似た意味を持つ「厳密」(読み方:げんみつ)と「綿密」(読み方:めんみつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「厳密」と「綿密」という言葉は、どちらも「詳しくて細かいさま」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
厳密と綿密の違い
厳密と綿密の意味の違い
厳密と綿密の違いを分かりやすく言うと、厳密とは細かくて正確なさま、綿密とは細かくて入念なさまという違いです。
厳密と綿密の使い方の違い
一つ目の厳密を使った分かりやすい例としては、「厳密に言えばスイカは果物ではありません」「ふるさと納税の限度額を厳密に計算する」「社内で厳密な管理ルールを定めています」「自分の中で厳密なマイルールを持っています」などがあります。
二つ目の綿密を使った分かりやすい例としては、「数カ月かけて練られた綿密な計画を実行する」「作業を円滑に進めるために打ち合わせを綿密に行う」「関係者間の綿密なコミュニケーションは欠かせません」などがあります。
厳密と綿密の使い分け方
厳密と綿密という言葉は、どちらも物事の詳しくて細かいさまを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
厳密とは、誤りのないように、細かいところまですきがなく正確なさまを意味します。基準やルールに対して使われることが多い言葉であり、「厳密なマイルール」とは、自分自身に対して厳格に適用する個人的な決まりごとを表現します。
綿密とは、詳細にすみずみまで注意が行き届き、入念であるさまを意味します。計画や準備などの行動や過程に対して使われることが多い言葉であり、「綿密なコミュニケーション」とは、細部にまで気を配りながら情報を共有し合う様子を表現します。
つまり、厳密とは詳細で正確なさまを表し、綿密とは詳細で入念なさまを示します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
厳密と綿密の英語表記の違い
厳密を英語にすると「strict」「exact」「rigorous」となり、例えば上記の「厳密に言えば」を英語にすると「strictly speaking」となります。
一方、綿密を英語にすると「elaborate」「detailed」「thorough」となり、例えば上記の「綿密な計画」を英語にすると「a detailed plan」となります。
厳密の意味
厳密とは
厳密とは、誤りや手落ちのないように、細かいところまで厳しく目を行き届かせていて、すきがないさまを意味しています。
厳密の使い方
厳密を使った分かりやすい例としては、「不正に対する処分を厳密にする」「厳密に数値化するのはかなり難しい」「厳密解法と近似解法について説明します」「個人情報について厳密なセキュリティ対策を講じる」などがあります。
その他にも、「厳密網平均計算ソフトをダウンロードする」「厳密な微分演算を実装することは困難です」「英語は文法や語彙が厳密に定義されています」「厳密に言うとお酒なら何でも好きなわけではありません」などがあります。
厳密の「厳」は訓読みで「きびしい」と読み、いい加減な対処が許されないさまを表し、「密」は細かく行き届いていることを表す漢字です。厳密とは、細かい点まで見落とさず、いい加減な扱いをしないさまを意味します。
表現方法は「厳密網平均計算」
上記例文にある「厳密網平均計算」とは、測量で観測された距離や角度の誤差を、最小二乗法という統計的手法を用いて精密に補正し、誤差が最小となる基準点や新点の座標を決定する計算方法のことです。この計算により、高精度な地図作成や境界測量が可能になります。
厳密の対義語
厳密の対義語・反対語としては、誤りが多くていい加減なことを意味する「杜撰」(読み方:ずさん)などがあります。
厳密の類語
厳密の類語・類義語としては、よく行き届いてもれがないことを意味する「詳密」、規準を厳格に守って公正に行うことを意味する「厳正」、不正やごまかしを少しも許さないというような厳しい様子を意味する「厳格」などがあります。
綿密の意味
綿密とは
綿密とは、詳しく細かいこと、すみずみまで注意が行き届いていることを意味しています。
綿密の使い方
綿密を使った分かりやすい例としては、「プランニングを綿密に行う」「綿密な取材と分析で真相に迫る」「一人暮らしをしている親と綿密に連絡を取る」「綿密に連携を取りながら作業を進めています」などがあります。
その他にも、「綿密な打ち合わせが成功の鍵です」「綿密なプログラムを作り込む」「分単位で綿密に計画を立てる」「あえて綿密な計画は立てていません」「人々を守るために綿密な避難体制を整える」などがあります。
綿密の「綿」は、アオイ科ワタ属の多年草から取れる植物繊維のことで、目が細かく小さいさまを表す漢字です。細かいことや詳しいことを表す「密」と組み合わさり、綿密とは、やり方が細かくて落ちのないこと、余すところなく注意が行き届いている様子を意味します。
表現方法は「綿密な打ち合わせ」
上記例文にある「綿密な打ち合わせ」とは、細部まで注意が行き届いていて、非常に詳しく入念に行われる打ち合わせのことです。単に話すだけでなく、漏れや間違いがないように確認しながら、時間をかけてじっくりと話し合う様子を表します。
綿密の対義語
綿密の対義語・反対語としては、細部にまで注意が届かず雑であるさまを意味する「大雑把」などがあります。
綿密の類語
綿密の類語・類義語としては、極めて細かい点にまで注意が行き届いているさまを意味する「精密」、きわめて細かい所まで行き届いていることを意味する「細密」、注意が行き届いていて手落ちのないことを意味する「緻密」などがあります。
厳密の例文
この言葉がよく使われる場面としては、厳重で細かいさまを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、厳密の慣用的な言い回し、慣用的な表現には「厳密さ」「厳密に行う」「厳密に言えば」などがあります。「厳密に言えば」とは、細かい点まで注意して、より正しく表現しようとするさまを意味します。
綿密の例文
この言葉がよく使われる場面としては、細かいところまで心を配るさまを表現したい時などが挙げられます。
例文3にある綿密と緻密の違いは、綿密は主に人の行動や思考に対して使われ、緻密は物事の構造や性質などに使われる傾向がある点です。
厳密と綿密という言葉は、どちらも「詳細なさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、誤りがなくて正確であることを表現したい時は「厳密」を、注意が行き届いているさまを表現したい時は「綿密」を使うようにしましょう。