【お控えください】と【ご遠慮ください】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「お控えください」(読み方:おひかえください)と「ご遠慮ください」(読み方:ごえんりょください)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「お控えください」と「ご遠慮ください」という言葉は、どちらもやめてくださいとお願いすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「お控えください」と「ご遠慮ください」の違い

「お控えください」と「ご遠慮ください」の意味の違い

「お控えください」と「ご遠慮ください」の違いを分かりやすく言うと、「お控えください」よりも「ご遠慮ください」の方が強い表現という違いです。

「お控えください」と「ご遠慮ください」の使い方の違い

一つ目の「お控えください」を使った分かりやすい例としては、「上映中の携帯電話のご使用はお控えください」「肌に合わない方は使用をお控えください」「他のお客様のご迷惑になるような行為はお控えください」などがあります。

二つ目の「ご遠慮ください」を使った分かりやすい例としては、「喫煙所以外での喫煙はご遠慮ください」「これより先は関係者以外の立ち入りはご遠慮ください」「会場内でのお客様同士の大きな声での会話はご遠慮ください」「携帯電話の使用はご遠慮ください」などがあります。

「お控えください」と「ご遠慮ください」の使い分け方

「お控えください」と「ご遠慮ください」はどちらも同じ意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

結論から申し上げますと、「お控えください」よりも「ご遠慮ください」の方が強い表現になります。なぜ「ご遠慮ください」の方が強い表現かというと、「お控えください」は和語が元になっているのに対して、「ご遠慮ください」は漢語が元になっているからです。

漢語は中国から伝わってきた言葉で、物事をストレートに言いたい時に使います。一方、和語は元々日本で使われていた言葉で大和言葉とも言われ、柔らかい印象を与えることができます。

ただし、「お控えください」の方が柔らかい表現だからと言って、ちょっとだけやってもいいということはありません。どちらの言葉でもやってはいけないことと覚えておきましょう。

「お控えください」と「ご遠慮ください」の英語表記の違い

「お控えください」も「ご遠慮ください」も英語にすると「please refrain from」「please do not」となり、例えば上記の「携帯電話の使用はご遠慮ください」を英語にすると「Please refrain from using your cell phone」となります。

「お控えください」の意味

「お控えください」とは

「お控えください」とは、やめてくださいとお願いすることを意味しています。

表現方法は「お控えくださいますようお願い申し上げます」「お控えいただけますと幸いです」

「お控えくださいますようお願い申し上げます」「お控えいただけますと幸いです」などが、「お控えください」を使った一般的な言い回しになります。

「お控えください」の使い方

「お控えください」を使った分かりやすい例としては、「大声での会話や私語は極力お控えください」「会場への直接問い合わせは一切お控え下さい」「メンテナンス開始前にはゲームプレイをお控えください」「不適切なコメントはお控えください」などがあります。

「お控えください」は度を越さないように分量や度数などを少なめに抑えることや、自制や配慮をしてそれをやめておくことを意味する「控える」に、接頭語の「お」と丁寧語の「ください」が合わさった言葉です。

また、「控える」は和語で、元々日本で使用されていた言葉になります。

「お控えください」は和語が元になっているので柔らかい印象を与えますが、少しだけならやってもいいや、ちょっとだけならやってもいいというニュアンスはありません。やってはいけないという意味を持つ言葉と覚えておきましょう。

「お控えください」の類語

「お控えください」の類語・類義語としては、やめることをお願いすること意味する「やめてください」、やめてくださいを丁寧にした言い方を意味する「おやめください」などがあります。

「ご遠慮ください」の意味

「ご遠慮ください」とは

「ご遠慮ください」とは、やめてくださいとお願いすることを意味しています。

表現方法は「ご遠慮くださいますようお願い申し上げます」「ご遠慮いただけますと幸いです」

「ご遠慮くださいますようお願い申し上げます」「ご遠慮いただけますと幸いです」「転送はご遠慮ください」などが、「ご遠慮ください」を使った一般的な言い回しになります。

「ご遠慮ください」の使い方

「ご遠慮ください」を使った分かりやすい例としては、「車でのご来場はご遠慮ください」「館内での飲酒はご遠慮ください」「携帯電話等での撮影はご遠慮ください」「施設内での路上駐車や自転車走行はご遠慮ください」などがあります。

「ご遠慮ください」は人に対して言葉や行動を慎み控えることや、辞退することを意味する「遠慮」に、接頭語の「お」と丁寧語の「ください」が合わさった言葉です。また、「遠慮」は漢語で、元々は中国で使用されていた言葉なります。

「ご遠慮ください」は遠慮気味に少しだけならやってもいいや、ちょっとだけならやってもいいというニュアンスはありません。やってはいけないという意味を持つ言葉と覚えておきましょう。

「ご遠慮ください」の類語

「ご遠慮ください」の類語・類義語としては、拒否することを意味する「お断りします」があります。

「お控えください」の例文

1.徹夜や早朝からお店の周囲に待機する等の行為は、近隣のご迷惑となりますのでお控えください。
2.発熱がある方や、体調が優れない方のご来場はお控えください。
3.こちらの商品は中古品ですので、神経質な方は入札をお控えください。
4.試合後の記者会見では、プライベートに関するご質問はお控えください。
5.来場者同士の接触や、大声での会話はお控えくださいというアナウンスが流れた。
6.本日収録した内容につきましては、来月の放送日まではSNSなどで拡散することはお控えくださいますようお願いいたします。
7.係員が上映中の携帯電話のご使用はお控えくださいと言っているのに、一部の観客は態度を改めることがなかった。
8.掲示板には不適切なコメントはお控えくださいと書いてあるが、何が不適切なのかは結局運営者のさじ加減で決まるのだ。
9.お客様には大変申し訳ありませんが、食事の持ち込みはお控えくださいますようお願い申し上げます。
10.プレゼントの当選は発送をもってかえさせていただきますので、事務局への直接のお問い合わせはお控えくださいませ。

この言葉がよく使われる場面としては、やめてくださいとお願いすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「ご遠慮ください」は相手に禁止を強要する場合に使う言葉です。

「ご遠慮ください」の例文

1.徹夜を含む、前日から会場へのご来場は絶対にご遠慮ください。
2.当店は駐車スペースがございませんので お車でのご来店はご遠慮ください。
3.ここから先は私有地となっていますので、立ち入りはご遠慮ください。
4.当日は一般の方々もご利用なさいますので、周囲への迷惑となるような行為はくれぐれもご遠慮くださいますようお願い申し上げます。
5.会場内の指定エリア以外での飲食および喫煙はご遠慮ください。
6.優先席エリア近くでは、携帯電話のご使用はご遠慮くださいますようお願い申し上げます。
7.市役所の駐車場はご利用できますが、出来る限り公共交通機関をご利用いただき、マイカーでのご来館はご遠慮くださいますようお願い申し上げます。
8.男は近道をするために関係者以外の立入禁止はご遠慮くださいと書いてある看板を見向きもせずにずかずかと入っていった。
9.当サイトの動画素材を使用する際には、使用許可のご連絡をお願いしておりますので、無許可でのご使用はご遠慮ください。
10.優先席付近の携帯電話のご使用はお客様の迷惑になりますので電源をお切りください。それ以外の場所はマナーモードに設定の上、通話はご遠慮ください。

この言葉がよく使われる場面としては、やめてくださいとお願いすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「お控えください」は相手に禁止を強要する場合に使う言葉です。

「お控えください」と「ご遠慮ください」はどちらもやめてくださいとお願いすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「お控えください」よりも「ご遠慮ください」の方が強い表現と覚えておきましょう。

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