似た意味を持つ「レベル」と「ランク」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「レベル」と「ランク」という言葉は、「優劣や評価の区分」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
レベルとランクの違い
レベルとランクの意味の違い
レベルとランクの違いを分かりやすく言うと、レベルは到達している水準を表現する時に使い、ランクは他との比較による順位を表現する時に使うという違いです。
レベルとランクの使い方の違い
一つ目のレベルを使った分かりやすい例としては、「子どもが使うスマホのセキュリティレベルは引き上げてある」「ゲームのレベルのように分かりやすくステップアップ出来たらいいのにと思う」「レベル測量の基礎知識は建設に欠かせない」などがあります。
二つ目のランクを使った分かりやすい例としては、「ランク付けシステムの基準となるスコアは事前に周知されている」「見事上位にランクインを果たした」「会員ランクが一段階上昇すれば還元されるポイントが増えるそうだ」などがあります。
レベルとランクの使い分け方
レベルとランクはどちらも、優劣や評価の区分を表す言葉ですが、使い方や意味が若干異なります。
レベルは、水準や高低の度合いを表し、上記例文の「セキュリティレベル」「ゲームのレベル」などのように使われています。その他にも、上記例文の「レベル測量」などのように、水平や水平器を指す言葉としても使われています。
一方のランクは、順位づけることや順位を表し、上記例文の「ランク付け」「ランクイン」などのように、外部との比較や外部から優劣を決められる場合に用いられます。
つまり、レベルは物事が到達している水準を指し、ランクは比較による順位を指すという違いがあり、前者よりも後者の方が競争性が高い言葉と言えます。
今日では、「会員ランク」などのように、他者との競争が求められないものに対しても使われることがあり、「会員レベル」と言い換えて表現することができる場合もあります。
レベルとランクの英語表記の違い
レベルを英語にすると「level」となり、例えば上記の「セキュリティレベル」を英語にすると「the security level」となります。
一方、ランクを英語にすると「rank」となり、例えば上記の「ランク付けシステム」を英語にすると「a system of ranking」となります。
レベルの意味
レベルとは
レベルとは、水準や高低の度合いを意味しています。
その他にも、水平や水準器を意味する言葉として使われています。
レベルの使い方
「レベル上げにもぴったりと言われる物事は小さなことの積み重ねだ」「レベルアップするためにも新しいことに挑戦したい」「個人のレベルはそれぞれであり、ゆっくり進めればいい」などの文中で使われているレベルは、「水準や段階」の意味で使われています。
一方、「レベル出しの方法を教わることになった」「レベルを出す際の注意点はDIYにも役立つ気がする」「レベルなどの機器類を扱ったことはない」などの文中で使われているレベルは、「水平や水準器」の意味で使われています。
レベルは英語で「level」と表記され、「平らな」「同じ水準の」「互角の」「程度」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われ、個の能力や品質などの程度や段階を表す言葉として使われることが多くあります。
レベルは建築用語としても使える
また、建築用語として使われるレベルは、水平である状態や水平器を指す言葉として使われており、物の位置を水平にすることや水平線を描くことを「レベル出し」「レベルを出す」と表現します。
レベルの類語
レベルの類語・類義語としては、物事の段階を意味する「ステージ」、状態や程度を量る基準となるものを意味する「バロメーター」、位置や地位を意味する「ポジション」、境界線や水準を意味する「ライン」などがあります。
ランクの意味
ランクとは
ランクとは、順位づけることや順位を意味しています。
ランクの使い方
ランクを使った分かりやすい例としては、「内申ランクを伸ばすことで合格へと一歩近づくことができる」「会員ランクに応じて受けられるサポートも異なるそうだ」「ランクが上がれば特典が増えるためできる限り利用するようにしている」などがあります。
その他にも、「ランクアップしたためより多くのボーナスを受け取ることができた」「見事ランクインできたらご馳走してくれると約束してくれた」「ランクダウンしてしまうくらいにはこのアプリを利用していなかった」などがあります。
ランクは英語で「rank」と表記され、「階級」「等級」「高位」「横列」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われ、他者との比較によって定められた階級や地位を表すことも、特定の条件に合致した場合の位置づけを表す時にも使われています。
表現方法は「ランクアップ」「ランクダウン」「ランクを維持する」
「ランクアップ」「ランクダウン」「ランクを維持する」といった表現が用いられることもあり、いくつかの段階が存在する場合にランクという語が用いられます。ビジネスシーンや日常生活など場面は問わず、幅広い分野で使われています。
上記例文の「内申ランク」とは、高校入試における合否判定に用いられる要素で、中学3年間の成績を5段階で評価した点数をもとに算出し、20点ごとに区切って定められる段階を指します。これが高ければ優秀な成績を修めたことになり、受験に有利になります。
ランクから派生した言葉
また、ランクから派生した言葉に「ランキング」があり、順位、等級をつけることや格付け、それが記載されたリストを指す言葉として使われています。「売り上げランキング」「世界ランキング」「ランキングのトップ10」などのように使われています。
ランクの類語
ランクの類語・類義語としては、等級や階級を意味する「グレード」、階級や層を意味する「クラス」、順序をつけて並べることや一定の基準に従って並べた順序を意味する「序列」などがあります。
レベルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、水準や高低の度合いを意味する時などが挙げられます。
例文4や5のように、水平である状態や水平器を意味する言葉として使われることもあります。
ランクの例文
この言葉がよく使われる場面としては、順位づけることや順位を意味する時などが挙げられます。
上記例文のように、日常生活からビジネスシーンまで幅広く使うことができる言葉です。
レベルとランクは、どちらも「優劣や評価の区分」を表します。どちらを使うか迷った場合は、到達している水準を表す場合は「レベル」を、他との比較による順位を表す場合は「ランク」を使うと覚えておけば間違いありません。