似た意味を持つ「副次的」(読み方:ふくじてき)と「二次的」(読み方:にじてき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「副次的」と「二次的」という言葉は、どちらも「本来の物事に付属するさま」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
副次的と二次的の違い
副次的と二次的の意味の違い
副次的と二次的の違いを分かりやすく言うと、副次的とは本来の物事に付属する様子のみを表し、二次的とは本来の物事に付属する様子だけでなく重要でないさまも表すという違いです。
副次的と二次的の使い方の違い
一つ目の副次的を使った分かりやすい例としては、「資格取得によって副次的メリットが得られた」「大規模地震が発生した際の副次的災害を検証する」「脱炭素社会の副次的影響を明らかにする」などがあります。
二つ目の二次的を使った分かりやすい例としては、「大雨による二次的な災害の一つに停電があります」「二次的著作物の利用権があります」「脳卒中後は二次的合併症を予防する必要があります」「二次的な問題を引き起こしてしまうかもしれない」などがあります。
副次的と二次的の使い分け方
副次的と二次的という言葉はほぼ同義語であり、どちらも他のものに付随した存在であったり、従属した関係にあったりするさまを意味します。この意味で使われている「副次的メリット」「副次的災害」「二次的な災害」は、互いに置き換えて使うことができます。
さらに二次的という言葉は、ある物事から派生したものでそれほど重要でないさまの意味も持っています。副次的という言葉にはこのような意味がないため、上記の例文にある「二次的な問題」の二次的は、副次的に置き換えることができません。
二つの言葉を比べると、二次的という言葉は副次的よりも多くの意味を持ち、幅広く使える言葉だと言えるでしょう。
副次的と二次的の英語表記の違い
副次的を英語にすると「side」「collateral」「sub」となり、例えば上記の「副次的メリット」を英語にすると「side benefit」となります。
一方、二次的を英語にすると「secondary」「secondarily」となり、例えば上記の「二次的な問題」を英語にすると「secondary problem」となります。
副次的の意味
副次的とは
副次的とは、ある事柄や状態が、他のものに付随した存在であったり、従属した関係にあったりするさまを意味しています。
副次的の使い方
副次的を使った分かりやすい例としては、「新薬の副次的作用を検証する」「結果的に業務の効率化などの副次的効果も期待できます」「他の要素に付随して副次的影響がでることがあります」などがあります。
その他にも、「相続税対策をしたところ副次的に家賃収入が得られました」「かゆみはストレスなどの副次的な要因に起因する症状です」「コミュニケーション能力の向上は英語学習の副次的効果です」などがあります。
副次的という言葉の「副」は主たるものにつき添うもの、「次」は続くことを表す漢字です。そのような性質や状態であることを表す「的」と結びつき、副次的とは、本来のものに対して自らは従属するものとなっているさまや、従属した関係にある様子を意味します。
「副次的効果」の意味
上記の例文にある「副次的効果」とは、もともと目的とはしていない副産物的な効果を意味します。例えば、英語を学習する目的は、英語という言語を身に付けることでしょう。これに対し、どの言語に限らずコミュニケーション能力が向上したことは「副次的効果」といえます。
副次的の対義語
副次的の対義語・反対語としては、いろいろある中で特に大切なことを意味する「主要」、重要なさまや中心になるさまを意味する「主」、主要なものや最も重要な部分を意味する「メイン」などがあります。
副次的の類語
副次的の類語・類義語としては、何かに伴って結果的に発生するさまを意味する「付随的」、ある物事に伴って起こることを意味する「随伴」、主となる物事に付け加わることを意味する「付帯」、ある物事に付随して起こる物事を意味する「副産物」などがあります。
二次的の意味
二次的とは
二次的とは、主となる物事に対して、それに付随する関係にあるさま、ある物事から派生したものでそれほど重要でないさまを意味しています。
二次的の使い方
二次的を使った分かりやすい例としては、「無断で二次的著作物を創作してはいけません」「書き言葉の学習が始まると二次的ことばが発達してくる」「看護職者の二次的外傷性ストレスを客観的に測定する」などがあります。
その他にも、「姿勢異常による二次的障害を予防する」「原生的自然と二次的自然の保全に尽力する」「6~7歳ぐらいから二次的誤信念課題をパスします」「シアーズの二次的動因説を否定する」などがあります。
二次的という言葉の「二次」はある物事や現象が、本来のものに対して付随する関係にあることを表します。そのような性質をもったものを表す「的」と結びつき、二次的とは、主な物事に対して付随する関係であるさまや、派生したもので大して重要ではないさまを意味する言葉です。
「二次的著作物」の意味
二次的を用いた日本語には「二次的著作物」があります。二次的著作物とは、既存の著作物を編集や脚色あるいは映画化など作りかえることによって創作された著作物のことです。二次創作物ともいい、著作権法に規定されています。
二次的の対義語
二次的の対義語・反対語としては、物事が成り立っているおおもとに関するさまを意味する「根本的」、物事の基本となるような性質をもっているさまを意味する「基本的」などがあります。
二次的の類語
二次的の類語・類義語としては、ある物事が他の物事につき従っていることを意味する「付随」、主になるものに付き従っていることを意味する「付属」、本源的でないさまを意味する「派生的」根本的でないさまを意味する「二義的」などがあります。
副次的の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある物事や状態などが本来のものに対して付属する、または、それより程度が一段低いものであるさまを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にある「副次的」は、「二次的」という言葉に言い換えることができます。
二次的の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある物事や状態などが本来のものに対して付属する関係にあるさま、または、ある物事から派生したものでそれほど重要でない様子を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4の文中にある二次的は、従属する関係にあるさまを意味し、副次的という言葉に言い換えることができます。例文5の二次的は、それほど重要でない様子を表し、副次的という言葉に言い換えることはできません。
副次的と二次的という言葉は、どちらも「従属した関係にある様子」を表します。さらに二次的という言葉には、ある物事から派生したものでそれほど重要でない様子もあることを覚えておきましょう。