同じ「ずらす」という読み方の「づらす」と「ずらす」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「づらす」と「ずらす」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「づらす」と「ずらす」の違い
「づらす」と「ずらす」の意味の違い
「づらす」は「ずらす」の間違い
「づらす」と「ずらす」の違いを分かりやすく言うと、「づらす」とは「ずらす」の間違った使い方、「ずらす」とは滑らせるようにして少し動かすことです。
「づらす」は誤字
一般的には「づらす」という言葉は存在しません。読み方が同じなことから、「ずらす」のことを間違えて「づらす」を使っている人がほとんどです。
「ずらす」は正しい日本語
正しい言葉である「ずらす」を使った分かりやすい例としては、「具材を確認するために鍋の蓋を少しずらす」「座り直すために体を後ろへずらす」「混まない時間に行くために昼休憩の時間を少しずらす「会議が5日ずらされました」などがあります。
「ずらす」という言葉はあっても、「づらす」という言葉は存在しません。同時に「ずらす」という単語の意味について「滑らせるようにして少し動かすこと」と覚えておきましょう。
「ずらす」の英語表記
「ずらす」を英語にすると「shift」「move」「stagger」「put off」「postpone」となり、例えば上記の「会議が5日ずらされました」を英語にすると「The meeting was postponed for five days」となります。
「づらす」の意味
「づらす」とは
「づらす」とは、「ずらす」の間違った使われ方です。
「づらす」が間違った言葉
「づらす」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が同じなため、「ずらす」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。
「づらす」が間違っている理由
「づらす」と「ずらす」を間違ってしまう理由としては、「ず」と「づ」の発音が同じなので、混同してしまっているのが原因です。正しい日本語は「ずらす」なので間違えないように注意しましょう。
ではなぜ「づらす」が間違った言葉かというと、「ずらす」の成り立ちが理由です。「ずらす」は自動詞である「ずれる」が変化して他動詞として使うようになった日本語です。
自動詞とは動作主体の動作や作用が他に及ばないで、それ自身の働きとして述べられる動詞として使います。そのため、「○○を」のような目的語をとることがありません。
一方、他動詞とはその動詞の表す動作や作用が直接他に働きかけたり、他をつくり出したりする働きとして成り立つ場合に使います。そのため、「○○を」の形で目的語を取る必要があります。
この「ずれる」が変化して使うようになった言葉が「ずらす」なので、「づ」を使用した「づらす」ではなく、「ず」を使用した「ずらす」が正しい日本語になると覚えておきましょう。
もし、ビジネスシーンにおいて「づらす」と表記してまうと、とても恥ずかしい思いをするので注意が必要です。もし、「づらす」と「ずらす」でどちらが正しいか迷った場合には、「ずらす」の言葉の由来を思い出すといいでしょう。
「ずらす」の意味
「ずらす」とは
「ずらす」とは、滑らせるようにして少し動かすことを意味しています。その他にも、位置や日時などを重ならないように動かすことの意味も持っています。
表現方法は「時間をずらす」「日程をずらす」
「時間をずらす」「日程をずらす」などが、「ずらす」を使った一般的な言い回しになります。
「ずらす」の使い方
「座りやすいように椅子をずらす」「本棚を左にずらす」などの文中で使われている「ずらす」は、「滑らせるようにして少し動かすこと」の意味で使われています。
一方、「風邪を引いたので予定を1週間ずらす」「電車が込まないように出勤時間をずらす」などの文中で使われている「ずらす」は、「位置や日時などを重ならないように動かすこと」の意味で使われています。
「ずらす」は滑らせるようにして少し動かすことと、位置や日時などを重ならないように動かすことの二つの意味を持つ動詞です。また、現代ではほとんど使われていないですが、するべきことをあとに回すことの意味も持っています。
「ずらす」の特徴。
「ずらす」は「机をずらす」「本棚をずらす」などのように物理的なものだけではなく、「時間をずらす」「日程をずらす」などのように、抽象的なものに対しても使うことができると覚えておきましょう。
「ずらす」は日常生活だけではなく、ビジネスシーンなどの様々な場面で使うことができる言葉です。
「ずらす」の注意点
「ずらす」を使う上で注意しなければならないのは、「ずらす」はどんな場面であっても、必ず自分や他人の意思によって動かす場合に使います。そのため、「ソファーが勝手にずらす」のような使い方をしません。
もし、勝手に動くことを表現したいのであれば、「ずれる」を使うようにしましょう。
「ずらす」の類語
「ずらす」の類語・類義語としては、位置や住所などを変えることを意味する「移転」、置き場所を変えることを意味する「転置」、物を他の位置に移したり占めていた位置を変えたりすることを意味する「動かす」、ある場所から他の場所へ移ることを意味する「移動」などがあります。
「づらす」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、「ずらす」という言葉を間違えて「づらす」と表現している時などが挙げられます。
「づらす」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「ずらす」を間違えて使っている可能性が高いです。
「づらす」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「づらす」ではなく、「ずらす」と表現するのが正しい使い方になります。
「ずらす」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、滑らせるようにして少し動かすことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、位置や日時などを重ならないように動かすことを表現したい時にも使います。
例文1と例文2は滑らせるようにして少し動かすこと、例文3から例文5は位置や日時などを重ならないように動かすことの意味で使っています。
「づらす」と「ずらす」どちらを使うか迷った場合は、「づらす」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「ずらす」を使うようにしましょう。