【乗せる】と【載せる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「のせる」という読み方の「乗せる」と「載せる」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「乗せる」と「載せる」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「乗せる」と「載せる」の違い

「乗せる」と「載せる」の意味の違い

「乗せる」と「載せる」の違いを分かりやすく言うと、「乗せる」とは人をのせること、「載せる」とは物をのせることという違いです。

「乗せる」と「載せる」の使い方の違い

一つ目の「乗せる」を使った分かりやすい例としては、「その仕事に一口乗せてください」「彼女を車に乗せて旅行に行く」「売り上げが1億の大台に乗って満足です」「彼女の車に乗せてもらった」などがあります。

二つ目の「載せる」を使った分かりやすい例としては、「記事を自分のホームページ載せる」「飛行機に荷物を載せる」「テーブルの上に本を載せる」「雑誌に広告を載せる」「私の好きなブロガーが新しい写真をTwitterに載せる」などがあります。

「乗せる」と「載せる」の使い分け方

「乗せる」と「載せる」は同音の言葉ですが、使い方に少し違いがあります。

「乗せる」は「子供を車に乗せる」「後輩を口車に乗せる」などのように、「人をのせる」場合に使うのに対して、「載せる」は「荷物を車に載せる」「広告を新聞に載せる」などのように「物をのせる」場合に対して使うのが違いです。

ただし、「乗せる」は「ニュースを電波に乗せる」「売り上げを大台に乗せる」のように、人以外に対して使うこともあると覚えておきましょう。

「乗せる」と「載せる」の英語表記の違い

「乗せる」を英語にすると「put on」「place on」「give a lift」「pick up」となり、例えば上記の「彼女の車に乗せてもらった」を英語にすると「She gave me a lift in her car」となります。

一方、「載せる」を英語にすると「put」「load with」「publish」となり、例えば上記の「私の好きなブロガーは新しい写真をTwitterに載せる」を英語にすると「My favourite blogger published her new photos on Twitter」となります。

「乗せる」の意味

「乗せる」とは

「乗せる」とは、人を乗り物の上に置くことを意味しています。その他にも、音や調子に合わせること、物事が順調にいくようにすること、仲間として加えること、思惑通りに相手を動かすこと、 物事をある手段や経路によって運ぶことの意味も持っています。

「乗せる」の使い方

「あのタクシーはお客さんを乗せている」「彼は音楽のリズムに乗りながら踊っている」などの文中で使われている「乗せる」は、「人を乗り物の上に置くことや音や調子に合わせること」の意味で使われています。

一方、「計画を軌道に乗せる」「彼の口車にまんまと乗せられてしまった」などの文中で使われている「乗せる」は、「物事が順調にいくようにすること、思惑通りに相手を動かすこと」の意味で使われています。

「乗せる」は基本的に人を乗せる場合に使う言葉ですが、人以外を乗せる場合にも使うことがあると覚えておきましょう。

「口車に乗せる」の意味

「乗せる」を使った有名な言葉としては、「口車に乗せる」があります。「口車に乗せる」とは言葉巧みに人を騙すことを意味しています。

表現方法は「想いを乗せる」「金額を乗せる」「音楽に乗せる」

上記の「口車に乗せる」以外では「想いを乗せる」「金額を乗せる」「音楽に乗せる」「車に乗せる」「運用に乗せる」などが、「乗せる」を使った一般的な言い回しになります。

「乗せる」の類語

「乗せる」の類語・類義語としては、嘘を言って本当でないことを本当であると思い込ませることを意味する「騙す」、人の心を迷わして正常な判断を狂わせることを意味する「化かす」などがあります。

「載せる」の意味

「載せる」とは

「載せる」とは、乗り物に荷物を積むことを意味しています。その他にも、物の上にを置くことや掲載することの意味も持っています。

「載せる」の使い方

「引っ越しするのでトラックに荷物を載せる」「キャンプ用品を荷台に載せる」などの文中で使われている「載せる」は、「乗り物に荷物を積むこと」の意味で使われています。

一方、「さっき作った料理を皿の上に載せる」「広告を載せるにはお金がかかります」などの文中で使われている「載せる」は、「物の上にを置くことや掲載すること」の意味で使われています。

「載せる」は「車に荷物を載せる」「新聞に記事を載せる」などのように、物を上に置く場合や記事を掲載する場合に使う言葉です。基本的に物に対してだけ使い、人に対して使うことはありません。

表現方法は「具材を載せる」「チーズを載せる」「写真を載せる」

「具材を載せる」「チーズを載せる」「写真を載せる」「ネットに載せる」「画像を載せる」などが「載せる」を使った一般的な言い回しになります。

「載せる」の類語

「載せる」の類語・類義語としては、荷物を船や車などに積み入れることを意味する「積み込む」、書類や書物などに書いて記すことを意味する「記載」、船やトラックに荷物を積み込むことを意味する「荷積み」などがあります。

「乗せる」の例文

1.子供が寝坊して学校に遅刻しそうなので、車に乗せて送ることにしました。
2.彼はリズムに乗って踊るのがとても上手なので、将来素晴らしいダンサーになるだろう。
3.彼女はしっかりと新規事業を軌道に乗せることができている、やり手の女社長です。
4.簡単な儲け話にまんまと乗せられてしまったが、今思うと騙されていたのかもしれない。
5.この場所は潮の流れに乗って魚が集めるため、良い釣りスポットとして有名です。
6.調子のいい後輩にさすが先輩と乗せられてちゃっかり仕事を手伝わされているうちにその仕事の担当者にさせれていた。
7.彼女は買ったばかりの自分の車に友達を乗せて、公園にピクニックに行きました。
8.今回のプロジェクトは、メンバー全員が一致団結したおかげで、軌道に乗せることができました。
9.今日はプレゼンテーションが成功するように、自分の想いをすべて乗せるつもりで頑張ろうと思う。
10.勢いで契約してしまったが、冷静になってみると彼の口車にまんまと乗せられてしまったかなと思いました。

この言葉がよく使われる場面としては、人を乗り物の上に置くことを表現したい時などが挙げられます。

その他にも、音や調子に合わせること、物事が順調にいくようにすること、仲間として加えること、思惑通りに相手を動かすこと、 物事をある手段や経路によって運ぶことを表現したい時にも使います。

例文1は人を乗り物の上に置くこと、例文2は音や調子に合わせること、例文3は物事が順調にいくようにすること、例文4は思惑通りに相手を動かすこと、例文5は物事をある手段や経路によって運ぶことの意味で使っています。

「載せる」の例文

1.明日引っ越しをするので、トラックに荷物を載せる手伝いをお願いすることにした。
2.この船は日本からアメリカまで行く大型貨物船なので、たくさんの荷物が載っている。
3.電車の網棚の上に荷物を載せたまま下車してしまったので、急いで駅員に問い合わせる。
4.とても美味しそうなケーキを作れたので、写真を撮って自分のホームページに載せる。
5.雑誌に広告を載せるには予算が足りないので、SNSを使って宣伝することにした。
6.彼女は自分のブログに美味しいレシピを載せることが趣味で、毎週新しい料理を紹介している。
7.食パンはそのまま食べても美味しいですが、チーズを載せて焼くとさらに美味しくいただけます。
8.彼らは借りてきたのトラックに大量の荷物を載せて、引っ越しをするために遠くまで運転した。
9.君は広告を出せばいいと簡単に言うが、新聞に広告を載せるには多額の費用がかかるのだよ。
10.帯に有名人の推薦文を載せているだけで、本の売上が変わるのだから、やらない手はないということである。

この言葉がよく使われる場面としては、乗り物に荷物を積むことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、物の上にを置くことや掲載することを表現したい時にも使います。

例文1と例文2は乗り物に荷物を積むこと、例文3は物の上にを置くこと、例文4と例文5は掲載することの意味で使っています。

「乗せる」と「載せる」という言葉は、どちらも「のせる」と読みますが使い方が少し違います。人をのせることを表現したい時は「乗せる」を、物をのせることを表現したい時は「載せる」を使うと覚えておきましょう。

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