【ふんぞり返る】と【偉ぶる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ふんぞり返る」(読み方:ふんぞりかえる)と「偉ぶる」(読み方:えらぶる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ふんぞり返る」と「偉ぶる」という言葉は、どちらも他者に対して傲慢で高圧的な態度をとることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「ふんぞり返る」と「偉ぶる」の違い

「ふんぞり返る」と「偉ぶる」の違いを分かりやすく言うと、「ふんぞり返る」は身体の構えや見え方が威張っている状態を表すこと、「偉ぶる」は中身以上に偉そうに振る舞うこと全般を表すことという違いです。

一つ目の「ふんぞり返る」を使った分かりやすい例としては、「注意されても彼は椅子にふんぞり返ったままだった」「会議中に彼がふんぞり返って発言する様子に皆が驚いた」「彼女は説得されてもふんぞり返って話を聞こうとしなかった」などがあります。

二つ目の「偉ぶる」を使った分かりやすい例としては、「少し仕事ができるからといって偉ぶるのはよくない」「後輩の前でやたらと偉ぶる先輩の態度が気になっている」「立場が変わった途端に偉ぶるようになった彼を見て距離を置いた」などがあります。

「ふんぞり返る」と「偉ぶる」はどちらも他者に対して傲慢で高圧的な態度をとることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「ふんぞり返る」は「椅子にふんぞり返って偉そうに話していた」のように、姿勢や態度そのものが大きく反り返り、威張ったように見える状態を表す言葉になります。主に身体的な振る舞いに焦点があります。

一方、「偉ぶる」は「役職が上がった途端に偉ぶるようになった」のように、自分を実際以上に偉く見せようとして振る舞う態度を表す言葉です。こちらは言動や振る舞い全般の態度の傲慢さに焦点があります。

つまり、身体の構えや見え方が威張っている状態を表すのが「ふんぞり返る」、中身以上に偉そうに振る舞うこと全般を表すのが「偉ぶる」と覚えておきましょう。

「ふんぞり返る」を英語にすると「lean back arrogantly」「sit back in a conceited way」などとなり、例えば「注意されても彼は椅子にふんぞり返っていた」を英語にすると「Even when reprimanded, he kept leaning back arrogantly in his chair」となります。

一方、「偉ぶる」を英語にすると「act high and mighty」「put on airs」などとなり、例えば「少し成果を出しただけで彼は偉ぶるようになった」を英語にすると「He started acting high and mighty just because he achieved a small success」となります。

「ふんぞり返る」の意味

「ふんぞり返る」とは、尊大な態度をとることを意味しています。

「ふんぞり返る」「ふんぞり返った態度を取る」などが、「ふんぞり返る」を使った一般的な言い回しになります。

「ふんぞり返る」を使った分かりやすい例としては、「少し成果を出しただけなのに彼はすぐにふんぞり返ってしまった」「上司がふんぞり返って命令ばかりするので部下は相談しづらい雰囲気になっている」「成功した途端に彼がふんぞり返るようになり周囲の評価が下がり始めた」などがあります。

「ふんぞり返る」は、姿勢そのものを表すだけでなく、傲慢さや尊大さなど、内面の態度が外側の動作に表れた状態の場合に使う言葉です。

「ふんぞり返る」を簡単に言うならば、優越感や慢心から、相手よりも自分が上だと言わんばかりの態度を示す状態を指しています。例えば、少し褒められただけで急に偉そうな口ぶりになり、体を反らせてふんぞり返るような姿勢を見せれば、その人は「ふんぞり返っている」といえます。

そのため、「ふんぞり返る」は人間関係や態度・振る舞いに関する文脈でよく使われ、多くの場合、マイナスなイメージを持つというのが特徴です。

「ふんぞり返る」の類語・類義語としては、威張って偉そうにすることを意味する「尊大な態度を取る」、他人を見下したように振る舞う「横柄に構える」、自信過剰な様子を示す「でかい顔をする」「気取る」などがあります。

「偉ぶる」の意味

「偉ぶる」とは、偉そうに振る舞うことを意味しています。

「偉ぶる」「偉ぶった態度を取る」「偉ぶって話す」などが、「偉ぶる」を使った一般的な言い回しになります。

「偉ぶる」を使った分かりやすい例としては、「少し仕事ができるからといって彼が偉ぶるようになり、周囲の反感を買っている」「特別な役職ではないのに偉ぶった言い方をするので、後輩が距離を置き始めている」などがあります。

「偉ぶる」は、本来の立場や力以上に自分を大きく見せようとしたり、必要以上に尊大な振る舞いをしたりする状態の場合に使う言葉です。

「偉ぶる」を簡単に言うならば、自分を過大評価し、相手よりも優位であるかのように振る舞う態度を指しています。例えば、少し知識があるだけなのに専門家のように語り、周囲に上から目線で指示をするような場合、その人は「偉ぶっている」といえます。

そのため、「偉ぶる」は人間関係・態度・言動に関する文脈で使われることが多く、多くの場合、他者に不快感や距離を生むマイナスなイメージを伴うというのが特徴です。

「偉ぶる」の類語・類義語としては、必要以上に威張った様子を示す「威張る」、他人を見下すような態度を示す「横柄な態度を取る」、実力以上に大きく見せる「大物ぶる」「気取る」などがあります。

「ふんぞり返る」の例文

1.彼は会議で自分の意見が通った途端、椅子にもたれてふんぞり返り、周囲の反応など気にも留めない様子を見せます。
2.成績が上がったことを褒められた彼は、急にふんぞり返って威張り始め、控えめだった頃が嘘のように感じます。
3.仕事の成果を自慢した上司が、皆の前でふんぞり返る姿を見て、部下たちは少し距離を置きたくなる気持ちになります。
4.新人に注意された彼は気分を害したのか、腕を組んでふんぞり返り、自分の非を認めようとしない態度を示します。
5.ちょっとした成功をきっかけにふんぞり返る彼を見ると、継続的な努力よりも見栄を張ることを優先しているように思えます。

この言葉がよく使われる場面としては、尊大な態度をとることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「ふんぞり返る」は身体の構えや見え方が威張っている状態を表す時に使う言葉です。

「偉ぶる」の例文

1.彼は少し業務を知っただけで急に偉ぶり始め、周囲に指示ばかり出す態度が、かえって反発を招いてしまいます。
2.知識があると勘違いして偉ぶる彼に対し、同僚は助言する気を失い、職場の空気が徐々にぎこちなくなります。
3.経験が浅いのに偉ぶって指図する姿を見て、周囲は戸惑いながらも、どう対応すべきか慎重に考えます。
4.一度褒められたことを過大に受け取り、彼が急に偉ぶるようになったため、メンバーは本音を話しづらくなります。
5.人前で偉ぶる彼の態度を見ていると、実力よりも見栄で振る舞っているように感じ、信頼を寄せるのが難しくなります。

この言葉がよく使われる場面としては、偉そうに振る舞うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「偉ぶる」は中身以上に偉そうに振る舞うこと全般を表す時に使う言葉です。

「ふんぞり返る」と「偉ぶる」はどちらも他者に対して傲慢で高圧的な態度をとることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、身体の構えや見え方が威張っている状態を表すのが「ふんぞり返る」、中身以上に偉そうに振る舞うこと全般を表すのが「偉ぶる」と覚えておきましょう。

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