【小売業】と【卸売業】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「小売業」(読み方:こうりぎょう)と「卸売業」(読み方:おろしうりぎょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「小売業」と「卸売業」という言葉は、どちらも「商品を販売する事業」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




小売業と卸売業の違い

小売業と卸売業の意味の違い

小売業と卸売業の違いを分かりやすく言うと、小売業とは商品を一般消費者に販売する事業、卸売業とは商品を業者に販売する事業という違いです。

小売業と卸売業の使い方の違い

一つ目の小売業を使った分かりやすい例としては、「薬局は医薬品小売業の一つです」「小売業はインボイス制度の影響を大きく受けています」「小売業界の動向について調べています」「小売業界への志望動機をお聞かせください」などがあります。

二つ目の卸売業を使った分かりやすい例としては、「医薬品卸売業は各製薬企業から薬を仕入れます」「卸売業の企業一覧を業種別に作成しました」「卸売業は消費税簡易課税制度での判断が難しいです」などがあります。

小売業と卸売業の使い分け方

小売業と卸売業という言葉は、どちらも仕入れた商品を販売するビジネスを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

小売業とは、卸売業者から商品を仕入れて、一般消費者に販売する事業を意味します。具体的には、コンビニやスーパー、ドラッグストアなどが該当します。インターネット上で商品やサービスを販売するECサイトも小売業の一つです。

卸売業とは、各種メーカーや生産者から商品を仕入れ、小売業者へ販売する事業を意味します。卸売業はBtoBビジネスの一種であり、顧客は小売業の事業者が中心です。食品卸売業の主要な顧客は、食品小売業であるスーパーの他、百貨店の食品部門や飲食店などがあります。

つまり、小売業とは商品を一般消費者に販売するビジネスであり、卸売業とは商品を企業や業者に販売するビジネスです。顧客が一般消費者であるか業者であるかが、二つの言葉の大きな違いになります。

小売業と卸売業の英語表記の違い

小売業を英語にすると「retailing」「retail business」「retail trade」となり、例えば上記の「医薬品小売業」を英語にすると「drug retailing」となります。

一方、卸売業を英語にすると「wholesaling」「wholesale business」「wholesale trade」となり、例えば上記の「医薬品卸売業」を英語にすると「drug wholesaling」となります。

小売業の意味

小売業とは

小売業とは、他者から購入した商品を、性質や形状を変えずに、最終消費者に販売する事業を意味しています。

小売業の読み方

小売業の読み方は「こうりぎょう」です。誤って「おうりぎょう」「しょうばいぎょう」などと読まないようにしましょう。

小売業の使い方

小売業を使った分かりやすい例としては、「小売業界の最新ビジネスモデルをご紹介します」「国内のアパレル小売業は二年連続で増収増益となっています」「小売業のアプリであると便利だと思う機能は何ですか」などがあります。

その他にも、「小売業の営業利益率の目安は10%程度です」「小売業界特有の職種には何がありますか」「小売業で高度な英語力は求められていません」「世界の小売業売上高ランキングをネットで調べました」などがあります。

小売業の「小売」は、消費者に対して直接商品を販売することを表します。生業や職業を表す「業」と結びつき、小売業とは、卸売業者などから商品を購入して消費者に販売する事業を意味します。デパートやスーパーなどの実店舗形式だけでなく、通販サイトなどの電子商取引も小売業の一種です。

「製造小売業」の意味

小売業を用いた日本語には「製造小売業」があります。製造小売業とは、商品を製造して消費者個人へ販売する事業所の形態を意味します。特にアパレル業界では「SPA」とも呼ばれ、自社ブランドのアパレル商品を企画し、生産および販売するビジネスモデルを指します。

小売業の対義語

小売業の対義語・反対語としては、メーカーから商品を仕入れて小売業者へ販売する事業を意味する「卸売業」などがあります。

小売業の類語

小売業の類語・類義語としては、消費者に直接品物を売る店を意味する「小売店」、仕入れた商品を再び売ることを意味する「再販売」、販売業者やメーカー特約販売店を意味する「ディーラー」、小売りや小口取引を意味する「リテール」などがあります。

卸売業の意味

卸売業とは

卸売業とは、他者から購入した商品を、性質や形状を変えずに、他の事業者に販売する事業を意味しています。

卸売業の読み方

卸売業の読み方は「おろしうりぎょう」です。誤って「おうりぎょう」「おんばいぎょう」などと読まないようにしましょう。

卸売業の使い方

卸売業を使った分かりやすい例としては、「卸売業の利益率は10%程度です」「卸売業者はなぜ必要なのですか」「卸売業の仕事内容を簡単に説明します」「卸売業でも英語力のある人を積極的に採用しています」などがあります。

その他にも、「卸売業と商社のビジネスモデルは類似性が高い」「卸売業者は業務用の商品も扱っています」「卸売業の時価総額ランキングをチェックする」「例えば卸売業がなくなったら、どんな影響が考えられますか」などがあります。

卸売業とは、商品を製造するメーカーから商品を仕入れ、小売業者へ販売する事業を意味します。「中間流通業」「問屋」とも呼ばれ、一般消費者が購入する生活用品だけでなく、企業が必要とする業務用や産業用の商品も扱っています。

「収集卸売業」の意味

卸売業を用いた日本語には「収集卸売業」があります。収集卸売業とは、農水産物や中小企業の工業製品などを生産地から集め、消費地へ出荷する卸売商です。対する言葉には「分散卸売業」があり、消費地において仕入れた商品を小売商や産業用需要者に販売する卸売商を意味します。

卸売業の対義語

卸売業の対義語・反対語としては、卸売業から商品を仕入れて消費者へ販売する事業を意味する「小売業」などがあります。

卸売業の類語

卸売業の類語・類義語としては、小売りをしない卸売り専門の問屋を意味する「卸問屋」、卸売業あるいは卸売業者のことを意味する「卸売商」、物品や権利の売買の媒介をして営利をはかることを意味する「仲買」、大量販売や卸しを意味する「ホールセール」などがあります。

小売業の例文と使い方

1.日本を代表する小売業の大手企業といえば、セブン&アイやユニクロなどがあります。
2.私たちが最も身近に感じる業種といえば、スーパーやドラッグストアなどの小売業でしょう。
3.資金さえあれば小売業は簡単に始められると考えているならば、それは大きな間違いです。
4.小売業界の売上高ランキングTOP10を見ると、普段お世話になっているお店ばかりでした。
5.小売業におけるインバウンド対応に、ビジネスレベルの英語力は必要ではありません。

この言葉がよく使われる場面としては、商品を最終消費者に販売する事業、その事業者を表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「小売業界」とは、小売業に関係する人々やその社会を指す言葉です。「業界」は同業者の世界を意味します。

卸売業の例文と使い方

1.卸売業の仕事内容で最も重要なものは、メーカーや生産者から商品を仕入れることです。
2.簡単にいうと、食品卸売業とは食品メーカーとスーパーなどを繋ぐパイプ役です。
3.昨年度の卸売業売上高ランキング上位10社は、ほぼ例年通りの顔ぶれであった。
4.流通業界の人であれば、卸売業と商社の違いを明確に説明することができるでしょう。
5.たとえば将来的に卸売業がなくなるとすれば、メーカーや小売店はどうなるのだろうか。

この言葉がよく使われる場面としては、メーカーと小売業者との中間に介在する再販売業者を表現したい時などが挙げられます。

例文4にある卸売業と商社の違いは、卸売業は商品を扱うのに対して、商社は原料を扱う点にあります。また、卸売は物流も商流も行いますが、商社は物流は行わず商流を中心にビジネスを行います。

小売業と卸売業という言葉は、どちらも「商品を販売する事業」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一般消費者に対して販売することを表現したい時は「小売業」を、企業や業者に対して販売することを表現したい時は「卸売業」を使うようにしましょう。

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