似た意味を持つ「近しい」(読み方:ちかしい)と「親しい」(読み方:したしい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「近しい」と「親しい」という言葉は、どちらも人間関係における距離が近いことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「近しい」と「親しい」の違い
「近しい」と「親しい」の意味の違い
「近しい」と「親しい」の違いを分かりやすく言うと、「近しい」は関係の自然な近さや絆を表すこと、「親しい」は気軽さや交流の深さを表すことという違いです。
「近しい」と「親しい」の使い方の違い
一つ目の「近しい」を使った分かりやすい例としては、「近しい間柄でも礼儀は忘れたくない」「彼女は家族のように近しい人です」「近しい友人にだけ話せることがある」「近しい立場の人だからこそ気をつかいます」「彼は私にとって近しい存在です」などがあります。
二つ目の「親しい」を使った分かりやすい例としては、「彼女は親しい人にだけ見せる笑顔があります」「親しい間柄だからたまには喧嘩もします」「昔はあんなに親しかったのに今では他人のようです」「私たちは昔から親しい友人です」などがあります。
「近しい」と「親しい」の使い分け方
「近しい」と「親しい」はどちらも人間関係における距離が近いことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「近しい」は「彼は家族のように近しい存在だ」のように、心理的や物理的に距離が近い関係に対して使う言葉になります。親族や長年の友人、または共に苦労を重ねた同僚など、自然な絆やつながりを感じる相手に対して使われることが多いのが特徴です。
一方、「親しい」は「彼女とは学生時代から親しい間柄だ」のように、交流が深く、気軽に付き合えるような関係性に使う言葉です。信頼関係があり、日常的な会話や感情の共有がしやすい相手に向けて使われる傾向があります。
つまり、関係の自然な近さや絆を表すのが「近しい」、気軽さや交流の深さを表すのが「親しい」と覚えておきましょう。
「近しい」と「親しい」の英語表記の違い
「近しい」を英語にすると「close」「intimate」「closely connected」となり、例えば上記の「彼は私にとって近しい存在です」を英語にすると「He is someone very close to me」となります。
一方、「親しい」を英語にすると「friendly」「familiar」「close friend」となり、例えば上記の「私たちは昔から親しい友人です」を英語にすると「We’ve been close friends for a long time」となります。
「近しい」の意味
「近しい」とは
「近しい」とは、人と人とが心理的に近い関係にあることを意味しています。
「近しい」の使い方
「近しい」を使った分かりやすい例としては、「彼とは昔から近しい関係にあります」「近しい親族が集まって話し合いをしました」「上司とは近しい距離感を保っています」「あの人は近しい存在だったからこそ裏切りがつらいです」などがあります。
「近しい」は人との距離感や関係の深さを表す際によく使われる言葉です。簡単に言うならば、精神的にも物理的にも距離が近いことや心を許せる関係といったニュアンスが含まれています。
例えば、長年の友人や家族、日常的に連絡を取り合っている仲間などが「近しい人」に当てはまります。また、職場や学校などで信頼関係が築かれている間柄にも使われることがあります。
「近しい」の特徴
「近しい」という言葉には、心理的な距離の近さだけでなく、血縁関係や社会的な立場の近さも含まれるというのが特徴です。また、「近しい存在だった人が亡くなりました」というように、個人的に強い影響を受けた相手に対しても使われます。
「近しい」の類語
「近しい」の類語・類義語としては、自分と深い関係にあることを意味する「身近」などがあります。
「親しい」の意味
「親しい」とは
「親しい」とは、互いに打ちとけて仲が良いことを意味しています。
表現方法は「親しい関係」「親しい友人」「親しくしている人」
「親しい関係」「親しい友人」「親しくしている人」などが、「親しい」を使った一般的な言い回しになります。
「親しい」の使い方
「親しい」を使った分かりやすい例としては、「彼女とはとても親しい間柄です」「親しい友人と週末に食事をしました」「彼は誰とでもすぐ親しくなれる性格です」「親しい仲にも礼儀は必要だと思います」「親しい間柄だからこそ遠慮なく話せます」などがあります。
「親しい」は人との関係が深く、心の距離が近い状態を表す言葉です。簡単に言うならば、お互いに信頼し合い、遠慮なく接することができるような間柄を指します。
「親しい」という言葉は、単に顔見知りであるとか、よく会うということだけではなく、心を許せる関係かどうかや信頼できる関係かどうかが大きなポイントになります。例えば「親しい友人」と言えば、悩みを打ち明けられるような関係性をイメージすることが多いです。
「親しい」の特徴
「親しい」関係は、時間をかけて築かれることが多く、互いの信頼や理解が土台となっています。そのため、一度築かれると長く続くことが多く、また一度こじれると心に深い影響を与えるというのが特徴です。
「親しい」の類語
「親しい」の類語・類義語としては、親しく交際していることを意味する「懇意」などがあります。
「近しい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、人と人とが心理的に近い関係にあることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「近しい」は関係の自然な近さや絆を表す言葉です。
「親しい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、互いに打ちとけて仲が良いことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「親しい」は気軽さや交流の深さを表す言葉です。
「近しい」と「親しい」はどちらも人間関係における距離が近いことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、関係の自然な近さや絆を表すのが「近しい」、気軽さや交流の深さを表すのが「親しい」と覚えておきましょう。