似た意味を持つ「進呈」(読み方:しんてい)と「贈呈」(読み方:ぞうてい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「進呈」と「贈呈」という言葉は、どちらも「人に物を差し上げること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
進呈と贈呈の違い
進呈と贈呈の意味の違い
進呈と贈呈の違いを分かりやすく言うと、進呈とは気軽な場面で物を差し上げることを表し、贈呈とは形式ばった場面で物を差し上げることを表すという違いです。
進呈と贈呈の使い方の違い
一つ目の進呈を使った分かりやすい例としては、「企業が株主に贈り物を進呈する」「レビュー投稿でプレゼントをご進呈いたします」「商品券を進呈させていただきます」「ポイントの進呈日は毎月15日です」などがあります。
二つ目の贈呈を使った分かりやすい例としては、「教育用品の贈呈式のなかで校長先生が謝辞を述べられました」「結婚式での両親贈呈品はウェイトベアに決めました」「香典や祝儀の贈呈経費の歳出科目は何ですか」などがあります。
進呈と贈呈の使い分け方
進呈と贈呈という言葉は、どちらも「人に品物を差し上げること」を意味し、地位や年齢など関係の上下に関わらず、相手を敬って用いる言葉です。二つの言葉は同じような意味を持ちますが、使い方には違いがあります。
進呈とは、人に物を差し上げることを意味し、「粗品進呈」のような使い方で、軽い気持ちでやりとりする場面で用いられています。一方、贈呈も人に人に物を差し上げることを意味しますが、「贈呈式」のような使い方で、晴れがましさを伴う形式ばった場面で使われる言葉です。
つまり、進呈と贈呈という言葉は使われる場面が異なります。「進呈」は気軽にプレゼントする場合に用いることが多く、「贈呈」は改まった場で物を贈る場合に使われることに違いがあります。
進呈と贈呈の英語表記の違い
進呈も贈呈も英語にすると「presentation」「proffering」となり、例えば上記の「贈り物を進呈する」を英語にすると「present a gift」となります。
進呈の意味
進呈とは
進呈とは、人に物を差し上げることを意味しています。
表現方法は「進呈いたします」「進呈させていただきます」
「進呈いたします」「進呈させていただきます」などが、進呈を使った一般的な言い回しです。
進呈の使い方
進呈を使った分かりやすい例としては、「ご成約の方に現金3万円を進呈しております」「ポイントを進呈させていただきます」「ビジネスホテル宿泊券を進呈いたします」「記念品としてクオカードを進呈することになりました」などがあります。
その他にも、「ご入会の方に英語の教材を無料進呈しております」「資料請求の方に粗品を進呈いたします」「進呈目録の書き方を教えてください」「アンケートメールにご回答いただいた方にとクーポンを進呈いたします」などがあります。
進呈の「進」と「呈」は、どちらも差し出すこと、差し上げることを表します。進呈とは、人に贈り物を差し上げることを意味し、相手を敬って用いられる言葉です。「つまらないもので恐縮です」というニュアンスをもち、形式ばっていない気軽な場面で使用されています。
進呈という言葉は、自分をへりくだって表現することにより、相手や話中の人に対して敬意を表す謙譲語です。さらに丁寧な表現にしたい時には、「ご進呈いたします」「ご進呈させていただきます」と言い表すとよいでしょう。
進呈の対義語
進呈の対義語・反対語としては、つつしんで受けることや有難く頂戴することを意味する「拝受」、物や金を受け取ることを意味する「受領」などがあります。
進呈の類語
進呈の類語・類義語としては、人に物を差し上げることや目上の人に送る書状の表に書いて敬意を表す「進上」、主君や貴人に物を差し上げることを意味する「献上」、つつしんで差し上げることを意味する「謹呈」、つつしんで奉ることや手紙のあて名に添える語を意味する「謹上」などがあります。
贈呈の意味
贈呈とは
贈呈とは、人に物を贈ること、物を差し上げることを意味しています。
表現方法は「贈呈いただく」「贈呈いただきました」
「贈呈いただく」「贈呈いただきました」などが、贈呈を使った一般的な言い回しです。
贈呈の使い方
贈呈を使った分かりやすい例としては、「子ども食堂への寄附金贈呈式が開催されました」「テンプレートを利用して贈呈式の式次第を作成する」「結婚式の花束贈呈におすすめの曲はありますか」などがあります。
その他にも、「贈呈品にのし紙を付ける」「賞状授与式と記念品贈呈式が行われました」「贈呈式には英語の同時通訳が入りました」「基本的に贈答品の勘定科目は接待交際費になります」などがあります。
贈呈という言葉の「贈」は、金や物をおくり与えることを表す漢字です。差し上げることを意味する「呈」と組み合わさり、贈呈とは、人に物を贈ることを、相手への敬意を含んで表現する言葉です。「贈呈式」のような使い方で、形式ばった晴れがましさを伴う場合に用いられます。
「結婚式の花束贈呈」の意味
「結婚式の花束贈呈」とは、新郎新婦がこれまで育ててくれた感謝の気持ちをこめて両親に花束を贈る演出のことです。ウエディング業界では、新郎新婦が花束を渡す相手が自分の両親なら「ストレート」、相手の両親なら「クロス」と言います。
贈呈の対義語
贈呈の対義語・反対語としては、寄贈されたものを受け入れることを意味する「受贈」、贈り物の金品などを受け取って納め入れることを意味する「受納」などがあります。
贈呈の類語
贈呈の類語・類義語としては、物品をおくり与えることを意味する「寄贈」、金品を人に贈ることを意味する「贈与」、品物などを贈ったり贈り返したりすることを意味する「贈答」、物を贈られることを贈り主を敬っていう語を意味する「恵贈」、さしあげることを意味する「呈上」などがあります。
進呈の例文
この言葉がよく使われる場面としては、人に物を差し上げることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、進呈という言葉は顧客や購買者に対する敬意を表わし、ビジネスシーンで使われることが多くあります。
贈呈の例文
この言葉がよく使われる場面としては、人に物を贈ることを表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文4にある「贈呈式」とは、物や賞などを贈り与える場として催されるセレモニーのことです。
進呈と贈呈という言葉は、どちらも「人に物を差し上げること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、気軽な場面で物を差し上げることを表現したい時は「進呈」を、形式ばった場面で物を差し上げることを表現したい時は「贈呈」を使うようにしましょう。