【統一】と【統合】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「統一」(読み方:とういつ)と「統合」(読み方:とうごう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「統一」と「統合」という言葉は、どちらも「一つにまとめること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




統一と統合の違い

統一と総合の意味の違い

統一と統合の違いを分かりやすく言うと、統一とは個々の違いをなくして一つにすること、統合とは個々の違いを保ったまま一つにすることという違いです。

統一と総合の使い方の違い

一つ目の統一を使った分かりやすい例としては、「文章中の文字の大きさを統一する」「統一感のあるインテリアにしたい」「扱いやすくするためにサイズを統一する」「学校校務支援システムを県全体で統一する」などがあります。

二つ目の統合を使った分かりやすい例としては、「ヨーロッパ統合の歴史的背景を説明してもらいました」「祖母は統合失調症の薬を飲んでいます」「統合報告書は自社ホームページで公開しています」などがあります。

統一と総合の使い分け方

統一と統合という言葉は、どちらも複数のものを一つにまとめることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

統一とは、一つにまとめて組織化または系統化することを意味します。それぞれを一つの価値観や基準に従わせ、個々の違いを認めないというニュアンスがある言葉です。「統一感のあるインテリア」とは、ある空間の家具やファブリックを同じ色で揃えたり、レイアウトにまとまりを持たせることです。

統合とは、複数の要素を、まとまりをもった一つに形成することを意味します。それぞれの違いを保持したまま、一つの塊にするようなニュアンスがある言葉です。「統合報告書」とは、企業の売上や資産などの財務情報に加え、知的財産などの非財務情報をまとめた書類です。

つまり、統一とは個々の違いをなくして一つにまとめることを表し、統合とは個々の違いを保持して一つにまとめることを表現する言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

統一と総合の英語表記の違い

統一を英語にすると「unity」「unification」「standardization」となり、例えば上記の「文字の大きさを統一する」を英語にすると「unify the size of the characters」となります。

一方、統合を英語にすると「integration」「unification」となり、例えば上記の「ヨーロッパ統合」を英語にすると「European integration」となります。

統一の意味

統一とは

統一とは、一つにまとめること、一つにまとめて組織化や系統化すること、また、そのまとまりを意味しています。

統一の使い方

統一を使った分かりやすい例としては、「次回の統一地方選挙はいつですか」「コンテストは統一基準で審査すべきです」「英語のフォントを統一してください」「旧統一教会に解散命令が下されました」などがあります。

その他にも、「デザインに統一性を持たせる」「ヨーロッパ間で法律の統一化が進んでいます」「やり方を統一するためにマニュアルを作成する」「日本医師会はワクチンに関する統一見解を発表しました」などがあります。

統一の読み方

統一の読み方は「とういつ」です。誤って「とういち」「とうひと」などと読まないようにしましょう。

統一の「統」は訓読みで「すべる」と読み、一すじに続くものや一つにまとめることを表します。他をまじえず一つだけを表す「一」と組み合わさり、統一とは、一つのものにまとめること、一つにすべ合わせて支配することを意味します。

表現方法は「統一地方選挙」

統一を用いた日本語には「統一地方選挙」があります。統一地方選挙とは、地方公共団体における選挙日程を全国的に統一して実施される選挙のことです。選挙を円滑に効率的に行うことを目的に、1947年から4年ごとに行われています。

統一の対義語

統一の対義語・反対語としては、いくつかに分けることを意味する「分割」などがあります。

統一の類語

統一の類語・類義語としては、多くの物事を一つにまとめることを意味する「一括」、物事を整理して一つにまとめることを意味する「集約」、ばらばらになっているものを一つにまとめることを意味する「一本化」などがあります。

統合の意味

総合とは

統合とは、二つ以上のものを合わせて一つにすることを意味しています。

総合の使い方

統合を使った分かりやすい例としては、「二つの小学校の統合に向け協議しています」「統合版マインクラフトにハマっています」「統合作戦司令部の組織図を確認する」「統合幕僚長が防衛大臣から訓戒処分を受けました」などがあります。

その他にも、「統合失調症の症状や原因をネットで調べる」「統合幕僚長は自衛隊のトップです」「経営統合する方向で調整を進めています」「三社は汎用樹脂事業の統合で基本合意しました」などがあります。

総合の読み方

統合の読み方は「とうごう」です。同じ読み方をする熟語に「投合」や「等号」がありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。

統合とは、いくつかの要素が相互に結合し、単一の全体性を獲得することを意味します。統合の「合」は訓読みで「あう」「あわせる」と読み、二つ以上のものが一緒になること、規格や条件などに一致することを表す漢字です。

表現方法は「統合幕僚監部」

統合を用いた日本語には「統合幕僚監部」(読み方:とうごうばくりょうかんぶ)があります。統合幕僚監部とは、防衛省の特別機関であり、自衛隊を一元的に統合運用するために、自衛隊創隊以来の抜本的な組織改革によって設置された機関です。

総合の対義語

統合の対義語・反対語としては、分けて離すことを意味する「分離」などがあります。

総合の類語

統合の類語・類義語としては、個々別々のものを一つに合わせてまとめることを意味する「総合」、全体をとりまとめて締めくくることを意味する「総括」、ばらばらのものを一つにまとめることを意味する「統括」などがあります。

統一の例文

1.私が好きな戦国武将は、農民から成りあがって天下統一を果たした豊臣秀吉です。
2.中華統一を成し遂げた秦の歴史を、順を追って徹底的に解説しましょう。
3.統一地方選挙に関するアンケートをみると、若年層の関心が高まっていることがわかります。
4.職場に協調性や統一性がないのは、コミュニケーション不足が原因かもしれません。
5.長い目でみれば、人類の言語を英語に統一した方がよいのではないだろうか。

この言葉がよく使われる場面としては、 一つのものにまとめること、一つの組織・系統のもとに整えることを表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「統一性」とは、統制が取れており乱れのないさまを表します。肯定文よりも否定文で用いられやすい言葉です。

統合の例文

1.聞くこと、読むこと、話すこと、書くことの4つの技能を統合的に育む英語の授業を行っています。
2.学校を統合するには、通学体制や学校運営など様々な検討事項があります。
3.スピリチュアルの世界において、統合は魂の成長における重要な転換点です。
4.会社の経営統合には、メリットだけでなくデメリットもあります。
5.経営資源の集中とシナジー効果の創出を目的に、事業統合を決めました。

この言葉がよく使われる場面としては、二つ以上のものを合併して一つにまとめおさめることを表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「経営統合」とは、複数の企業がそれぞれの株式を特定の一社に集約し、意思決定機能を一本化する仕組みを意味します。

統一と統合という言葉は、どちらも「一つにまとめること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、個々の違いをなくして一つにまとめることを表現したい時は「統一」を、個々の違いを保ったまま一つにまとめることを表現したい時は「統合」を使うようにしましょう。

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