似た意味を持つ「端的」(読み方:たんてき)と「簡潔」(読み方:かんけつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「端的」と「簡潔」という言葉は、要点を押さえて表すさまを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
端的と簡潔の違い
端的と簡潔の意味の違い
端的と簡潔の違いを分かりやすく言うと、どちらも要点を押さえて簡単に表現することを意味し、さらに端的はすぐに実現するさまの意味も持つという違いです。
端的と簡潔の使い方の違い
一つ目の端的を使った分かりやすい例としては、「端的に話すことを心掛けている」「面接では端的な回答をするように」「端的に自己紹介をお願いします」「結論から端的に話し始める」「端的な影響を示した」などがあります。
二つ目の簡潔を使った分かりやすい例としては、「簡潔な説明の仕方を教えてもらう」「簡潔に言うとムリです」「簡潔かつ明瞭に表現するように」「プレゼンテーションには簡潔さが大事である」などがあります。
「端的に言えば」と「簡潔に言うと」の意味の違い
端的と簡潔という言葉は、話し方や文章の表現の仕方を表す、日常生活やビジネスシーンで馴染みのある言葉です。「端的に言えば」「簡潔に言うと」などと似た表現をします。どちらも要点を押さえて簡単に表すさまを意味しますが、さらに端的という言葉はすぐに実現するさまの意味も持ちます。
端的と簡潔の使い分け方
上記の例の「端的に話す」の端的は、要点を押さえて簡単に表すさまを意味するので、端的は簡潔に置き換えることができます。一方、「端的な影響を示す」の端的は、すぐに実現するさまを意味するので、端的を簡潔に置き換えることができません。これが、端的と簡潔の明確な違いです。
要点を押さえて簡単に表すという共通する意味でも、端的と簡潔は少し違ったニュアンスがあります。端的は手間をかけずに要点をおさえることを表し、簡潔は手みじかに要点をおさえることを表します。結果的には、どちらも要点を押さえて簡単に表すことになるので、同じように使われる言葉なのです。
端的と簡潔の英語表記の違い
端的を英語にすると「straightforward」「plain」「direct」となり、例えば上記の「端的に話す」を英語にすると「speak plainly」となります。一方、簡潔を英語にすると「brief」「concise」「terse」となり、例えば上記の「簡潔な説明」を英語にすると「concise explanation」となります。
端的の意味
端的とは
端的とは、てっとりばやく要点だけをとらえるさまを意味しています。
その他にも、たちどころであるさまや、はっきりとしているさまの意味も持っています。
表現方法は「端的でわかりやすい」「端的に表す」「端的に伝える」
「端的でわかりやすい」「端的に表す」「端的に伝える」「短く端的に」「端的にまとめる」「端的に言うと」などが、端的を使った一般的な表現方法です。
端的の使い方
「端的に説明してください」「部下には端的な報告を指導している」「端的に話すコツを教えてもらう」「時間が無いので端的に伝えます」などの文中で使われている端的は、「てっとりばやく要点だけをとらえるさま」の意味で使われています。
一方、「端的な効能があった」「難題を端的に解決した」などの文中で使われている端的は、「たちどころであるさま」の意味で使われています。「その物言いは端的すぎるだろう」「端的に言えば不可能だ」などの文中で使われている端的は「はっきりとしているさま」を意味で使われています。
「端的に説明する」の意味
端的という言葉は、上記の例のように複数の意味を持つ言葉ですが、主にてっとりばやく要点だけをとらえるさまの意味で使われています。上記の例の「端的に説明する」とは、手間をかけずに要点を押さえて説明することを意味します。
「端的只今」の意味
端的を用いた有名な一文に「端的只今の一念より外はこれなく候」があります。「端的只今」とは、「まさに今、ずばり今この時」を表し、ずばりこの今この時に徹する以外には何もないことを意味する一文です。
端的の類語
端的の類語・類義語としては、あきらかで疑う余地のないことを意味する「明白」、簡単ではっきりしていることを意味する「簡明」、わかりやすくはっきりしていることを意味する「平明」などがあります。
端的の端の字を使った別の言葉としては、形や動作などがきちんとしていることを意味する「端正」、正統から外れていることを意味する「異端」などがあります。
簡潔の意味
簡潔とは
簡潔とは、簡単で要領を得ているさま、手みじかではっきりしているさまを意味しています。
表現方法は「簡潔に言うと」「簡潔にまとめる」「簡潔に述べる」
「簡潔に言うと」「簡潔にまとめる」「簡潔に述べる」「簡潔で分かりやすい」「簡潔すぎる」などが、簡潔を使った一般的な表現方法です。
簡潔の使い方
簡潔を使った分かりやすい例としては、「報告書は簡潔かつ客観的な視点で書くように」「くどい文章を簡潔な文章に修正する」「子供は簡潔な話し方ができない」「簡潔すぎる文章は誤解を招く」などがあります。
その他にも、「簡潔明瞭に説明してください」「簡潔平明で分かりやすい語釈」「話をできるだけ簡潔にまとめる」「簡潔で構いませんのでご回答ください」「簡潔を期するあまり分かりづらい」などがあります。
簡潔の「簡」の意味
簡潔という言葉は、簡単で要領を得ているさまや、手みじかではっきりしているさまを意味します。簡潔の「簡」は 余計な部分をはぶいてあることを表し、「潔」いさぎよく、すっきりしていることを表します。
「簡潔明瞭」と「簡潔平明」の意味
簡潔を用いた四字熟語には、「簡潔明瞭」「簡潔平明」があり、単純でわかりやすく、はっきりとしていることを意味します。どちらも文章や表現方法などに使われる四字熟語です。
簡潔の対義語
簡潔の対義語・反対語としては、表現に締まりがなくてむだが多いことを意味する「冗漫」、話などに無駄が多くて長いことを意味する「冗長」などがあります。
簡潔の類語
簡潔の類語・類義語としては、簡単で短いさまを意味する「手短」、手短で簡単なことを意味する「簡略」、話の内容などを手短に要領よくまとめることを意味する「簡約」などがあります。
簡潔の簡の字を使った別の言葉としては、飾りけがなく質素なことを意味する「簡素」、事細かいことと大まかなことを意味する「繁簡」などがあります。
端的の例文
この言葉がよく使われる場面としては、てっとりばやく要点をとらえるさま、たちどころであるさま、はっきりしているさまを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3で使われている端的は、てっとりばやく要点だけをとらえるさまを意味します。例文4で使われている端的は、すぐに実現するさまや、たちどころであるさまを意味します。例文5で使われている端的は、はっきりしているさまを意味します。
簡潔の例文
この言葉がよく使われる場面としては、簡単で要領を得ているさまを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、簡潔という言葉は、話し方や文章が簡単ではっきりしているさまを表します。例文3にある「簡単明瞭」は、物事や表現がやさしく、はっきりしてわかりやすいさまを意味します。簡潔明瞭は表現に対して使われますが、簡単明瞭は表現だけでなく物事に対しても使われる言葉です。
端的と簡潔という言葉は、どちらも要点を押さえて簡単に表現することを意味する言葉です。さらに端的には、すぐに実現するさま、はっきりしているさまの意味もあることを覚えておきましょう。