似た意味を持つ「フィクション」と「ノンフィクション」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「フィクション」と「ノンフィクション」という言葉は、同じ「フィクション」という言葉を含むため、混同して使われる傾向があります。
フィクションとノンフィクションの違い
フィクションとノンフィクションの意味の違い
フィクションとノンフィクションの違いを分かりやすく言うと、フィクションは作り話を表現する時に使い、ノンフィクションは実話を表現する時に使うという違いです。
フィクションとノンフィクションの使い方の違い
一つ目のフィクションを使った分かりやすい例としては、「サイエンスフィクションの小説は読み進めていて面白いと思う」「フィクションアニメだが青春ものはいつ見ても感情移入する」「超能力が使えるフィクション世界に行ってみたい」などがあります。
二つ目のノンフィクションを使った分かりやすい例としては、「新しく公開されたノンフィクション映画が気になっている」「長年取材を続け完成させたノンフィクションは多くの人に視聴された」などがあります。
フィクションとノンフィクションの使い分け方
フィクションとノンフィクションはどちらも物語の種類を表す言葉ですが、性質は大きく異なります。
フィクションは、架空の人物を登場させた作者による想像上の物語作品を指します。形式は小説だけでなく、叙事詩や劇といった作品もフィクションとして扱われていますが、小説自体をフィクションと見なすこともあります。
一方のノンフィクションは、実際の歴史や記録に基づいて作られた文章や映像作品を指します。ドキュメンタリー映像、伝記や日記などが該当します。
つまり、フィクションは作者による作り話を指し、ノンフィクションは実話を指すため、これら二つは対義語・反対語の関係にあります。
フィクションとノンフィクションの英語表記の違い
フィクションを英語にすると「fiction」となり、例えば上記の「サイエンスフィクション」を英語にすると「science fiction」となります。
一方、ノンフィクションを英語にすると「nonfiction」となり、例えば上記の「ノンフィクション映画」を英語にすると「a nonfiction film」となります。
フィクションの意味
フィクションとは
フィクションとは、架空の人物を登場させた架空の物語作品を意味しています。
表現方法は「フィクション映画」「フィクション小説」「フィクション作品」
「フィクション映画」「フィクション小説」「フィクション作品」などが、フィクションを使った一般的な言い回しです。
フィクションの使い方
フィクションを使った分かりやすい例としては、「サイエンスフィクションのアニメに今ハマっている」「フィクションだから真に受けない方が良い」「フィクション映画の方が今は多く上映しているだろう」などがあります。
その他にも、「この作品の登場人物たちの会話がメタフィクション的発言のため漫才のようだ」「フィクションだからこそ武器を振り回す登場人物たちの姿を見ることができる」「フィクション作品内と同じことをしようとなると難しいこともある」などがあります。
フィクションは英語で「fiction」と表記され、創作や虚構、想像といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われていますが、事実ではないことを事実かのように想像力によって作られた作品を指すことがほとんどです。
小説の別称とも考えられていますが、フィクション作品は小説だけではなく、アニメ、ゲーム、ドラマ、マンガや舞台などの様々な形式で作品が作り上げられています。
「サイエンスフィクション」の意味
上記例文の「サイエンスフィクション」とは、科学的な空想に基づいたフィクションを指す作品ジャンルで、「SF」とも呼ばれています。異世界や宇宙船などが登場しても現実社会の延長線上に存在するものであり、現実的な推測として捉えることもできます。
「メタフィクション」の意味
また、上記例文の「メタフィクション」とは、作品の中で作り話であるということを意図的に読者に気付かせるような作品を指す言葉で、「メタ」と略されることもあります。日本文学では芥川龍之介の『羅生門』が該当します。
フィクションの対義語
フィクションの対義語・反対語としては、歴史上の事実に基づいて書かれた伝記を意味する「史伝」、過去の事件や人物などについて回想して書いた記録を意味する「回想録」旅行中の体験や感想を綴った文章を意味する「紀行」があります。
フィクションの類語
フィクションの類語・類義語としては、空想の作品や幻想的な作品を意味する「ファンタジー」、夢のような現実的ではない話を意味する「夢物語」、根拠のない話を意味する「浮説」、想像力によって組み立てられたものを意味する「仮構」などがあります。
ノンフィクションの意味
ノンフィクションとは
ノンフィクションとは、事実に基づいて作られた作品を意味しています。
表現方法は「ノンフィクション作家」「ノンフィクション本」「ノンフィクション作品」
「ノンフィクション作家」「ノンフィクション本」「ノンフィクション作品」などが、ノンフィクションを使った一般的な言い回しです。
ノンフィクションの使い方
ノンフィクションを使った分かりやすい例としては、「ルポライターはノンフィクションライターと呼ばれることが増えた」「主観的な思考が含まれる作品はノンフィクションではない」「ノンフィクションの絵本は伝記などが読みやすいだろう」などがあります。
その他にも、「ノンフィクションとはいえ惨たらしい様子をありのまま描写する必要はないように思う」「フィクション作品よりもノンフィクション作品の方がとっつきにくい」「ノンフィクション本大賞にノミネートした作品が気になっている」などがあります。
ノンフィクションは英語で「nonfiction」と表記され、フィクション以外の作品を指す言葉としても使われていました。20世紀初めに出版業界において、フィクションとそうではないものと区別されたのがきっかけです。
1960年代頃からフィクションではないものという定義よりも具体的となったことで、ノンフィクションライターが活躍し始めるようになり、今日では客観的報告を作品とするルポルタージュ、旅行記や体験記などがノンフィクションに該当するジャンルとされています。
映像もしくは音声作品では、特定の主題に関する事実を記録したドキュメンタリーが有名であり、映像作品であれば「記録映像」とも呼ばれています。
ただし、絵画や彫刻、音楽が実際に存在していたものをテーマに作られたものだとしても、ノンフィクションという区分が用いられることはありません。同じ文学であっても韻文作品にもこの区分が用いられません。
ノンフィクションの対義語
ノンフィクションの対義語・反対語としては、事実や実物とは異なって描かれていることを意味する「絵空事」、感情的であったり理想的に物事を捉えることを意味する「ロマン」があります。
ノンフィクションの類語
ノンフィクションの類語・類義語としては、現地に取材して状況などを報告することを意味する「レポート」、資料的な文章を意味する「ドキュメント」、事実をありのままに書き留めた記録を意味する「実記」などがあります。
フィクションの例文
この言葉がよく使われる場面としては、架空の人物を登場させた架空の物語作品を意味する時などが挙げられます。
例文1の「メタ発言」は、メタフィクションをメタと省略した言葉です。
ノンフィクションの例文
この言葉がよく使われる場面としては、事実に基づいて作られた作品を意味する時などが挙げられます。
文学作品だけでなく、映像作品や音声作品に対しても使われることがあります。
フィクションとノンフィクションのどちらを使うか迷った場合は、作り話を表す場合は「フィクション」を、実話を表す場合は「ノンフィクション」を使うと覚えておけば間違いありません。