似た意味を持つ「愚にもつかない」(読み方:ぐにもつかない)と「取るに足らない」(読み方:とるにたらない)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「愚にもつかない」と「取るに足らない」という言葉は、どちらも問題として取り上げる価値もないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「愚にもつかない」と「取るに足らない」の違い
「愚にもつかない」と「取るに足らない」の意味の違い
「愚にもつかない」と「取るに足らない」の違いを分かりやすく言うと、「愚にもつかない」の方が「取るに足らない」よりも馬鹿馬鹿しいというニュアンスが強いという違いです。
「愚にもつかない」と「取るに足らない」の使い方の違い
一つ目の「愚にもつかない」を使った分かりやすい例としては、「愚にもつかないミーティングは早く終わって欲しい」「愚にもつかない話に付き合うのはうんざりです」「愚にもつかないことを言うな」などがあります。
二つ目の「取るに足らない」を使った分かりやすい例としては、「取るに足らないことにこだわるのは辞めよう」「彼女の意見など取るに足らない」「彼は取るに足らない人物である」「私は取るに足らないことで悩む」などがあります。
「愚にもつかない」と「取るに足らない」の使い分け方
「愚にもつかない」と「取るに足らない」はどちらも問題として取り上げる価値もないことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「愚にもつかない」の方が「取るに足らない」よりも馬鹿馬鹿しいというニュアンスが強いという点です。
「愚にもつかない」と「取るに足らない」の英語表記の違い
「愚にもつかない」を英語にすると「nonsense」「foolish」となり、例えば上記の「愚にもつかないことを言うな」を英語にすると「Don’t talk nonsense」となります。
一方、「取るに足らない」を英語にすると「trivial」「banal」となり、例えば上記の「私は取るに足らないことで悩む」を英語にすると「I worry about trifles」となります。
「愚にもつかない」の意味
「愚にもつかない」とは
「愚にもつかない」とは、馬鹿馬鹿しくて問題にならないことを意味しています。
「愚にもつかない」の漢字表記
「愚にもつかない」を漢字にすると、「愚にも付かない」と表記することができます。また、「愚にも付かぬ」に置き換えることもできます。
「愚にもつかない」の使い方
「愚にもつかない」を使った分かりやすい例としては、「愚にもつかない人を相手にするだけ無駄だ」「愚にもつかない記事を読んでしまって後悔している」「愚にもつかない戯言はスルーしても大丈夫だろう」「愚にもつかないことを気にする必要はありません」などがあります。
「愚にもつかない」は馬鹿馬鹿しくて問題にならないことを意味する慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。
「愚にもつかない」は相手や物事を批判する場合に使うのが特徴です。そのため、基本的にマイナスのイメージでしか使わない言葉になります。また、目上の人に対して使うのはとても失礼なので、使わないように気をつけましょう。
「愚にもつかない」の語源
「愚にもつかない」の語源は「愚」です。「愚」とは愚かなことや馬鹿馬鹿しいことを意味しており、これにそこに定まっていないことを意味する「つかない」が合わさり、馬鹿馬鹿しくて問題にならないことの意味で使われるようになりました。
「愚にもつかない」の類語
「愚にもつかない」の類語・類義語としては、真面目にに取り合うだけの価値がないことを意味する「下らない」、無意味でくだらなく見えることを意味する「馬鹿馬鹿しい」、いかにも馬鹿げていることを意味する「アホらしい」などがあります。
「取るに足らない」の意味
「取るに足らない」とは
「取るに足らない」とは、問題として取り上げる価値もないことを意味しています。
「取るに足らない」は「取るに足りない」とも表記可能
「取るに足らない」は「取るに足りない」と表記することも可能です。
表現方法は「取るに足らない人間」「取るに足らない人生」
「取るに足らない人間」「取るに足らない人生」などが、「取るに足らない」を使った一般的な言い回しになります。
「取るに足らない」の使い方
「取るに足らない」を使った分かりやすい例としては、「取るに足らない連中を相手にする必要はないだろう」「彼はこの部署で取るに足らない存在だ」「これは取るに足らない問題なので気にしなくていいだろう」などがあります。
「取るに足らない」は問題として取り上げる価値もないことや些細なことであることを意味する慣用句です。
「取るに足らない」は基本的にマイナスのイメージで使う言葉ですが、上記の「これは取るに足らない問題なので気にしなくていいだろう」のように、相手を励ますプラスのイメージで使うこともできると覚えておきましょう。
また、物事と人どちらに対しても使うことができるというのが特徴です。
「取るに足らない」の類語
「取るに足らない」の類語・類義語としては、下らないことを意味する「しょうもない」、馬鹿げていることを意味する「つまらない」、話すだけの価値もないことを意味する「話にならない」、特に取り立てて言うほどのことではないことを意味する「大したことない」などがあります。
「愚にもつかない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、馬鹿馬鹿しくて問題にならないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「愚にもつかない」はマイナスのイメージで使う言葉です。
「取るに足らない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、問題として取り上げる価値もないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「取るに足らない」は基本的にマイナスのイメージで使う言葉です。
「愚にもつかない」と「取るに足らない」はどちらも問題として取り上げる価値もないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「愚にもつかない」の方が「取るに足らない」よりも馬鹿馬鹿しいというニュアンスが強いと覚えておきましょう。