似た意味を持つ「どこ」と「いずこ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「どこ」と「いずこ」という言葉は、どちらも場所や所在を尋ねることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「どこ」と「いずこ」の違い
「どこ」と「いずこ」の違いを分かりやすく言うと、「どこ」は日常的に使う言葉、「いずこ」は文学的に使う言葉という違いです。
一つ目の「どこ」を使った分かりやすい例としては、「財布をどこに置いたのか思い出せない」「どこのレストランに行きたいですか」「この道はどこに通じているのだろう」などがあります。
二つ目の「いずこ」を使った分かりやすい例としては、「いずこに我が故郷はあるのだろうか」「英雄はいずこに眠るのか」「彼の行方はいずこに隠されたのだろう」などがあります。
「どこ」と「いずこ」はどちらも場所や所在を尋ねることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「どこ」は日常会話で広く使われる一般的な言葉で、現代日本語における標準的な疑問表現です。場所を尋ねるほか、「どこの会社」「どこの国」のように所属や出身を問う場合にもよく使われます。
一方、「いずこ」は古風で文語的な表現であり、日常会話ではほとんど使われません。詩的・文学的な場面や歴史的文章、歌詞などで「どこ」を格調高く言い換える場合に使われます。そのため、荘重さや余韻を伴う表現となります。
つまり、日常的に使うのが「どこ」、文学的に使うのが「いずこ」と覚えておきましょう。
「どこ」を英語にすると「where」となり、例えば「財布をどこに置いたのか思い出せない」を英語にすると「I can’t remember where I put my wallet」となります。
一方、「いずこ」を英語にすると同じく「where」ですが、文語的な響きを意識する場合は「whither」や「wheresoever」など古風な言葉を使うことがあります。例えば「英雄はいずこに眠るのか」を英語にすると「Whither does the hero rest」と表現できます。
「どこ」の意味
「どこ」とは、はっきりと指示できない場所や状況などを指すことを意味しています。
「どこ」を使った分かりやすい例としては、「どこで待ち合わせしましょうか」「あなたはどこに住んでいますか」「彼がどこの大学を卒業したのか知りたい」「この料理はどこの国のものですか」「どこにも解決策が見つからない」「どこへ行っても彼の評判を耳にする」などがあります。
「どこ」は疑問を表す指示疑問詞であり、話し手が特定の場所や範囲を知らない、または相手に確認したい時に用います。意味の幅は広く、単に「場所」を尋ねる場合だけでなく、出身・所属・範囲などを問う場合にも使われます。
「どこ」をより丁寧に言いたい場合は「どちら」を使うとよいでしょう。例えばビジネスシーンでは、「ご出身はどちらですか」とする方が自然で、丁寧な響きを持ちます。
また、「どこ」は日常的によく使われている言葉というのが特徴です。
「どこ」の類語・類義語としては、丁寧に場所を尋ねる「どちら」、範囲や方面を尋ねる「どっち」、どのあたりかを漠然と聞く「どの辺」などがあります。
「いずこ」の意味
「いずこ」とは、はっきりと指示できない場所や状況などを指すことを意味しています。
「いずこ」を使った分かりやすい例としては、「彼はいずこへ消えたのか、誰も行方を知らなかった」「いずこの国から来たのか、その衣装は珍しい」「恩師はいずこにおられるのかと懐かしく思い出す」などがあります。
「いずこ」とは、「どこ」「どの場所」という意味を持つ言葉です。疑問や不明な対象を表す際に使われ、場所を尋ねたり、漠然と「ある場所」を指す場合に用いられます。現代では日常会話よりも、文語的・文学的な響きを持つ言葉として使用されることが多いです。
例えば、「彼はいずこにいるのだろう」と言うと、単に「どこにいるのか」という意味ですが、やや格調高く、詩的な表現となります。
「いずこ」は口語ではあまり使われないため、日常的に多用すると不自然に感じられることがあります。代わりに日常会話では「どこ」を使うのが自然です。
一方で、文学的表現、詩、歌詞、歴史的な文章、スピーチや格式ばった場面では「いずこ」を使うことで、格調高さや余韻を持たせることができます。
「いずこ」は「いづ」に「こ」がついた形で、「どの場所」という意味を持ちます。古語の表現が現代まで残った言葉であり、古典文学や和歌にもたびたび登場します。
「いずこ」は疑問を表すと同時に、場所を特定できないもどかしさや余情を漂わせる表現です。そのため、単に質問をするだけでなく、叙情的な文章や場面描写などで用いられることが多いです。
「いずこ」の類語・類義語としては、同じ意味を持ちながら現代的に使いやすい「どこ」、やや古風な表現である「いづち」、格調高い響きを持つ「いずく」などがあります。
「どこ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、はっきりと指示できない場所や状況などを指すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「どこ」は日常的に使う言葉です。
「いずこ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、はっきりと指示できない場所や状況などを指すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「いずこ」は文学的に使う言葉です。
「どこ」と「いずこ」はどちらも場所や所在を尋ねることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、日常的に使うのが「どこ」、文学的に使うのが「いずこ」と覚えておきましょう。