さないように規定を置いています。
4.日本には遡及法がなく、法令の効力はその法の施行時以前には遡って適用されないという法の不遡及という考えがある。
5.障害年金の遡及請求について、年金事務所で断られたが最終的には認められた。

この言葉がよく使われる場面としては、過去にさかのぼること、過去にまで影響を及ぼすことを表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「遡及適用」とは、新たな会計方針を過去の財務諸表に遡って適用していたかのように会計処理することをいいます。例文3にある「遡及効」とは、法律行為の効果発生を一定時期に遡らせることを意味します。

訴求の例文

1.人気タレントを起用した面白いCMだが、訴求ポイントが分からない。
2.この提案書では商品の訴求点が伝わらないとダメ出しされてしまった。
3.訴求力のあるキャッチコピーが書けるコピーライターになりたい。
4.万人向けではなくターゲットを絞った広告の方が、訴求効果が高いと言われている。
5.この商品の宣伝手法には、機能訴求よりも感情訴求の方が向いていると会議で提案するつもりです。

この言葉がよく使われる場面としては、広告や宣伝を通じて、消費者の欲求に働きかけることを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「訴求ポイント」、例文2にある「訴求点」とは、消費者に訴えかけたいポイントを意味します。例文3にある「訴求力」は、買い手の購買意欲に働きかける力を意味する言葉です。例文5にある「機能訴求」とは、その商品が備えている働きを訴求することを表現しています。

遡及と訴求という言葉は、どちらも「そきゅう」と読む言葉ですが、意味は異なります。どちらの言葉を使うか迷った場合、過去にまで影響を及ぼすことを表現したい時は「遡及」を、消費者の欲求に働きかけることを表現したい時は「訴求」を使うようにしましょう。

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