似た意味を持つ「お決まり」(読み方:おきまり)と「定番」(読み方:ていばん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「お決まり」と「定番」という言葉は、どちらもいつものというニュアンスを持つ言葉のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「お決まり」と「定番」の違い
「お決まり」と「定番」の意味の違い
「お決まり」と「定番」の違いを分かりやすく言うと、「お決まり」はマイナスのイメージで使うこともある、「定番」はプラスのイメージでしか使わないという違いです。
「お決まり」と「定番」の使い方の違い
一つ目の「お決まり」を使った分かりやすい例としては、「試合後にはお決まりの記念撮影が行われた」「トラブルが起きるとお決まりの言い訳をする」「誕生日にはお決まりのケーキを買って帰る」「それはお決まりの展開だ」などがあります。
二つ目の「定番」を使った分かりやすい例としては、「定番の観光地を巡るだけで一日が終わった」「冬は鍋料理が食卓の定番となっている」「運動会といえばリレーが定番の種目です」「就活スーツは黒が定番とされている」「白Tは夏の定番だ」などがあります。
「お決まり」と「定番」の使い分け方
「お決まり」と「定番」はどちらもいつものというニュアンスを持つ言葉のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「お決まり」は予想通り、型どおり、紋切り型という含みがあり、やや皮肉やマンネリ感を帯びることがあります。そのため、ややマイナスのイメージで使うこともある言葉です。
「定番」は長く支持される標準、王道、外さない選択という前向きな評価が中心で、商品、メニュー、ファッションなどの定番アイテムに使うのが一般的です。
つまり、マイナスのイメージで使うこともあるのが「お決まり」、プラスのイメージでしか使わないのが「定番」と覚えておきましょう。
「お決まり」と「定番」の英語表記の違い
「お決まり」を英語にすると「the usual」「the same as always」「formulaic」となり、例えば上記の「それはお決まりの展開だ」を英語にすると「That’s the usual turn of events」となります。
一方、「定番」を英語にすると「classic」「standard」「staple」となり、例えば上記の「白Tは夏の定番だ」を英語にすると「A white T-shirt is a summer staple」となります。
「お決まり」の意味
「お決まり」とは
「お決まり」とは、前もってそう定まっていることを意味しています。
表現方法は「お決まりのパターン」「お決まりのフレーズ」「お決まりの展開」
「お決まりのパターン」「お決まりのフレーズ」「お決まりの展開」などが、「お決まり」を使った一般的な言い回しになります。
「お決まり」の使い方
「お決まり」を使った分かりやすい例としては、「このドラマはお決まりの恋愛パターンに展開している」「その店の接客はお決まりのマニュアル通りだ」「新入社員研修はお決まりの安全教育から始まった」「彼はお決まりの冗談で場を和ませた」などがあります。
「お決まり」はある状況や場面でいつも決まって繰り返される型どおりのことを表します。簡単に言うならば、マンネリ化していたり、変化がなくて予想どおりの展開や行動を指す言葉です。
そのため、「お決まり」は物事が新鮮さを欠き、型どおりで面白みに欠けることを表す場合によく使われています。
例えば、謝罪会見で「ご迷惑をおかけしました」という言葉だけが並ぶと「またお決まりのセリフだ」と批判されることがあります。このように「お決まり」は、形骸化した言動や予想通りすぎる流れを批判的に表現するときに用いられるのです。
「お決まり」の特徴
したがって、「お決まり」はマイナスのイメージで使うこともあるというのが特徴になります。
「お決まり」の類語
「お決まり」の類語・類義語としては、同じように型どおりで新鮮さがない様子を表す「マンネリ」があります。
「定番」の意味
「定番」とは
「定番」とは、多くの人に知られ支持されている事柄のことを意味しています。
表現方法は「定番になる」「定番商品」
「定番になる」「定番商品」などが、「定番」を使った一般的な言い回しになります。
「定番」の使い方
「定番」を使った分かりやすい例としては、「花見の定番はやっぱりおにぎりだ」「誕生日ケーキは苺のショートが定番です」「夏祭りの定番は焼きそばとたこ焼きと言えるだろう」「この歌は結婚式の定番ソングとして有名です」などがあります。
「定番」は長い間多くの人に選ばれたり支持されてきた結果、ある分野においてこれが基本だったり、これが外せないとされる存在やスタイルを表す言葉です。簡単に言うならば、多くの人にとって安心感のある選択肢や王道の選択を意味します。
例えば、夏といえば「定番のかき氷」やクリスマスには「定番のチキンとケーキ」、またはファッションで「定番の白シャツやジーンズ」などがあります。これらは特別に新しいものではありませんが、時代や世代を超えて多くの人に受け入れられ続けているものです。
「定番」の特徴
「定番」は安定感や安心感を求めるときに選ばれる存在として使う言葉になります。そのため、基本的にプラスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。
「定番」の類語
「定番」の類語・類義語としては、正統な方法や状態のことを意味する「王道」があります。
「お決まり」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、前もってそう定まっていることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「お決まり」はマイナスのイメージで使うこともある言葉です。
「定番」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、多くの人に知られ支持されている事柄のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「定番」はプラスのイメージでしか使わない言葉です。
「お決まり」と「定番」はどちらもいつものというニュアンスを持つ言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、マイナスのイメージで使うこともあるのが「お決まり」、プラスのイメージでしか使わないのが「定番」と覚えておきましょう。