【けだもの】と【けもの】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「けだもの」と「けもの」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「けだもの」と「けもの」という言葉は、どちらも全身に毛が生えて4足で歩く哺乳動物のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「けだもの」と「けもの」の違い

「けだもの」と「けもの」の意味の違い

「けだもの」と「けもの」の違いを分かりやすく言うと、「けだもの」は人と動物どちらにも使える、「けもの」は動物にしか使えないという違いです。

「けだもの」と「けもの」の使い方の違い

一つ目の「けだもの」を使った分かりやすい例としては、「彼は機嫌が悪いと周りの人を傷つける、けだもののような人だ」「あの山は攻撃的なけだものがたくさんいるので入らない方がいいだろう」「彼女はけだものです」などがあります。

二つ目の「けもの」を使った分かりやすい例としては、「森でけものに襲われました」「初めてけもの鍋を食べたがとても美味しいです」「とらの檻に入るとけものの匂いがしました」などがあります。

「けだもの」と「けもの」の使い分け方

「けだもの」と「けもの」はどちらも同じ意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「けだもの」は全身に毛が生えて4足で歩く哺乳動物のことの意味の他に、人間としての情味のない人をののしり卑しんで言うことの意味を持っており、人と動物どちらに対しても使うことができます。

一方、「けもの」は全身に毛が生えて4足で歩く哺乳動物のことの意味しか持っていないので、動物に対してしか使えない言葉です。つまり、「けだもの」は人と動物どちらにも使えるのに対して、「けもの」は動物にしか使えないというのが違いになります。

また、全身に毛が生えて4足で歩く哺乳動物のことの意味で使う場合は、どちらも同じなので好きな方を使って問題ありません。

「けだもの」と「けもの」の英語表記の違い

「けだもの」も「けもの」も英語にすると「a beas」「beastly」となり、例えば上記の「彼女はけだものです」を英語にすると「She is a beast of a woman」となります。

「けだもの」の意味

「けだもの」とは

「けだもの」とは、全身に毛が生えて4足で歩く哺乳動物のことを意味しています。その他にも、人間としての情味のない人をののしり卑しんで言うことの意味も持っています。

「けだもの」の使い方

「あの森はけだものがたくさん生息しているので入らない方がいいです」「ライオンの檻に入るとけだものの匂いがしました」などの文中で使われている「けだもの」は、「全身に毛が生えて4足で歩く哺乳動物のこと」の意味で使われています。

一方、「人をけだもの呼ばわりしないでください」「彼は人の皮を被ったけだものです」などの文中で使われている「けだもの」は、「人間としての情味のない人をののしり卑しんで言うこと」の意味で使われています。

「けだもの」は二つの意味を持つ言葉ですが、使い方は少し違います。全身に毛が生えて4足で歩く哺乳動物のことの意味は主に動物に対して使う言葉です。

一方、人間としての情味のない人をののしり卑しんで言うことの意味は主に人に対して使う言葉になります。後者の「けだもの」は人間らしい心を持っていない人に対して使うので、どちらかと言えばマイナスなイメージを伴っています。

「けだもの」の漢字表記

「けだもの」を漢字で表記すると「獣」とすることができます。

「けだもの」の類語

「けだもの」の類語・類義語としては、色事を好むことを意味する「助平」(読み方:すけべい)、道理に外れていてけしからぬことを意味する「不埒」(読み方:ふらち)などがあります。

「けもの」の意味

「けもの」とは

「けもの」とは、全身に毛が生えて4足で歩く哺乳動物のことを意味しています。

「けもの」の使い方

「けもの」を使った分かりやすい例としては、「私の畑を荒らしたのはけものに違いありません」「森を歩いていたらけものに襲われました」「近辺で人を襲うけものの出現報告があるので外を歩く時は気を付けよう」などがあります。

「けもの」は全身に毛が生えて4足で歩く哺乳動物のことを指しています。そのため、動物に対してしか使わない言葉です。「けもの」に当てはまる動物は、クマ、ライオン、シカ、オオカミ、パンダ、キツネ、トラなどがいます。

「けもの」の漢字表記

「けもの」を漢字で表記すると「獣」とすることができます。

「けもの道」の意味

「けもの」を使った有名な言葉としては、「けもの道」があります。「けもの道」とは山野において野生動物が通る道のことを意味しています。また、主に大型の哺乳類が日常的に通っている道に対して使うことが多いです。

「けもの」の類語

「けもの」の類語・類義語としては、獣の類のことを意味する「獣類」、山野に住む獣ののことを意味する「野獣」などがあります。

「けだもの」の例文

1.この森はけだものが住んでいるので、無闇に立ち入らない方がいいです。
2.山からけだものが下りてきて畑を荒らすので、罠を仕掛けて捕まえることにしました。
3.あなたにけだもの呼ばわりされる筋合いはありませんと言ってやりました。
4.いつも問題行動を起こす彼は、周りの人達からけだものと呼ばれている。
5.彼は人の皮を被ったけだものなので、極力関わらないようにしています。

この言葉がよく使われる場面としては、全身に毛が生えて4足で歩く哺乳動物のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、人間としての情味のない人をののしり卑しんで言うことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「けだもの」は全身に毛が生えて4足で歩く哺乳動物のこと、例文3から例文5の「けだもの」は人間としての情味のない人をののしり卑しんで言うことの意味で使っています。

「けもの」の例文

1.山小屋に入るとけものの匂いがしたので、この近くで生活していそうだ。
2.人を襲うけものが現れたので、罠を仕掛けて捕獲することにしました。
3.けものが畑の農作物を荒らすので、様々な対策を施すことにしました。
4.あの山にはたくさんのけものがいるので、入る時は武装した方がいいだろう。
5.とある森で正体不明のけものが目撃されたので、近隣住民に注意喚起をしました。

この言葉がよく使われる場面としては、全身に毛が生えて4足で歩く哺乳動物のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「けもの」は動物に対して使う言葉です。

「けだもの」と「けもの」はどちらも全身に毛が生えて4足で歩く哺乳動物のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、人と動物どちらにも使えるのが「けだもの」、動物にしか使えないのが「けもの」と覚えておきましょう。

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