似た意味を持つ「人里離れた」(読み方:ひとざとはなれた)と「僻地」(読み方:へきち)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「人里離れた」と「僻地」という言葉は、どちらも人が少なく都市から遠い場所のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「人里離れた」と「僻地」の違い
「人里離れた」と「僻地」の意味の違い
「人里離れた」と「僻地」の違いを分かりやすく言うと、「人里離れた」は自然の中にある静かな場所を表すこと、「僻地」は交通の便が悪く生活が不便な遠隔地を表すことという違いです。
「人里離れた」と「僻地」の使い方の違い
一つ目の「人里離れた」を使った分かりやすい例としては、「人里離れた山奥の温泉宿で静かに過ごしたい」「人里離れた森の中に小さな教会が建っている」「人里離れた場所で動物たちと共に暮らすのが夢です」などがあります。
二つ目の「僻地」を使った分かりやすい例としては、「僻地での医療活動に従事する医師を支援する制度があります」「僻地の学校では教師の確保が大きな課題となっています」「彼は僻地勤務を希望し、離島の診療所に赴任しました」などがあります。
「人里離れた」と「僻地」の使い分け方
「人里離れた」と「僻地」はどちらも人が少なく都市から遠い場所のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「人里離れた」は、人の住む地域から離れているという意味で、人の気配が少ない静かな場所や、自然豊かな環境を指すときに使います。そのため、「人里離れた山中の寺」「人里離れた湖畔」など、どちらかといえば情緒的・文学的な表現として使われることが多い言葉です。
一方、「僻地」は「交通や生活が不便な遠隔地」という意味で、行政・医療・教育などの社会的文脈で使われることが多い言葉です。「僻地医療」「僻地勤務」「僻地校」など、制度や職務上の表現によく見られます。
つまり、自然の中にある静かな場所を表すのが「人里離れた」、交通の便が悪く生活が不便な遠隔地を表すのが「僻地」と覚えておきましょう。
「人里離れた」と「僻地」の英語表記の違い
「人里離れた」を英語にすると「remote」「secluded」などとなり、例えば「人里離れた山奥の温泉宿で静かに過ごしたい」を英語にすると、「I want to spend some quiet time at a secluded hot spring deep in the mountains」となります。
一方、「僻地」を英語にすると「remote area」「isolated region」などとなり、例えば「僻地での医療活動に従事する医師を支援する制度があります」を英語にすると、「There is a program to support doctors who work in remote areas」となります。
「人里離れた」の意味
「人里離れた」とは
「人里離れた」とは、人の集落から隔たったところにあることを意味しています。
表現方法は「人里離れた山」「人里離れた森」「人里離れた湖」
「人里離れた山」「人里離れた森」「人里離れた湖」「人里離れた村」などが、「人里離れた」を使った一般的な言い回しになります。
「人里離れた」の使い方
「人里離れた」を使った分かりやすい例としては、「人里離れた山奥に古い神社がある」「人里離れた場所で静かに暮らしたい」「人里離れた森の中でキャンプを楽しんだ」などがあります。
「人里離れた」は、人が住んでいる地域から遠く離れた場所を意味する言葉です。人の気配や生活の音が感じられないような静かな場所や、自然に囲まれた環境を表すときに使われます。
「人里離れた」の特徴
「人里離れた」は、主に自然・静寂・孤独といったイメージを持つ言葉で、使い方によってプラスにもマイナスにもなります。
プラスのイメージでは、静かで落ち着いている、俗世から離れて心が癒されるというニュアンスになります。一方、マイナスのイメージでは、交通の便が悪い、寂しい、危険が多いといった意味合いで使われます。
そのため、「人里離れた」を使う際は、文脈によって「静寂で魅力的な場所」なのか「不便で寂しい場所」なのかを判断することが大切です。
「人里離れた」の類語
「人里離れた」の類語・類義語としては、人の手がほとんど加えられていない自然の中を意味する「奥地」、また人がいない静かな場所を意味する「閑静な」などがあります。
「僻地」の意味
「僻地」とは
「僻地」とは、都会から遠く離れた地のことを意味しています。
表現方法は「僻地の学校」「僻地の病院」「僻地の村」
「僻地の学校」「僻地の病院」「僻地の村」「僻地の診療所」などが、「僻地」を使った一般的な言い回しになります。
「僻地」の使い方
「僻地」を使った分かりやすい例としては、「彼は医師として僻地の診療所で働いている」「交通が不便な僻地に新しい道路が開通した」「僻地に暮らす人々の生活を支えるための支援が行われている」などがあります。
「僻地」は、都会から遠く離れた、不便で人が少ない地域を意味する名詞です。一般的に、生活の利便性が低く、交通・医療・教育などの面で都市部に比べて不自由な場所を指します。
「僻地」の特徴
「僻地」は主に公的・社会的な文脈で使われることが多く、日常会話よりも報道・行政・教育・医療などの分野で使われるのが特徴です。
また、「僻地」は基本的にマイナスのイメージで使われることが多く、「不便」「過疎」「交通の便が悪い」といった印象を与えますが、文脈によっては「自然が豊か」「人の温かさを感じる」といったポジティブな意味合いを持つこともあります。
「僻地」の類語
「僻地」の類語・類義語としては、中心地から遠いことを意味する「辺鄙な」、また人がほとんどいない地域を意味する「過疎地」などがあります。
「人里離れた」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、人の集落から隔たったところにあることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「人里離れた」は自然の中にある静かな場所を表す時に使う言葉です。
「僻地」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、都会から遠く離れた地のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「僻地」は交通の便が悪く生活が不便な遠隔地を表す時に使う言葉です。
「人里離れた」と「僻地」はどちらも人が少なく都市から遠い場所のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、自然の中にある静かな場所を表すのが「人里離れた」、交通の便が悪く生活が不便な遠隔地を表すのが「僻地」と覚えておきましょう。