似た意味を持つ「イノベーター」と「アーリーアダプター」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「イノベーター」と「アーリーアダプター」という言葉は、「流行に敏感な人」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
イノベーターとアーリーアダプターの違い
イノベーターとアーリーアダプターの意味の違い
イノベーターとアーリーアダプターの違いを分かりやすく言うと、イノベーターは新しく生み出す人を表現する時に使い、アーリーアダプターは新しく生み出されたものを導入する人を表現する時に使うという違いです。
イノベーターとアーリーアダプターの使い方の違い
一つ目のイノベーターを使った分かりやすい例としては、「イノベーター理論はマーケティングにおいて重要だと思う」「テスターやイノベーターのおかげで不具合修正ができている」「イノベーターとしては爆発的な開発をしたいものだ」などがあります。
二つ目のアーリーアダプターを使った分かりやすい例としては、「アーリーアダプタープログラムに参加して新しいアプリのレビューを行えることになった」「インフルエンサーやアーリーアダプターたちの商品への影響は計り知れない」などがあります。
イノベーターとアーリーアダプターの使い分け方
イノベーターとアーリーアダプターはどちらも、流行に敏感で新しい商品やサービスをいち早く取り入れようとする人を指す言葉ですが、ニュアンスが若干異なります。
イノベーターは、新しいものを積極的に導入する人を指す言葉で、自分自身のためではなく、開発や革新のために新しいものを受け入れる人たちや企業に対して使われています。
一方のアーリーアダプターは、流行に敏感で新しいものは早期段階で購入して使う人を指す言葉です。イノベーターに次いで情報や商品を入手するのが早い人たちに対して使われています。
つまり、イノベーターは新しく商品やサービスを生み出す層であり、アーリーアダプターは流行すると見込んだ新しい商品やサービスを購入する層であるという違いがあります。
また、イノベーターは利益に関わらず手に入れる人を指し、アーリーアダプターは利益を求めて手に入れる人と区別して使われることもあります。
イノベーターとアーリーアダプターの英語表記の違い
イノベーターを英語にすると「innovator」となり、例えば上記の「イノベーター理論」を英語にすると「the innovator theory」となります。
一方、アーリーアダプターを英語にすると「early adopter」となり、例えば上記の「アーリーアダプタープログラム」を英語にすると「early adopter program」となります。
イノベーターの意味
イノベーターとは
イノベーターとは、新しいものを積極的に導入する人を意味しています。
その他にも、新しく導入した商品やサービスによってさらに新しいものを生み出そうとする人たちを表す言葉です。
イノベーターの使い方
「イノベーターたちの意見が開発陣に届く制度がある」「イノベーターは今後も大事にされるべきポジションだろう」などの文中で使われているイノベーターは、「積極的に新しいものを導入する人」の意味で使われています。
一方、「イノベーターは新しいアイデアで革新が起こせることを願っている」「有名なグローバルイノベーターは日本でも名前を耳にしたことがある」などの文中で使われているイノベーターは、「革新者」の意味で使われています。
イノベーターは英語で「innovator」と表記され、「革新者」「発明者」といった意味を持つ言葉です。アメリカの社会学者エヴェリット・ロジャースによって提唱された「イノベーター理論」において使われている用語です。
イノベーター理論では消費者を5つの層に分けており、その中でも最も早く新しい商品やサービスを購入する層をイノベーターと呼んでいます。購入する際には、性能や利益などを気にしない人たちがほとんどです。
また、ビジネス用語として企業に使われる場合は、新しいアイデアや技術を採用して活用することで、新しい商品やサービスを生み出す人たちや企業を表すこともあります。
イノベーターの対義語
イノベーターの対義語・反対語としては、流行に対する関心が薄く世間に普及してもあまり見向きもしない人を意味する「ラガード」があります。
イノベーターの類語
イノベーターの類語・類義語としては、他に先駆けて物事を始める人を意味する「パイオニア」、その分野においてリードしている人を意味する「フロントランナー」、リスクを恐れないで未開拓の物事に挑戦する人を意味する「ファーストペンギン」などがあります。
アーリーアダプターの意味
アーリーアダプターとは
アーリーアダプターとは、流行に敏感で新しいものは早期段階で購入して使う人を意味しています。
アーリーアダプターの使い方
アーリーアダプターを使った分かりやすい例としては、「アーリーアダプター税を支払うには十分な性能だと感じた」「アーリーアダプターたちを優遇するサロンもある」「アーリーアダプターらのレビューによって今後の売れ行きが左右される」などがあります。
その他にも、「アーリーアダプターからの意見も多く取り入れられるだろう」「マーケティングにおいてアーリーアダプターが重要視されている」「アーリーアダプターとアーリーマジョリティらの購買速度によって流行の広まるスピードが変わる」などがあります。
アーリーアダプターは英語で「early adopter」と表記され、「早期導入者」「初期採用者」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われており、上項のイノベーター同様に、「イノベーター理論」にて提唱された中で使われている用語です。
消費者を5つの層に分けたイノベーター理論において、イノベーターに次いで早くに新しいものを取り入れる層をアーリーアダプターと呼んでいますが、利益や性能などを考えて購入する層と言えます。
「アーリーアダプター税」の意味
発売直後は誤作動を起こすものもあるため、早期導入時の高くなったコストやコストが高くなることを、上記例文の「アーリーアダプター税」と呼ぶこともあります。アーリーアダプター層はこれらの対価を支払う代わりに企業側に優遇されることもあります。
アーリーアダプターの対義語
アーリーアダプターの対義語・反対語としては、新しい商品やサービスの導入に消極的で周囲の反応を確認した上で採用を決める人を意味する「レイトマジョリティ」があります。
アーリーアダプターの類語
アーリーアダプターの類語・類義語としては、特定の会社や製品、技術を早期導入する初期顧客を意味する「ライトハウスカスタマー」、特定の商品の購買行動などに大きな影響を与える人を意味する「オピニオンリーダー」などがあります。
イノベーターの例文
この言葉がよく使われる場面としては、新しいものを積極的に導入する人を意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように企業や開発側に対して使うことで、新しいアイデアや技術を取り入れて新しいものを生み出す人たちを表すこともあります。
また、例文3の「イノベーションのジレンマ」とは、消費者の要望を取り入れてきた既存コンテンツが廃れることになる状態や、最先端技術を用いた商品の開発をしても成功しない状態などで後れを取ることを表す言葉です。
アーリーアダプターの例文
この言葉がよく使われる場面としては、流行に敏感で新しいものは早期段階で購入して使う人を意味する時などが挙げられます。
どの例文のアーリーアダプターも、早期導入者を指す言葉として使われていますが、上項のイノベーターよりも後に商品を手に取る人たちを指します。
イノベーターとアーリーアダプターは、どちらも「流行に敏感な人」を表します。
どちらを使うか迷った場合は、新しく生み出す人を表す場合は「イノベーター」を、新しく生み出されたものを導入する人を表す場合は「アーリーアダプター」を使うと覚えておけば間違いありません。