同じ「とける」という読み方の「解ける」と「溶ける」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「解ける」と「溶ける」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「解ける」と「溶ける」の違い
「解ける」と「溶ける」の意味の違い
「解ける」と「溶ける」の違いを分かりやすく言うと、「解ける」とは結んであったものが自然と緩んだりすること、「溶ける」とは固体が熱や薬品などによって液状になることという違いです。
「紐が解ける」「謹慎が解ける」「緊張が解ける」は「解ける」
一つ目の「解ける」を使った分かりやすい例としては、「自然に氷が解ける」「ランニングをしていたら靴の紐が解ける」「1週間経過したので謹慎が解ける」「彼女の笑顔を見たら緊張が解けた」「難しい問題が解けるようになった」「私はついにその英語の問題が解けた」などがあります。
「アスファルトが溶ける」「アイスクリームが溶ける」は「溶ける」
二つ目の「溶ける」を使った分かりやすい例としては、「気温が上がって氷が溶ける」「猛暑が続いてるのでアスファルトが溶ける」「砂糖が水に溶ける」「雪が溶けるまでにはまだ時間がかかりそうだ」「あなたのアイスクリームが溶けている」などがあります。
「解ける」と「溶ける」の使い分け方
「解ける」と「溶ける」は同語源の言葉なのですが、基本的には意味が異なっているので、間違えないように注意しましょう。
「解ける」は結んであったものが自然と緩んだりすること、束縛から解放されて自由になること、不快に思う気持ちなどが消えてなくなること、分からなかった部分がはっきり分かることの意味で使います。
一方、「溶ける」は固体が熱や薬品などによって液状になることやある物質が液体の中に平均的に混ざって一体になることの意味で使います。
雪や氷が液状になる場合は「解ける」と「溶ける」両方使える
新聞用語として雪や氷が液状になる場合は「解ける」と「溶ける」どちらも使うことが可能です。
また、この場合の「解ける」と「溶ける」の使い分けとしては、同じ雪でもなくなることに重点を置いてるのであれば「解ける」の方を使い、水にすることに重点を置いているのであれば「溶ける」を使うと覚えておきましょう。
「解ける」と「溶ける」の英語表記の違い
「解ける」を英語にすると「come untied 」「get loose」「melt」「thaw」「be solved」となり、例えば上記の「私はついにその英語の問題が解けた」を英語にすると「I have finally solved the english problem」となります。
一方、「溶ける」を英語にすると「dissolve」「melt」となり、例えば上記の「あなたのアイスクリームが溶けている」を英語にすると「Your ice cream is melting」となります。
「解ける」の意味
「解ける」とは
「解ける」とは、結んであったものが自然と緩んだりすることを意味しています。その他にも、束縛から解放されて自由になること、不快に思う気持ちなどが消えてなくなること、分からなかった部分がはっきり分かることの意味も持っています。
表現方法は「問題が解ける」「雪が解ける」「一気に解ける」
「問題が解ける」「雪が解ける」「一気に解ける」「禁止が解ける」などが、「解ける」を使った一般的な言い回しになります。
「解ける」の使い方
「帯が解けるほど動き回った」「反省した様子が見られたので停職処分が解ける」などの文中で使われている「解ける」は、「結んであったものが自然と緩んだりすることや束縛から解放されて自由になること」の意味で使われています。
一方、「誤解だったことを知り怒りが解ける」「センター試験の問題を苦労することなく解けるようになりました」などの文中で使われている「解ける」は、「不快に思う気持ちなどが消えてなくなることや分からなかった部分がはっきり分かること」の意味で使われています。
「解ける」は複数の意味を持つ言葉ですが、どの意味でも使われています。意味によって使う場面が違うので正しく使い分けるようにしましょう。
「心が解ける」の意味
「解ける」を使った有名な言葉として、「心が解ける」があります。「心が解ける」とは、心が和らぐことや気持ちが解れることを意味しています。「心が解ける」を使った分かりやすい例としては、「彼女の心が解けるまでそっとしておく」があります。
「解ける」の類語
「解ける」の類語・類義語としては、緊張が取れて和らぐことを意味する「解れる」(読み方:ほぐれる)、緩くなることを意味する「緩まる」、ピンと張ったものが緩むことを意味する「弛む」(読み方:たるむ)などがあります。
「溶ける」の意味
「溶ける」とは
「溶ける」とは、固体が熱や薬品などによって液状になることを意味しています。その他にも、ある物質が液体の中に平均的に混ざって一体になることの意味も持っています。
表現方法は「雪が溶ける」「氷が溶ける」「溶けるもの」
「雪が溶ける」「氷が溶ける」「溶けるもの」などが「溶ける」を使った一般的な言い回しになります。
「溶ける」の使い方
「暑さでアイスが溶ける」「口の中で溶けるお菓子を食べた」などの文中で使われている「溶ける」は、「固体が熱や薬品などによって液状になること」の意味で使われています。
一方、「水には色々なものが溶ける」「油は水に溶けません」などの文中で使われている「溶ける」は、「ある物質が液体の中に平均的に混ざって一体になること」の意味で使われています。
「溶ける」は二つの意味を持つ言葉ですが、どちらの意味でも使われています。日常生活においてアイスやチョコレートなどが熱によって形を失った場合に、「アイスが溶けた」や「チョコレートが溶けた」などのように使うと覚えておればイメージしやすいでしょう。
「溶ける」は「鎔ける」「熔ける」に置き換え可能
「溶ける」という漢字は「鎔ける」や「熔ける」に置き換えて使うことも可能です。特に、金属が熱や薬品などによって液状になった場合は「鎔ける」や「熔ける」を使うと覚えておきましょう。
「溶ける」の類語
「溶ける」の類語・類義語としては、固体が加熱などにより液体になる現象のことを意味する「溶融」(読み方:ようゆう)、溶けることや溶かすことを意味する「融解」(読み方:ゆうかい)などがあります。
「解ける」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、結んであったものが自然と緩んだりすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、束縛から解放されて自由になること、不快に思う気持ちなどが消えてなくなること、分からなかった部分がはっきり分かることを表現したい時にも使います。
例文1は結んであったものが自然と緩んだりすることの意味で使っており、例文2は束縛から解放されて自由になることの意味で使っています。
また、例文3は不快に思う気持ちなどが消えてなくなることの意味で使っており、例文4と例文5は分からなかった部分がはっきり分かることの意味で使っています。
「溶ける」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、固体が熱や薬品などによって液状になることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ある物質が液体の中に平均的に混ざって一体になることを表現したい時にも使います。
例文1から例文4は固体が熱や薬品などによって液状になることの意味で使っており、例文5はある物質が液体の中に平均的に混ざって一体になることの意味で使っています。
「解ける」と「溶ける」という言葉は、どちらも「とける」と読みますが意味が異なっています。
どちらの言葉を使うか迷った場合は、結んであったものが自然と緩んだりすることを表現したい時は「解ける」を、固体が熱や薬品などによって液状になることを表現したい時は「溶ける」を使うと覚えておきましょう。