似た意味を持つ「アーカイブ」と「バックアップ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「アーカイブ」と「バックアップ」という言葉は、「データを保存すること」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
アーカイブとバックアップの違い
アーカイブとバックアップの意味の違い
アーカイブとバックアップの違いを分かりやすく言うと、アーカイブは重要なデータを保存するための保存方法を表現する時に使い、バックアップは復旧に必要なデータを保存するための保存方法を表現する時に使うという違いです。
アーカイブとバックアップの使い方の違い
一つ目のアーカイブを使った分かりやすい例としては、「先日の議事録はアーカイブファイルとしてまとめられている」「アーカイブズには多くの史料が保管されている」「今回の配信はアーカイブすると言っていたため後で見直すことができる」などがあります。
二つ目のバックアップを使った分かりやすい例としては、「データバックアップはこまめに取っておく必要があるだろう」「バックアップに使う媒体を用意した」「後輩のバックアップをするために準備を怠らないようにしている」などがあります。
アーカイブとバックアップの使い分け方
アーカイブとバックアップはどちらも、別の保存先にデータを保存することを意味する言葉ですが、内容が若干異なります。
アーカイブは、複数のファイルを一つにまとめることを意味する言葉ですが、保管所を表す言葉として使われています。動画配信サービスが一般的になった今日では、上記例文のように「アーカイブする」という使われ方もされています。
一方のバックアップは、ディスクの内容を複製して別の場所へ保存することを意味する言葉ですが、上記例文の「後輩のバックアップをする」のように後方から支援することを表すこともあります。
つまり、アーカイブは必要なデータを保管するための保存方法を指し、バックアップは基礎的なデータも含めて復旧をするためのデータを保存する方法を指すという違いがありますが、前者は後者に含まれているとも言えます。
また、アーカイブされたデータは上書きがされず、バックアップされたデータは最新の状態に更新される点も大きな違いと言えます。
アーカイブとバックアップの英語表記の違い
アーカイブを英語にすると「archive」となり、例えば上記の「アーカイブファイル」を英語にすると「an archive file」となります。
一方、バックアップを英語にすると「backup」となり、例えば上記の「データバックアップ」を英語にすると「data backup」となります。
アーカイブの意味
アーカイブとは
アーカイブとは、複数のファイルがまとめられているファイルを意味しています。
その他にも、公文書や古い記録を指したり、それらを保管している場所も指します。
表現方法は「アーカイブする」「アーカイブを見る」「アーカイブ配信」
「アーカイブする」「アーカイブを見る」「アーカイブ配信」などが、アーカイブを使った一般的な言い回しです。
アーカイブの使い方
「配信がアーカイブに保管されることになった」「アーカイブされたデータを参照している」「メールをいくつかアーカイブしておこう」などの文中で使われているアーカイブは、「複数のファイルの保管庫」の意味で使われています。
一方、「アーカイブズは様々な場所に設立されている」「近年デジタルアーカイブが進められている」「アーカイブのおかげで論文作成の史料が手に入る」などの文中で使われているアーカイブは、「文書や史料などの情報を保管すること」の意味で使われています。
アーカイブは英語で「archive」と表記され、記録保管所や古文書、公文書の意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われていますが、今日ではコンピュータ上のデータに関して使われることがほとんどです。
「アーカイブズ」の意味
上記例文の「アーカイブズ」とは、文書や史料など重要なものやそれらを保存するための施設を指す言葉です。国立公文書館が有名ですが、各地の大学や企業でもアーカイブズが設置の進められています。
ただし、一般的に使われているアーカイブは、有形無形問わず文化財をデジタル情報として記録してネットワーク上で提供することを意味する上記の「デジタルアーカイブ」のデータではなく、上記の「配信のアーカイブ」などのような映像配信データを指します。
アーカイブの対義語
アーカイブの対義語・反対語としては、もとの作品を意味する「オリジナル」、元になるものや基本であるものを意味する「マスター」があります。
アーカイブの類語
アーカイブの類語・類義語としては、ファイルやデータを記憶装置に記憶させることを意味する「セーブ」、保護して安全であるようにすることを意味する「保全」、物事を現在の状態のまま持続することを意味する「維持」などがあります。
バックアップの意味
バックアップとは
バックアップとは、ディスクの内容を複製して別の場所へ保存することを意味しています。
その他にも、後方から援助して支えることや後ろ盾という意味も持ちます。
表現方法は「バックアップする」「バックアップを取る」「バックアップを削除する」
「バックアップする」「バックアップを取る」「バックアップを削除する」などが、バックアップを使った一般的な言い回しです。
バックアップの使い方
「完全バックアップは時間が掛かる」「古い端末のデータをバックアップしておこう」「いくつかあるバックアップの管理をしておきたい」などの文中で使われているバックアップは、「データを複製して予備を用意すること」の意味で使われています。
一方、「先輩がバックアップをしてくれると言ってくれた」「バックアップを受けて活動開始に踏み切ることができた」「親のバックアップがあってこそ受験に合格した」などの文中で使われているバックアップは、「後方から支援すること」の意味で使われています。
バックアップは英語で「backup」と表記され、「支援」「代替」「後援する」といった意味を持ちます。その他、「back」を動詞として使う場合には「後退させる」「渋滞させる」といった意味も持ちますが、日本語ではこのように使うことはありません。
今日では上記例文のように、情報やデータに関する言葉を伴う場合にはデータの複製保存を意味し、他者や自分、団体などを表す言葉を伴う場合には後方支援を意味する言葉として使われることがほとんどです。
「完全バックアップ」の意味
また、上記例文の「完全バックアップ」は、データのバックアップを行う際に全てのデータをバックアップすることを指す言葉で、「フルバックアップ」とも呼ばれています。バックアップ対象となるデータが少ない場合に向いている方法です。
バックアップの対義語
バックアップの対義語・反対語としては、もとの作品を意味する「オリジナル」、元になるものや基本であるものを意味する「マスター」があります。
バックアップの類語
バックアップの類語・類義語としては、記録された情報を別のディスクなどに移すことを意味する「コピー」、手助けをすることを意味する「アシスト」、支持や支援をすることを意味する「サポート」などがあります。
アーカイブの例文
この言葉がよく使われる場面としては、複数のファイルがまとめられているファイルを意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、今日では記録映像を残すことや公開することを意味する言葉としても使われています。
バックアップの例文
この言葉がよく使われる場面としては、ディスクの内容を複製して別の場所へ保存することを意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、他者を後ろから支援することを意味する言葉としても使われています。
アーカイブとバックアップは、どちらも「データを保存すること」を表します。
どちらを使うか迷った場合は、重要なデータを保存するための保存方法を表す場合は「アーカイブ」を、復旧に必要なデータを保存するための保存方法を表す場合は「バックアップ」を使うと覚えておけば間違いありません。