【迷路】と【迷宮】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「迷路」(読み方:めいろ)と「迷宮」(読み方:めいきゅう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「迷路」と「迷宮」という言葉は、どちらも「出口がわからず迷うような構造」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




迷路と迷宮の違い

迷路と迷宮の違いを分かりやすく言うと、迷路とは迷って出られなくなるような道、迷宮とは迷って出られなくなるような建物という違いです。

一つ目の迷路を使った分かりやすい例としては、「やっとのことで迷路から出ることができた」「人気の屋内型迷路アトラクションを楽しみました」「白黒イラストの迷路を印刷する」「迷路遊びには知育効果があります」などがあります。

二つ目の迷宮を使った分かりやすい例としては、「渋谷駅は迷宮のような造りになっている」「迷宮を冒険する3DダンジョンRPGが話題になっています」「迷宮入りと思われていた未解決事件を再調査する」などがあります。

迷路と迷宮という言葉は、どちらも簡単に出口がわからず迷ってしまうような構造を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

迷路とは、迷いやすい道、迷うように仕組んだ道を意味します。迷路の特徴は、分岐や行き止まりがある複雑な道であるため思考や判断を要することです。迷路には、大きさ・複雑さ・形状などにさまざまなものがあります。

迷宮とは、ギリシア語の「ラビュリントス」を語源とし、神殿や宮殿にあった複雑な構成の建物を意味します。迷宮の特徴は、複雑な構造であっても一本道で成り立っていることが挙げられます。また、迷宮という言葉は「迷宮入り」のような使い方で、複雑な状況を表す比喩的用法もあります。

つまり、迷路とは出口がわからず迷ってしまうような道であり、迷宮とは出口がわからず迷ってしまうような建物です。また、迷路は一本道ではなく、迷宮は一本道であるという明確な違いもあります。

迷路も迷宮も英語にすると「maze」「labyrinth」となり、例えば上記の「迷路から出る」を英語にすると「get out of the maze」となります。

迷路の意味

迷路とは、迷いやすい道、入り込むと迷って出られなくなるような道を意味しています。

その他にも、「迷路を図形化した遊び」「内耳の骨迷路とその中にある膜迷路」の意味も持っています。

「大人でも楽しめる巨大迷路を紹介します」「小豆島に迷路のまちと呼ばれる場所があります」「左手の法則を使って迷路を脱出しよう」などの文中で使われている迷路は、「迷って出られなくなるような道」の意味で使われています。

一方、「難しい迷路プリントを探しています」の文中で使われている迷路は「迷路を図形化した遊び」の意味で、「迷路は複雑な構造で2つの主要部分から構成されている」の文中で使われている迷路は「内耳の骨迷路とその中にある膜迷路」の意味で使われています。

迷路とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。迷路の「迷」は訓読みで「まよう」と読み、進むべき道がわからなくなること、「路」は訓読みで「みち」と読み、通り道や道筋を表します。

迷路を用いた日本語には「迷路学習」があります。迷路学習とは、迷路を使用する学習実験を意味し、動物行動学や心理学で用いられる手法です。動物が迷路を通って目標地点に到達するまでの学習プロセスを調べ、学習の進み具合などを測定します。

迷路の対義語・反対語としては、途中で分かれずまっすぐに続く道を意味する「一本道」などがあります。

迷路の類語・類義語としては、みつまたになった道を意味する「三叉路」、物事の事情や関係がこみいっているさまを意味する「複雑」、耳の最深部の複雑な骨壁に囲まれた部分を意味する「内耳」、ギリシャ神話に出てくる迷宮を意味する「ラビリンス」などがあります。

迷宮の意味

迷宮とは、中に入ると容易に出口がわからず迷うようにつくってある建物を意味しています。

その他にも、「複雑に入り組んでいてなかなか解明できない事柄のたとえ、特に、手がかりがなく解決の見通しが立たない犯罪事件」の意味も持っています。

「迷宮のような洞窟を探検する」「巨大な地下迷宮の謎に迫る」「校舎が迷宮のような複雑なつくりになっている」などの文中で使われている迷宮は、「容易に出口がわからず迷うようにつくってある建物」の意味で使われています。

一方、「犯人の特定には至らず事件は迷宮入りとなった」「迷宮入りの殺人事件を解決する」「事件を迷宮入りにはさせない」などの文中で使われている迷宮は、「複雑に入り組んでいてなかなか解明できない事柄」の意味で使われています。

迷宮の読み方は「めいきゅう」です。誤って「めいぐう」「めいみや」などと読まないようにしましょう。

迷宮とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。迷宮の「宮」は、訓読みで「みや」と読み、王などの住む大きな建物を表す漢字です。

迷宮を用いた言い回しには「迷宮入り」があります。「迷宮入り」とは、事件の真相や犯人などがまったくわからず、解決の見込みがたたないことを意味します。「お宮入り」とも言い、未解決事件を表現する言葉です。

迷宮の対義語・反対語としては、まっすぐな道を意味する「直路」などがあります。

迷宮の類語・類義語としては、道に迷った子どもを意味する「迷子」、物事が行き詰って進めない状態を意味する「袋小路」、容易に出られないという伝説上の建物を意味する「ラビュリントス」、ファンタジーやゲームで冒険的な地下迷宮を意味する「ダンジョン」などがあります。

迷路の例文

1.文化祭の出し物で迷路を作ることになり、段ボールを集めています。
2.週末は天気がよかったので、家族で国内最大級の巨大迷路に挑戦しました。
3.小学生向けの迷路プリントをやってみたら、意外と難しいので驚きました。
4.無料でダウンロードできる迷路プリントを、ママ友に教えてもらいました。
5.骨迷路と膜迷路の間と膜迷路内は、それぞれリンパ液で満たされています。

この言葉がよく使われる場面としては、なかなか通り抜けられないようにつくられた道、迷路を図形化した遊び、内耳の蝸牛殻以外の部分を表現したい時などが挙げられます。

例文3や例文4にある「迷路プリント」とは、迷路が印刷された紙のことであり、迷路を鉛筆でなぞってゴールを目指すものです。

迷宮の例文

1.近年の研究では、ギリシャ神話の迷宮は実在しないと結論付けられています。
2.文化庁が認定する日本遺産の一つに、石工が掘りだした巨大地下迷宮があります。
3.英語の先生は、小さい頃にテーマパークの迷宮で迷子になったことがあるそうです。
4.中学生の息子は、魔王の迷宮を舞台にしたゲームにハマっています。
5.刑事ドラマの面白いところは、迷宮入りした事件を自分なりに推理を繰り広げることです。

この言葉がよく使われる場面としては、中に入ると通路が複雑で出口がわからなくなって迷うように造られた建物、解決などを求めて迷う状況、犯罪事件が複雑で容易に判断や解決などがつかないことを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4の迷宮は、中に入ると出口がわからなくなってしまう建物の意味で用いられています。例文5の迷宮は、事件が複雑で容易に解決できないことの意味で使われています。

迷路と迷宮という言葉は、どちらも「なかなか出口にたどり着けない造り」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、迷って出られなくなるような道を表現したい時は「迷路」を、迷って出られなくなるような建物を表現したい時は「迷宮」を使うようにしましょう。

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