【適用】と【摘要】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「てきよう」という読み方の「適用」と「摘要」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「適用」と「摘要」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




適用と摘要の違い

適用と摘要の意味の違い

適用と摘要の違いを分かりやすく言うと、適用とは法律やルールなどを当てはめること、摘要とは要点を抜き書きすることという違いです。

適用と摘要の使い方の違い

一つ目の適用を使った分かりやすい例としては、「健康保険の適用範囲で治療したいです」「学生は適用対象外になっています」「お申し込み翌月以降から割引適用となります」「短時間労働者が社会保険の適用対象になりました」などがあります。

二つ目の摘要を使った分かりやすい例としては、「私の卒業論文の摘要を簡単にお話します」「伝票の摘要欄にご記入ください」「摘要欄に何を書くべきか分かりません」「源泉徴収票の摘要欄は300文字以内で入力してください」などがあります。

適用と摘要の使い分け方

適用と摘要という言葉は、どちらも「てきよう」と読みますが、意味や使い方には大きな違いがあります。

適用とは、法律やルールあるいは方法などを、当てはめて用いることを意味します。たとえば、お店が決めたルールに則って割引されることを「割引適用」と言います。また、「適用範囲」とは法律や規則などがその効力を発揮する領域のことを指す表現です。

摘要とは、要点を抜き書きすることや抜き書きしたものを意味します。「論文の摘要」は、論文の要約や論旨のことです。また、会計業務における摘要は、取引の内容をわかりやすくするために記載するメモのようなものです。

つまり、適用とは事例に当てはめることを表し、摘要とは大事なところを抜き書きすることを意味します。二つの言葉は同じ読み方をしますが、意味が全く違う同音異義語なので互いに置き換えて使うことはできません。

適用と摘要の英語表記の違い

適用を英語にすると「application」「indication」「administration」となり、例えば上記の「適用範囲」を英語にすると「application range」となります。

一方、摘要を英語にすると「abstract」「summary」「resume」となり、例えば上記の「この論文の摘要」を英語にすると「a summary of my thesis」となります。

適用の意味

適用とは

適用とは、法律や規則などを、事例に当てはめて用いることを意味しています。

適用の読み方

適用の読み方は「てきよう」です。誤って「せきよう」「かなもち」などと読まないようにしましょう。

適用の使い方

適用を使った分かりやすい例としては、「大統領は追加関税の適用を見送ることにした」「シャドーイングを日本の英語教育に適用するべきです」「各種適用届出書がホームページよりダウンロードできます」などがあります。

その他にも、「法人税申告書に適用額明細書を添付する」「適用事業所番号の調べ方を教えてください」「健康保険被保険者適用除外承認申請書を作成する」「事業所の移転に伴って適用事業報告の届出をしました」などがあります。

適用の「適」は訓読みで「かなう」と読み、ぴったり当てはまることを表し、「用」は訓読みで「もちいる」と読み、役に立つものとして使うことを表します。適用とは、当てはめて使うことを意味し、法律や規則あるいは方法などをよく当てはめて用いることを表現する言葉です。

表現方法は「適用事業報告書」

適用を用いた日本語には「適用事業報告書」があります。適用事業報告書とは、労働基準法の適用事業となった事業所が、その事実を管轄の労働基準監督署に報告するための書類です。業種を問わず労働者を使用するに至ったときに、遅滞なく提出する必要があります。

適用の対義語

適用の対義語・反対語としては、義務や役目などを免じることを意味する「免除」などがあります。

適用の類語

適用の類語・類義語としては、原理や知識を実際の事柄に当てはめて用いることを意味する「応用」、役立つようにうまく使うことを意味する「利用」、定まっている使途をはずれて別のことに用いることを意味する「流用」、引用や引用文を意味する「クオーテーション」などがあります。

摘要の意味

摘要とは

摘要とは、重要な箇所を抜き書きすること、その抜き書きしたものを意味しています。

摘要の読み方

摘要の読み方は「てきよう」です。同じ読み方をする熟語に「適用」や「摘葉」がありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。

摘要の使い方

摘要を使った分かりやすい例としては、「談話の摘要を第三者が確認できるように記入する」「英語の論文の摘要を日本語で書いてください」「通帳等への摘要入力サービスは終了しました」「基本的に請求書には摘要欄は不要です」などがあります。

その他にも、「会計ソフトの摘要欄に取引の内容を記載する」「摘要を記載する目的は何ですか」「必要な情報を摘要欄で補う」「源泉徴収票の摘要欄を確認しながら確定申告の書類を作成する」などがあります。

摘要の「摘」は訓読みで「つむ」と読み、かいつまんで選び出すことを表す漢字です。最も大切な部分や要点を表す「要」と結びつき、摘要とは、要点を抜き書きすること、また、その抜き書きを意味します。

表現方法は「摘要欄」

上記例文にある「摘要欄」とは、会計業務で使う仕訳帳や伝票などに設けられた欄であり、取引の内容をわかりやすくするために具体的な情報を記載するためのものです。後で確認したときにわかりやすいように、取引相手の名称や商品の品名などを書き入れます。

摘要の類語

摘要の類語・類義語としては、内容のあらましや主要な点を意味する「要旨」、文章の要点をとりまとめることを意味する「要約」、 文章で言おうとしている要点を意味する「大意」、内容を手短に記したものを意味する「レジュメ」、要約された記録などを意味する「ダイジェスト」などがあります。

適用の例文

1.新しい学習指導要領が適用され、小学校で英語が教科として扱われるようになりました。
2.数年前に不妊治療が保険適用となってから、生殖医療を選択する夫婦が増えています。
3.財務諸表の作成に適用される財務報告の枠組みについて、顧問会計士に相談しました。
4.ISO規格の適用範囲を定めることは、特定の事業所を適用範囲から除外することも意味します。
5.適応障害で通院しているのですが、医療保険を適用することはできますか。

この言葉がよく使われる場面としては、よく当てはめて用いること、 特定の法令の規定を個別的にそのまま当てはめて働かせることを表現したい時などが挙げられます。

例文5にある適用と適応の違いは、適用は一般的なルールや法則を具体的な事例に当てはめることを表す一方、適応は状況にあわせて変化させることを表す点にあります。

摘要の例文

1.英語史の面白さを伝える論文の摘要をゼミ生に示し、それについて議論することにしました。
2.帳簿にある摘要欄の書き方が分からなかったので、先輩社員に教えてもらいました。
3.領収書の摘要欄に明確なルールはありませんが、あとで見返して仕訳の内容がわかるように記入しておきましょう。
4.金額や勘定科目だけでなく、摘要も忘れずに会計ソフトへ入力するようにしてください。
5.摘要入力欄に書ききれない場合は、備考科目を使ってもらって構いません。

この言葉がよく使われる場面としては、重要な部分を抜き出して記すことや記したものを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、摘要という言葉は、会計業務に関して使用されることが多くなっています。

適用と摘要という言葉は、どちらも「てきよう」と読む同音異義語です。どちらの言葉を使うか迷った場合、法律や方法などを当てはめて用いることを表現したい時は「適用」を、要点を抜き書きすることを表現したい時は「摘要」を使うようにしましょう。

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