【不徳と致すところ】と【不徳の致すところ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「不徳と致すところ」(読み方:ふとくといたすところ)と「不徳の致すところ」(読み方:ふとくのいたすところ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「不徳と致すところ」と「不徳の致すところ」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「不徳と致すところ」と「不徳の致すところ」の違い

「不徳と致すところ」は「不徳の致すところ」の間違い

「不徳と致すところ」と「不徳の致すところ」の違いを分かりやすく言うと、「不徳と致すところ」とは「不徳の致すところ」の間違った使い方、「不徳の致すところ」とは不都合や失敗が起きたのは自分の振る舞いが良くなかったのが原因であることです。

「不徳と致すところ」は誤字

一般的には「不徳と致すところ」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「不徳の致すところ」のことを間違えて「不徳と致すところ」を使っている人がほとんどです。

「不徳の致すところ」は正しい日本語

正しい言葉である「不徳の致すところ」を使った分かりやすい例としては、「今回の報道に関しては私の不徳の致すところであり深く反省しております」「弊社の不徳の致すところであり二度とこのようなことが起こらないよう善処いたします」などがあります。

「不徳の致すところ」という言葉はあっても、「不徳と致すところ」という言葉は存在しません。同時に「不徳の致すところ」という単語の意味について「不都合や失敗が起きたのは自分の振る舞いが良くなかったのが原因であること」と覚えておきましょう。

「不徳の致すところ」の英語表記

「不徳と致すところ」の意味

「不徳と致すところ」とは

「不徳と致すところ」とは、「不徳の致すところ」の間違った使われ方です。

「不徳と致すところ」が間違っている理由

「不徳と致すところ」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「不徳の致すところ」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「不徳と致すところ」と「不徳の致すところ」を間違ってしまう理由としては、「不徳となる」と勘違いしていることや、「と」と「の」の発音が似ているため、混同して覚えてしまっていることが原因になります。

ただし、「不徳の致すところ」はこれ全体で一つの慣用句であるため、それ以外の表現である「不徳と致すところ」「不徳に致すところ」「不徳を致すところ」などは全て誤用なので間違えないように気をつけましょう。

慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。

間違った言葉である「不徳と致すところ」の「不徳」を使った分かりやすい例としては、「今回の事態は彼女の不徳が招いたことです」「彼は不徳な輩なのでいつかバチが当たると思います」「身の不徳を感じてしまいました」などがあります。

「不徳の致すところ」の意味

「不徳の致すところ」とは

「不徳の致すところ」とは、不都合や失敗が起きたのは自分の振る舞いが良くなかったのが原因であることを意味しています。

表現方法は「私の不徳の致すところと猛省しております」「不徳の致すところでございます」

「私の不徳の致すところと猛省しております」「不徳の致すところでございます」「自分の不徳の致すところ」などが、「不徳の致すところ」を使った一般的な言い回しになります。

「不徳の致すところ」の使い方

「不徳の致すところ」を使った分かりやすい例としては、「今回の件は私どもの不徳の致すところであり深く反省しております」「責任者である私の不徳の致すところでありご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした」などがあります。

「不徳の致すところ」は不都合や失敗が起きたのは自分の振る舞いが良くなかったのが原因であることを意味する慣用句で、主に謝罪をする場面で使う言葉です。

例えば、不倫をした芸能人が謝罪会見で「今回は私の不徳の致すところであり申し訳ございません」や不祥事を起こした政治家が「この度の不祥事は私の不徳の致すところであり深く反省しております」など、モラルに反することをした場合の謝罪のフレーズとしてよく使われてます。

また、ビジネスシーンにおいても使われている言葉です。

「不徳の致すところ」の注意点

「不徳の致すところ」で注意しなければならないのは、「不徳の致すところ」自体は謝罪の表現が含まれていないという点になります。そのため、「申し訳ございません」「深く反省しております」などの言葉とセットで使うのが適しています。

また、「不徳の致すところ」は自分の失敗やミスに対して謝罪する場合に使う言葉なので、「彼の不徳の致すところです」などのように、他人の失敗やミスに対しては使うことはできないと覚えておきましょう。

「不徳の致すところ」の類語

「不徳の致すところ」の類語・類義語としては、自分の責任であることを意味する「私の責任です」、自分のせいであることを意味する「私のせいです」、自分が原因で物事が失敗することを意味する「不徳の極み」などがあります。

「不徳と致すところ」の例文

1.「不徳と致すところ」という言葉は存在しないので、おそらく「不徳の致すところ」の言い間違いだろう。
2.「不徳の致すところ」という言葉は不都合や失敗が起きたのは自分の振る舞いが良くなかったのが原因であることで、「不徳と致すところ」という言葉はない。
3.「不徳と致すところ」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.今回の事件の原因はひとえに責任者である私の不徳と致すところですという言葉を使う人はいるが、正しくは今回の事件の原因はひとえに責任者である私の不徳の致すところですです。
5.本件の失態はすべて私の不徳の致すところです、申し訳ございませんという言葉はあるが、本件の失態はすべて私の不徳と致すところです、申し訳ございませんという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「不徳の致すところ」という言葉を間違えて「不徳と致すところ」と表現している時などが挙げられます。

「不徳と致すところ」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「不徳の致すところ」を間違えて使っている可能性が高いです。

「不徳と致すところ」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「不徳と致すところ」ではなく、「不徳の致すところ」と表現するのが正しい使い方になります。

「不徳の致すところ」の例文

1.今回の不祥事については私の不徳の致すところであり、申し訳ございませんでした。二度とこのようなことが起こらないよう善処いたします。
2.ワールドカップへ出場できなかったのは全て私の不徳の致すところです。責任を取って辞任いたします。
3.この度は当社の不徳の致すところにより、多大なるご迷惑をおかけしました。深くお詫び申し上げます。
4.今回のミスは上司である私の指導不足が原因です。私の不徳の致すところであり、深く反省をしております。
5.不倫問題について報じられていることは事実であり、全て私の不徳の致すところでございます。

この言葉がよく使われる場面としては、不都合や失敗が起きたのは自分の振る舞いが良くなかったのが原因であることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「不徳の致すところ」は謝罪する場面でよく使われている言葉です。

「不徳と致すところ」と「不徳の致すところ」どちらを使うか迷った場合は、「不徳と致すところ」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「不徳の致すところ」を使うようにしましょう。

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