【口添え】と【口利き】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「口添え」(読み方:くちぞえ)と「口利き」(読み方:くちきき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「口添え」と「口利き」という言葉は、どちらも間に立って紹介や世話をすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「口添え」と「口利き」の違い

「口添え」と「口利き」の意味の違い

「口添え」と「口利き」の違いを分かりやすく言うと、「口添え」は仲裁が上手いというニュアンスがない、「口利き」は仲裁が上手いというニュアンスがあるという違いです。

「口添え」と「口利き」の使い方の違い

一つ目の「口添え」を使った分かりやすい例としては、「知人の口添えで要らなくなったおもちゃをもらう」「この度はお口添えをいただきありがとうございました」「叔父の口添えで就職する」などがあります。

二つ目の「口利き」を使った分かりやすい例としては、「友人に口利きをお願いすることにしました」「サッカーのクラブチームに入れるように知り合いに口利きを頼んだ」「彼女の口利きのおかげでことが上手く運びました」などがあります。

「口添え」と「口利き」の使い分け方

「口添え」と「口利き」はどちらも間に立って紹介や世話をすることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「口添え」は傍らから言葉を添えてとりなすというニュアンスで、間に立って紹介や世話をすることの意味でしか使わない対して、「口利き」は間に立って紹介や世話をすることの意味の他に、 交渉や談判などの上手い人の意味も持っているというのが違いになります。

つまり、「口添え」は仲裁が上手いというニュアンスがないのに対して、「口利き」は仲裁が上手いというニュアンスがあるというのが違いです。

「口添え」と「口利き」の英語表記の違い

「口添え」も「口利き」も英語にすると「mediation」「good offices」「a go-between」となり、例えば上記の「彼女の口利きのおかげでことが上手く運びました」を英語にすると「Thanks to her mediation, the matter went well」となります。

「口添え」の意味

「口添え」とは

「口添え」とは、傍らから言葉を添えてとりなすことを意味しています。

表現方法は「お口添えいただければ幸いです」「お口添えいただけないでしょうか」

「お口添えいただければ幸いです」「お口添えいただけないでしょうか」「お口添えいただきありがとうございました」などが、「お口添え」を使った一般的な言い回しになります。

「口添え」の使い方

「口添え」を使った分かりやすい例としては、「友人のために口添えをする」「知人の口添えで本棚を譲ってもらいました」「母の友人の口添えのおかげで就職先が決まりました」「先生が私のために口添えをしてくれました」などがあります。

「口添え」は傍らから言葉を添えてとりなすことを意味する名詞です。名詞とは自立語で活用がなく、文の主語となることができるものことを意味しています。

また、交渉や依頼などの仲介をすることを表現したい時に使うのが一般的になっています。

「口添え」は目上の人に使える

「口添え」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉で、「お口添えしてくださる」「お口添えいただきたく存じます」などのように、敬語表現と組み合わせることで目上の人に対しても使うことができると覚えておきましょう。

「口添え」の特徴

「口添え」は話し言葉だけではなく、書き言葉としても使えるというのが特徴です。例えば、仲介してくれた人に対して「お口添えいただきありがとうございました」のように、お礼のメールとして使うこともできます。

「口添え」の類語

「口添え」の類語・類義語としては、 当事者双方の間に立って便宜を図り事をまとめることを意味する「仲介」、間に入って双方をうまく取り持つことを意味する「あっせん」などがあります。

「口利き」の意味

「口利き」とは

「口利き」とは、間に立って紹介や世話をすることを意味しています。その他にも、交渉や談判などの上手い人の意味も持っています。

「口利き」の漢字表記

「くちきき」の正しい漢字表記は「口利き」です。誤って「口聞き」「口効き」としないように気をつけましょう。

表現方法は「口利きする」「口利き料」「口利き疑惑

「口利きする」「口利き料」「口利き疑惑」などが、「口利き」を使った一般的な言い回しになります。

「口利き」の使い方

「息子の就職が口利きで決まる」「なんとか口利きできないかお願いをしました」などの文中で使われている「口利き」は、「間に立って紹介や世話をすること」の意味で使われています。

一方、「口利きで人気店の予約を取ることができました」「部長の口利きのおかげで交渉が上手くまとまりました」などの文中で使われている「口利き」は、「交渉や談判などの上手い人」の意味で使われています。

「口利き」は間に立って紹介や世話をすることと交渉や談判などの上手い人の二つの意味を持つ言葉で、どちらの意味でも使われています。

また、交渉や談判などの上手い人の意味は仲裁が上手いというニュアンスで使うのが一般的と覚えておきましょう。

「口利き」は目上の人にも使える

「口利き」はビジネスシーンでも使うことができる言葉で、「口利きいただきありがとうございました」のように、前後の文章を敬語表現にすることによって、目上の人に対しても使用可能です。

「口利き」の類語

「口利き」の類語・類義語としては、 未知の人同士の間に入って引き合わせることを意味する「紹介」、双方の間に立って事をとりもつことを意味する「仲立ち」などがあります。

「口添え」の例文

1.課長のお口添えのおかげで新規プロジェクトに参加することができました。
2.この方とお知り合いであれば、口添えお願いしてもいいですか。
3.どうしても彼と付き合いたいので、口添えしてくれたら幸いです。
4.部長がお口添えしてくださったおかげで、スムーズに契約することができました。
5.先輩のお口添えのおかげで、無事にレンタルすることができました。
6.今回の商談の成功は自分1人の力だけではなく、取締役からの口添えがあったことを忘れてはならない。
7.大学時代の恩師である山田先生に、就職活動について相談した。先生は私の熱意を評価して、ある企業の社長に口添えをしてくれることになった。
8.転職エージェントから、ある企業の役員に口添えしてくれるという提案を受けた。その企業は私が以前から興味を持っていた会社だったので、ぜひお願いすることにした。
9.取引先の担当者に親しい知人がいることを思い出し、その知人に口添えをお願いすることにした。
10.先輩のお口添えにより、研究機関でのインターンシップを経験することができました。本当に感謝しています。

この言葉がよく使われる場面としては、傍らから言葉を添えてとりなすことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「口添え」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「口利き」の例文

1.友人の口利きでイベント会場が安く借りられたので、入場料も値下げすることができました。
2.伯母の口利きによって、有名企業に就職することができました。
3.彼が口利きをしてくれたおかげで、今の彼氏と付き合うことができました。
4.芸能界につてがある部長に、口利きできないかお願いすることにしました。
5.彼女の口利きのおかげでことが上手く運んだので、とても感謝しています。
6.認可保育園入園を巡っては地元の議員に口利きをお願いすれば入れるなど、真偽のほどは不明だがさまざまな噂が流れている。
7.叔父さんの口利きで働き始めたのはいいが、職場では叔父の評判はあまり良くなく、若干肩身の狭い思いをした。
8.今回の仕事は、あなたの口利きのおかげで成功することができました。本当にありがとうございました。
9.取引先の社長に口利きしてもらい、新しい取引先との契約を結ぶことができた。社長の紹介ということもあり、相手企業は安心して取引に応じてくれた。
10.どうしても手に入らないライブのチケットがあるので、もしよろしければ口利きをお願いできませんでしょうか。

この言葉がよく使われる場面としては、間に立って紹介や世話をすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、 交渉や談判などの上手い人を表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「口利き」は間に立って紹介や世話をすること、例文4と例文5の「口利き」は交渉や談判などの上手い人のことの意味で使っています。

「口添え」と「口利き」はどちらも間に立って紹介や世話をすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、仲裁が上手いというニュアンスがないのが「口添え」、仲裁が上手いというニュアンスがあるのが「口利き」と覚えておきましょう。

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