似た意味を持つ「会話」(読み方:かいわ)と「対話」(読み方:たいわ)と「談話」(読み方:だんわ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「会話」と「対話」と「談話」という言葉は、互いに思っていることを話すことという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
会話と対話と談話の違い
会話と対話と談話の意味の違い
会話と対話と談話の違いを分かりやすく言うと、会話は二人以上の相手と話すことを表現する時に使い、対話は二人で話すことを表現する時に使い、談話は大勢と語り合うことを表現する時に使うという違いです。
会話と対話と談話の使い方の違い
会話という言葉は、「相手との会話が続かず困ってしまう」「彼らと会話をするのは楽しいから好きだ」などの使い方で、複数の人が互いに話すことを意味します。
対話という言葉は、「対話術を身に付けるとビジネスシーンで非常に役に立つ」「対話を行う相手にとって理解がしやすい言葉遣いをする」などの使い方で、向かい合って話し合うことを意味します。
談話という言葉は、「この談話会は非常に有用な時間だったと思う」「首相と大統領による談話の様子は写真に収められた」などの使い方で、話しをすることを意味します。
会話と対話と談話の使い分け方
会話と談話は、二人以上の話し合いを指す言葉ですが、前者は話しをする相手とやり取りをすることを表しますが、後者は大勢の人が自由に語り合うことを表します。
そのため、「友人との会話」という表現は「友人との談話」に置き換えて使うことはできません。
また、会話という言葉は「英会話教室に通う」「会話の録音を行う」などのように話の内容を意味する場合にも使われる言葉です。
一方、対話は二人で話すことを意味するため、それ以上の人数は存在しません。
これらが、会話、対話、談話の明確な違いです。
会話の意味
会話とは
会話とは、複数の人が互いに話すことを意味しています。
表現方法は「会話を終わらせる」「会話が続かない」「会話が噛み合わない」
「会話を終わらせる」「会話が続かない」「会話が噛み合わない」などが、会話を使った一般的な言い回しです。
会話を使った言葉として、「会話型処理」「会話軸」があります。
「会話型処理」の意味
一つ目の「会話型処理」とは、コンピューターでシステム側が出すメッセージに利用者が応答する形で処理を進める方式を指す言葉です。
「会話軸」の意味
二つ目の「会話軸」とは、映画の撮影や漫画の表現などで、会話をする二人の人物を結ぶ仮想的な線を指す言葉です。
同じような距離で写すことによって、その二つ、もしくは二人の距離関係を示すようになり、向き合って会話をしている表現をすることなどができます。
会話の対義語
会話の対義語・反対語としては、独り言を言うことを意味する「独語」、登場人物が相手なしに台詞を言うことを意味する「独白」があります。
会話の類語
会話の類語・類義語としては、向かい合って話し合うことやある事柄について二人で話し合うことを意味する「対談」、気軽にとある事柄について意見を述べることを意味する「話談」などがあります。
対話の意味
対話とは
対話とは、向かい合って話し合うことを意味しています。
表現方法は「対話をする」「対話を重ねる」「対話を図る」
「対話をする」「対話を重ねる」「対話を図る」などが、対話を使った一般的な言い回しです。
対話を使った言葉として、「対話路線」「対話型アシスタント」があります。
「対話路線」の意味
一つ目の「対話路線」とは、戦争や暴力に訴えるのではなく、外交や交渉、話し合いによって物事を進めていこうとする方針を指す言葉です。
「対話型アシスタント」の意味
二つ目の「対話型アシスタント」とは、話し言葉によって問いかけや要求を行い、それに対して適切な回答や動作を行う機能を指す言葉で、音声アシスタントとも言います。今日では多くのスマートフォンや、タブレット型端末などに搭載されています。
アップル社のSiriや、グーグル社のGoogle Assistant、NTTドコモのしゃべってコンシェルなどがこの対話型アシスタントに当てはまります。
対話の対義語
対話の対義語・反対語としては、大勢の前で一人が話すことを意味する「独話」があります。
対話の類語
対話の類語・類義語としては、集まって相談することを意味する「協議」、利害関係が一致しない相手と問題を解決するために駆け引きをすることを意味する「折衝」、特定の問題について相手と話し合うことを意味する「交渉」などがあります。
談話の意味
談話とは
談話とは、話しをすることを意味しています。
表現方法は「談話する」「談話を発表する」「談話を交わす」
「談話する」「談話を発表する」「談話を交わす」などが、談話を使った一般的な言い回しです。
談話を使った言葉として、「炉辺談話」「談話体」があります。
「炉辺談話」の意味
一つ目の「炉辺談話」(読み方:ろへんだんわ)とは、囲炉裏や暖炉の傍らでする世間話や、くつろぎながら行うおしゃべりを指す言葉です。
また、アメリカのフランクリン・ローズベルト大統領が実施した国民向けラジオ演説や、それに倣ってジミー・カーター大統領が実施した国民向けラジオ演説を指します。
さらに、これらの使い方が転じて、日本では首脳による非公式な会見が「炉辺談話」と呼ばれるようになりました。
「談話体」の意味
二つ目の「談話体」とは、日常の会話体に近い文章を指す言葉です。書き言葉の「文体」に対して話し言葉の「話体」とも言われることもあります。
談話の類語
談話の類語・類義語としては、話し合うことを意味する「談義」、大勢の人に向かってある題目に従って話をすることを意味する「講演」、互いの気持ちや考えを話し合うことを意味する「語らい」などがあります。
会話の例文
この言葉がよく使われる場面としては、複数の人が互いに話すことや、その話の内容を意味する時などが挙げられます。
例文2の「会話が弾む」とは、参加者が楽しいと感じたり、興味深いと感じて、活発に続くことを意味する慣用表現です。
例文3の「会話文」とは、小説や戯曲などで登場人物の会話の内容や台詞をそのまま文章にしたものを指す言葉で、鉤括弧と共に用いることが多い文章です。
対話の例文
この言葉がよく使われる場面としては、向かい合って話し合うことを意味する時などが挙げられます。
基本的には、相手と二人で話すことを意味するため、談話などに置き換えて使うことはできません。
談話の例文
この言葉がよく使われる場面としては、話しをすることを意味する時などが挙げられます。
例文1の「談話室」とは、客間や軽食喫茶室などと似たような場所を指し、歓談のために設けられた部屋を指す言葉です。
会話と対話と談話どれを使うか迷った場合は、二人以上の相手と話すことを表す場合は「会話」を、二人で話すことを表す場合は「対話」を、大勢と語り合うことを表す場合は「談話」を使うと覚えておけば間違いありません。