似た意味を持つ「気さく」(読み方:きさく)と「馴れ馴れしい」(読み方:なれなれしい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「気さく」と「馴れ馴れしい」という言葉は、どちらも人の性格のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「気さく」と「馴れ馴れしい」の違い
「気さく」と「馴れ馴れしい」の意味の違い
「気さく」と「馴れ馴れしい」の違いを分かりやすく言うと、「気さく」は相手に不快感を与えない人、「馴れ馴れしい」は相手に不快感を与える人という違いです。
「気さく」と「馴れ馴れしい」の使い方の違い
一つ目の「気さく」を使った分かりやすい例としては、「彼は気さくな人柄です」「気さくに話しかけることができました」「彼女はとても気さくなので親しみやすいです」「彼女は気さくな人です」などがあります。
二つ目の「馴れ馴れしい」を使った分かりやすい例としては、「仲良くないのに態度が馴れ馴れしい人は苦手です」「知らない人に馴れ馴れしい態度を取られるのは嫌いです」「お客さんに馴れ馴れしいことをしてはいけません」などがあります。
「気さく」と「馴れ馴れしい」の使い分け方
「気さく」と「馴れ馴れしい」はどちらも人の性格のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「気さく」は気取りがなく親しみやすいことを意味しており、相手への謙虚と礼儀を忘れないていないので、不快感を与えることがありません。
一方、「馴れ馴れしい」は遠慮がなさすぎることを意味しており、どんな相手にも失礼でくだけた態度で接するので、不快感を与える人に対して使うというのが違いです。
「気さく」と「馴れ馴れしい」の英語表記の違い
「気さく」を英語にすると「open-hearted」「unassuming」「friendly」となり、例えば上記の「彼女は気さくな人です」を英語にすると「She is an open-hearted fellow」となります。
一方、「馴れ馴れしい」を英語にすると「familiar」となり、例えば上記の「お客さんに馴れ馴れしいことをしてはいけません」を英語にすると「You shouldn’t be too familiar with your customers」となります。
「気さく」の意味
「気さく」とは
「気さく」とは、気取りがなく親しみやすいことを意味しています。
表現方法は「気さくな性格」「気さくな人」「気さくに話す」
「気さくな性格」「気さくな人」「気さくに話す」などが、「気さく」を使った一般的な言い回しになります。
「気さく」の使い方
「気さく」を使った分かりやすい例としては、「私の祖母は元気で気さくな人です」「彼女は誰にでも話しかける気さくな人です」「担当者が気さくな方だったので続けることができそうです」「気さくな人柄の上司はみんなから慕われている」などがあります。
「気さく」は気取りがなく親しみやすいことを意味する形容動詞です。形容動詞とは活用のある自立語で、文中において単独で述語になることができ、言い切りの形が、口語では「だ」、文語では「なり」「たり」で終わるもののことを意味しています。
「気さく」は親しみやすいだけではなく、謙虚と礼儀を忘れない人に対して使うので、プラスのイメージを伴っている言葉です。また、基本的に人を褒める場合に使うと覚えておきましょう。
「気さく」の特徴
「気さく」の特徴を挙げると、謙虚で誰に対しても優しい人、社交的で人と会話するのが好きな人、見栄を張ったりしないで素の自分をさらけ出せる人、物事をプラスに捉えることが多い人、明るいオーラがあり話しかけやすい人などがあります。
「気さく」の類語
「気さく」の類語・類義語としては、親しみを強く感じることを意味する「親しみ深い」、相手の立場を尊重しその人の益になるように考えることを意味する「好意的」、友好的であることを意味する「フレンドリー」などがあります。
「馴れ馴れしい」の意味
「馴れ馴れしい」とは
「馴れ馴れしい」とは、遠慮がなさすぎることを意味しています。その他にも、非常に親しい様子であることの意味も持っています。
表現方法は「馴れ馴れしい人」「馴れ馴れしい話し方」
「馴れ馴れしい人」「馴れ馴れしい話し方」などが、「馴れ馴れしい」を使った一般的な言い回しになります。
「馴れ馴れしい」の使い方
「上司に馴れ馴れしい口をきいたので注意されました「美容院のスタッフが馴れ馴れしいので早く帰りたかった」などの文中で使われている「馴れ馴れしい」は、「遠慮がなさすぎること」の意味で使われています。
一方、「親友とは馴れ馴れしい口を交わす」「彼とは馴れ馴れしくあだ名で呼び合っています」などの文中で使われている「馴れ馴れしい」は、「馴れ馴れしい」の意味で使われています。
「馴れ馴れしい」は遠慮がなさすぎることと、非常に親しい様子であることの二つの意味を持つ形容詞ですが、どちらかというと遠慮がなさすぎることの意味で使うことが多いです。
「馴れ馴れしい」は相手との関係性や場所を問わず失礼でくだけた態度で接する人に対して使うので、基本的にマイナスのイメージを伴っています。簡単に言うならば、嫌われやすい人に多い性格です。
「馴れ馴れしい」人の特徴
「馴れ馴れしい」人の特徴は複数存在しています。
一つ目はパーソナルスペースを考えていない人です。パーソナルスペースとは他人に侵入されると不快に感じる空間のことを意味しています。そのため、「馴れ馴れしい」人はそれほど親しくないのに、プライベートなことの質問をしたりして相手に不快感を与えることが多いです。
二つ目はボディタッチが多かったり、物理的距離が近い人です。大して親しくもない人に物理的に近づかれた際に不快感を伴う人は多いでしょう。
「馴れ馴れしい」の類語
「馴れ馴れしい」の類語・類義語としては、気取ったところがないことを意味する「フランク」、言葉や態度が軽々しくて思慮の深さや誠実さが感じられないことを意味する「軽薄」、礼儀作法を心得ていないことを意味する「礼儀知らず」などがあります。
「気さく」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、気取りがなく親しみやすいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「気さく」はプラスのイメージで使う言葉です。
「馴れ馴れしい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、遠慮がなさすぎることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、非常に親しい様子であることを表現したい時にも使います。
例文1から例文4の「馴れ馴れしい」は遠慮がなさすぎること、例文5の「馴れ馴れしい」は非常に親しい様子であることの意味で使っています。
「気さく」と「馴れ馴れしい」はどちらも人の性格のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、相手に不快感を与えない人を表現したい時は「気さく」を、相手に不快感を与える人を表現したい時は「馴れ馴れしい」を使うと覚えておきましょう。