似た意味を持つ「趣がある」(読み方:おもむきがある)と「風情がある」(読み方:ふぜいがある)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「趣がある」と「風情がある」という言葉は、どちらも上品で雰囲気があり心惹かれる味わいのことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「趣がある」と「風情がある」の違い
「趣がある」と「風情がある」の意味の違い
「趣がある」と「風情がある」の違いを分かりやすく言うと、「趣がある」は心が惹かれるというニュアンスが強い、「風情がある」は上品で美しいというニュアンスが強いという違いです。
「趣がある」と「風情がある」の使い方の違い
一つ目の「趣がある」を使った分かりやすい例としては、「あのカフェは趣がある」「冬枯れの景色も趣がある」「異国的な趣のある街を訪れました」「古風で趣がある昔ながらお寺です」などがあります。
二つ目の「風情がある」を使った分かりやすい例としては、「このお庭はとても風情がある」「風情がある部屋に案内されました」「水面に映った景観に風情がある」「風鈴や浴衣は風情がある」などがあります。
「趣がある」と「風情がある」の使い分け方
「趣がある」と「風情がある」は、どちらも上品で雰囲気があり心惹かれる味わいのことを意味しており、大きな違いはありません。
あえて違いを挙げるならば、「趣がある」は心が惹かれるというニュアンスが強いのに対して、「風情がある」は上品で美しいというニュアンスが強いという点です。
また、あくまで傾向なので、「趣がある」と「風情がある」を言い換えても問題がない場合も多いと覚えておきましょう。
「趣がある」と「風情がある」の英語表記の違い
「趣がある」も「風情がある」も英語にすると「quaint」「tasteful」「elegant」「poetic」となり、例えば上記の「古風で趣がある昔ながらお寺です」を英語にすると「It is a quaint old-fashioned temple」となります。
「趣がある」の意味
「趣がある」とは
「趣がある」とは、ある傾向や趣向が感じ取られる様子のことを意味しています。
「趣がある」の読み方
「趣がある」の読み方は「おもむきがある」です。誤って「しゅがある」などと読まないようにしましょう。
「趣がある」の使い方
「趣がある」を使った分かりやすい例としては、「ここから眺める朝日には趣がある」「趣がある旅館に泊まることできました」「今日観た映画は西洋的な趣がありました」「この作品にはとても趣がある」「少々古いがこの建物は趣がある」などがあります。
「趣がある」はそのものが感じさせる風情やしみじみとした味わいのことを意味する「趣」に、それ感じられる状態になることを意味する「ある」が合わさり、ある傾向や趣向が感じ取られる様子のことの意味で使われている言葉です。
また、「趣がある」は美的感覚で良いと感じられることが多く、基本的にプラスのイメージで使う言葉になります。
「趣がある」は風景、景色、景観、街並み、芸術作品など様々なものに対して使うことが可能で、工夫や思考が感じとられる場合や、そのものから醸し出されるしみじみとした味わいを表現したい時に使用すると覚えておきましょう。
また、「趣がある」はものに対して使うことが多い言葉ですが、「趣がある人」のように、しっとりと落ち着いて心惹かれる特徴や雰囲気がある人に対しても使用することが可能です。
「趣がある」の類語
「趣がある」の類語・類義語としては、物事や飲食物などにしみじみとした趣や風味があることを意味する「味わい深い」、その感情を起こさせる特殊な雰囲気があることを意味する「情緒がある」などがあります。
「風情がある」の意味
「風情がある」とは
「風情がある」とは、名状しがたい味わいがある様子のことを意味しています。
「風情がある」の読み方
「風情がある」の読み方は「ふぜいがある」です。誤って「ふじょうがある」「かぜじょうがある」などと読まないようにしましょう。
「風情がある」の使い方
「風情がある」を使った分かりやすい例としては、「この温泉旅館のお庭はいつ見ても風情がある」「この街は西洋的な風情がある」「彼女の寒そうな後ろ姿に冬の風情がある」「桜の花が散って川に浮かぶ様子は風情がある」などがあります。
「風情がある」は風流や味わいのことを意味する「風情」に、それ感じられる状態になることを意味する「ある」が合わさり、名状しがたい味わいがある様子のことを意味する言葉です。
また、「風情がある」は美的感覚で良いと感じられることが多く、基本的にプラスのイメージで使う言葉になります。
「風情がある」は風景、景色、景観、街並み、芸術作品など様々なものに対して使うことが可能で、工夫や思考が感じとられる場合や、そのものから醸し出されるしみじみとした味わいを表現したい時に使用すると覚えておきましょう。
また、「風情がある」はものに対して使うことが多い言葉ですが、「趣がある人」のように、しっとりと落ち着いて心惹かれる特徴や雰囲気がある人に対しても使用することが可能です。
「風情がある」の類語
「風情がある」の類語・類義語としては、興味をそそられて心が引かれることをがあることを意味する「面白味がある」、人の心をひきつけて夢中にさせる力があることを意味する「魅力がある」などがあります。
「趣がある」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある傾向や趣向が感じ取られる様子のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「趣がある」はプラスのイメージで使う言葉です。
「風情がある」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、名状しがたい味わいがある様子のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「風情がある」はプラスのイメージで使う言葉です。
「趣がある」と「風情がある」はどちらも上品で雰囲気があり心惹かれる味わいのことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、心が惹かれるというニュアンスが強いのが「趣がある」、上品で美しいというニュアンスが強いのが「風情がある」と覚えておきましょう。