似た意味を持つ「きょとん」と「ぽかん」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「きょとん」と「ぽかん」という言葉は、どちらも呆然とした様子のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「きょとん」と「ぽかん」の違い
「きょとん」と「ぽかん」の違いを分かりやすく言うと、「きょとん」は軽いとまどいを表すこと、「ぽかん」は口が開くような驚きを表すことという違いです。
一つ目の「きょとん」を使った分かりやすい例としては、「先生の冗談がわからず彼はきょとんとしていた」「急に名前を呼ばれてきょとんとした表情になる」「そんな話をされてきょとんとする子どもの顔がかわいらしかった」などがあります。
二つ目の「ぽかん」を使った分かりやすい例としては、「驚くような結果を聞いてみんながぽかんと口を開けた」「信じられない光景に彼女はぽかんと立ち尽くしていた」「予想外の告白に思わずぽかんとしてしまった」などがあります。
「きょとん」と「ぽかん」はどちらも呆然とした様子のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「きょとん」は、軽い困惑や理解不足から来る表情を指すことが多く、目の動きや顔全体の一瞬のとまどいを表します。驚きよりもとまどいの意味合いが強く、やや無垢で可愛らしい印象を伴うこともあります。
場面としては質問の意図が分からなかった時や、予想外だが害のない事柄に遭遇したときに使われます。
一方、「ぽかん」は、口がわずかに開き、はっきりした呆然や唖然の状態を示します。驚きの度合いが比較的強く、言葉を失うような場面や圧倒される光景を見たときに用いられます。感情の大きさやショックの度合いを強調したいときに使うことが多いです。
つまり、軽いとまどいを表すのが「きょとん」、口が開くような驚きを表すのが「ぽかん」と覚えておきましょう。
「きょとん」を英語にすると「blank look」「look puzzled」「be puzzled」などとなり、例えば「先生の冗談がわからず彼はきょとんとしていた」を英語にすると「He looked puzzled when he didn’t get the teacher’s joke」となります。
一方、「ぽかん」を英語にすると「gape」「stand with one’s mouth agape」「be dumbfounded」などとなり、例えば「驚くような結果を聞いてみんながぽかんと口を開けた」を英語にすると「Everyone stood with their mouths agape when they heard the shocking results」となります。
「きょとん」の意味
「きょとん」とは、驚いて放心状態の様子のことを意味しています。
「きょとんとする」「きょとんとした顔をする」などが、「きょとん」を使った一般的な言い回しになります。
「きょとん」を使った分かりやすい例としては、「突然名前を呼ばれてきょとんとした」「彼は質問の意味が分からずきょとんとしていた」「周りが笑っているのに一人だけきょとんとした顔をしていた」「先生の話を聞いてきょとんとした表情を浮かべた」などがあります。
「きょとん」は、思いがけない出来事や予想外の発言に対して、驚きや理解できない気持ちを表すオノマトペです。簡単に言うならば、「何が起きたのか分からず、目を丸くしている状態」を表現しています。
「きょとん」は、驚き・戸惑い・理解不能といった感情を、無言で表す表情や態度を音で表現した言葉です。口を少し開け、目を見開いて、反応できずに固まっている様子が「きょとん」という音から伝わります。
たとえば「突然名前を呼ばれてきょとんとした」と言うと、驚きと戸惑いが混じった一瞬の表情が浮かびます。また、「彼は冗談の意味が分からずきょとんとしていた」と言えば、場の空気を理解できず反応が遅れている様子が自然に伝わります。
このように、「きょとん」は言葉を発さずに驚きや困惑を示す無言のリアクションを描くのに非常に適した表現です。主に人の表情や態度を描写するときに使われ、心理的というよりは表情的な擬態語に分類されます。
「きょとん」の類語・類義語としては、あっけにとられて口を開ける様子を表す「ぽかん」、驚きや混乱で一瞬動けなくなる様子を表す「あ然」、何が起きたのか理解できず呆然とする「ぼんやり」などがあります。
「ぽかん」の意味
「ぽかん」とは、呆然とした状態のことを意味しています。
「ぽかんとする」「ぽかんと口を開ける」などが、「ぽかん」を使った一般的な言い回しになります。
「ぽかん」を使った分かりやすい例としては、「あまりの出来事にぽかんとした」「子どもたちは先生の言葉にぽかんとしていた」「突然の告白にぽかんと口を開けてしまった」「彼は予想外の結果にぽかんと立ち尽くしていた」などがあります。
「ぽかん」は、驚きやあ然とした気持ちで、言葉を失って口を開けたままの状態を表す擬態語です。簡単に言うならば、驚きや呆然で反応できず口を開けている様子を意味します。
「ぽかん」は、驚きやショック、理解不能な状況に直面して、思考や反応が止まった状態を表現する擬態語です。特に、口を開けてぼうっとしている様子を強くイメージさせるのが特徴です。
たとえば「突然のニュースにぽかんとした」と言うと、あまりの出来事に思考が追いつかず、ただ呆然としている表情が思い浮かびます。また、「彼は何も言えずぽかんと口を開けていた」と言えば、驚きや混乱で言葉を失っている様子が生き生きと伝わります。
「きょとん」が軽い驚きや戸惑いの表情を中心に描くのに対し、「ぽかん」はより強い衝撃や呆然とした状態を描く点が大きな違いです。つまり、「ぽかん」は心の動きよりも完全に固まった表情を強調する表現です。
「ぽかん」の類語・類義語としては、一時的に頭が真っ白になる「呆然」などがあります。
「きょとん」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、驚いて放心状態の様子のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「きょとん」は軽いとまどいを表す時に使う言葉です。
「ぽかん」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、呆然とした状態のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ぽかん」は口が開くような驚きを表す時に使う言葉です。
「きょとん」と「ぽかん」はどちらも呆然とした様子のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、軽いとまどいを表すのが「きょとん」、口が開くような驚きを表すのが「ぽかん」と覚えておきましょう。